ＴＡＴＴＯＯ［刺青］あり（１９８２年）

ＷＯＷＯＷのＡＴＧ特集でエアチェックしておいた…「TATTOO［刺青］あり」を鑑賞、実際にあった強盗事件、実在の強盗犯をモデルにし、その強盗犯の男の“生き様”を描いたドラマ。後に哀川翔アニキのVシネ「ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ～」など手掛けた高橋伴明監督の一般映画初作品だそうで、主演は宇崎竜童。えーと、サイトや商品によって“刺青の両サイドに書かれている括弧”の表記の仕方がけっこうみんな異なるのね…オイラはタイトルログと同じ“[ ]”を使ったが…現在の円盤リリース元のキングレコードでは「」が正解なのね…。

昭和54年、大阪の警察病院に死体が運び込まれる…検死官は体の特徴として“刺青あり”と報告、享年30歳、竹田明夫の死体だった。遡ること約15年前…強盗を働き、家人を刺し殺してしまった未成年の明夫。20歳の時に保護監察処分も取り消しになり、その後、心機一転、キャバレーで働くことになった明夫は、同じ職場で働くホステスの三千代に惚れ、他に恋人がいた三千代を強引に口説いて同棲。長い間交際は続いたが、三千代は明夫の暴力に耐えかね他の男に走り、自暴自棄になった明夫もまた、かねてから計画していたある計画を実行に移すが…。

宇崎竜童演じる主人公…冒頭で既に死んでいる。そこから、まずは15年前に遡り…主人公が強盗殺人を働き、直ぐにパクられる姿が描かれる。しかし、当時は未成年だったから、刑罰も軽め…20歳の時には保護観察処分も取り消しになり、自由の身になった。そこでまず、キャバレーのボーイから始めるんだけど、ナンバーワンホステスで彼氏持ちの関根恵子、現・高橋惠子（伴明監督の嫁さん！）を強引にモノにしてしまい、気がつけば同棲まで始めてる。で、店も独立して…自分が店長を務めるように。しばらくはコツコツと真面目に働いていたようだが…。

同棲中の関根恵子には、たまに手を上げてしまうことも！でも、暴力を振るった後は、反省して…急に猫なで声で優しくなったりもする。最初のうちは、それでヨリを戻していたりしたんだけど、さすがに堪忍袋の緒が切れた関根恵子が実家に帰ってしまうことも！それでも連れ戻しに行って、相手の親の前で土下座までして、なんとか家に連れ帰る。やがて、関根恵子の稼ぎを当てにしてヒモ生活を始める…本人は大藪春彦にかぶれ、飲み屋でやたらモテてた男の影響でクレー射撃も始める…この頃から、いつか銀行強盗をしようという計画を立て始めるのよ。

もともと30歳までにでっかいことをやるぞと決めていた主人公…どうやらでっかいこと＝強盗らしい。昔のダチを無理やり強盗に誘ったり、身体を鍛えたり、強盗の準備を黙々と進めるのだが、気がつけば恋人の関根恵子がどこかへ消えていた。ようやく探し当てた時には、もう別の男がいて…その男がホンモノのヤー公。そして、その男が“今にでっかいことをやる、自分の名を揚げるぜ”と…自分と同じような志を持っているのに感化されてしまったようで（もちろん失恋のショックもあっただろう）…いよいよかねてから計画していた強盗を実行に移すぜとなる。

でも、まぁ…最後のゴールは既に見えてるわけで…。主人公の宇崎竜童が感化された元カノの今カレ、本物のヤー公の役を…今は、声優としても活躍している山路和弘が演じている。最初、わからなくてさ…エンドクレジットで名前を発見し、どの役だろうって、探しちゃったもん。今の山路さんは渋くてカッコいいけど、若い頃のギラついてる山路さんもカッコいいな。田舎に帰った時に、喧嘩をおっ始めるんだけど…その相手の1人が大杉漣さんだった、これは初見で直ぐにわかった。他にも有名な役者さん、タレントがちょこちょこ出てくるので見つけるのが楽しい。

監督：高橋伴明

出演：宇崎竜童　関根恵子（現・高橋惠子）　 渡辺美佐子　矢吹二朗　原田芳雄　植木等　太田あや子

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