バーニング・マウンテン 紅蓮の脱出行（２０２３年）
朝から「マッドマックス：フュリオサ」を見に行ってきたんだけど、先に、昨晩の就寝前に見終わっていたこちらの感想から書いてしまう…ということで、日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するＷＯＷＯＷのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「バーニング・マウンテン 紅蓮の脱出行（原題：On Fire）」を鑑賞…山火事を題材にした直球なディザスタームービー。2人いる監督の1人は俳優としても活躍しているピーター・ファシネリ…一番有名なのは「トワイライト」シリーズ？本作では火事に巻き込まれる主人公一家の父親役も演じている。
世界中で山火事が多発している昨今…アメリカのとある町。建設業を営むデーブは、身重の妻サラ、息子のグレイ、そして病気の父親ジョージと暮らしていた。ある日、近くの山で火災が発生…まだだいぶ距離が離れていたが、念のための準備を始めることに。ジョージは必要な品物の買い出しに出かけるのだが、その途中で避難警報が発令されてしまう。一方、家に残っていたサラたちも行動を開始、家を出たくないと渋るジョージを急かせて、なんとか車に乗り込んだのだが…既に火の手が！一方、ジョージは家に戻ろうとするも、既に道が通行止めで…。
火災ものというと、消火活動をする消防士にスポットをあてた物語が多いが…この作品は、山火事に巻き込まれちゃった主人公一家が、必死に逃げまわるのがメインの話だった。一応、同時進行で市民から緊急通報を受け、奔走する警察のオペレーターの姿なんかも描かれるんだけど、新人の若い女性オペレーターは、なかなか希望通りの要請に応じられない、全員を助けられないことに葛藤する。最初は、“場所が離れてるから大丈夫”なんて案内してたんだけど…あっという間に、通報者の元まで火が迫って来ちゃう…ちょっと判断ミス、人災にも感じるけど？
主人公一家のキャラ設定はなかなか凝ってる…嫁さんは妊娠中であり、酸素ボンベがないと生活できないような状態の病気の祖父となんか折り合いが悪そうなんだ、そのせいで若干、夫婦仲にも影響か？息子は高校生くらいだと思われるが…そのくらいの年齢で、実母が懐妊中って、ちょっと微妙だよね。で、この手の物語には珍しく、“早めの避難準備を始めてる”んだけど…それでも間に合わなかったというのが、意外とリアル部分かも？自然をなめてると怖いって話なんだろうな。で、旦那（父親）が買い出しに行ってる最中に、避難指示が急に出る。
買い物を済ませ（馴染みの店だったので、強引にツケで購入）、直ぐに家に引き返すんだけど…携帯の電波も悪くなり、警察による道路封鎖も行われてしまう。まだ家族が家にいると説明しても…警察は“救助隊に任せろ”の一点張、その救助隊が本当に来るのかもわからない。業を煮やした旦那（父親）は、警察の封鎖を突破し…家族の元へ向かう。一方の家族は、嫁が仲の悪い義父（祖父）をせっついて、険悪なムードになりながらもハンドルを握る。身重の嫁さん大丈夫なのか？息子はまだ免許を持ってないのかな？アメリカじゃ、日本より早く取れるのに。
離れ離れの旦那（父親）と他の家族の合流は…思いのほか早く実現するんだけど、火に囲まれちゃって、山を下りれなくなる。仕方なく、家に戻って、救助を待つことにしたんだけど、やっぱり火の手が迫る。車で逃げ出すが、途中でその車も動かなくなりどうしよう…。逃げてる最中に怪我もするし、嫁さんやっぱり産気づくし…もう駄目なのか？ちなみに、かなり足手まとい感を醸し出していたじーさんは、案の定、途中で死んじゃうんだけど、そんなところで、そんな理由で…という意外性ありで、そこがまたリアル。寿命だったと割り切ろうと、家族で励まし合う…。
他の似たようなディザスターものの、火災もののように、映像に迫力があるかというと、そこまででもないんだけど…81分しかないので、話はテンポよく進む。エンタメとしての緊張感は乏しいと思うのだが、真面目に撮ってるので山火事怖いな、こんなもん巻き込まれたくないなという気分にはさせてくれる。死期が迫ってるし、その前に火の手がそこまで迫ってるのに…余裕でタバコを吹かす愛煙家のじーちゃん、そんな状態でもやめられないタバコの中毒性もサラリ（笑）ちなみにじーちゃん役は「エイリアン」シリーズのビショップでお馴染み、ランス・ヘンリクセン。
監督：ピーター・ファシネリ ニック・ライオン
出演：ピーター・ファシネリ フィオナ・ドゥーリフ アッシャー・エンジェル ランス・ヘンリクセン
【山火事が描かれている映画といえば…】
