ランサム(2023年) | 勝手に映画紹介!?

ランサム(2023年)

ランサム [DVD]

 

WOWOWのアクション映画特集でエアチェックしておいた「ランサム」を鑑賞…今回の特集ラインナップ6本のうち、唯一の日本映画、邦画!製作総指揮に元松竹の奥山和由プロデューサー、監督は室賀厚、出演者に小沢仁志アニキも名前を連ねるなど…うほっ「SCORE」のメンバーが再集結じゃんと嬉しくなる。主演が元K-POPアイドルのあんちゃんらしいと知った時はどうなることやらと思ったりもしたんだけど…そんな杞憂は無問題(それ韓国語じゃなくて広東語)。さすが室賀厚というVシネよりもワンランク上の安定感あるB級アクションに仕上がってた。

 

ある日、女子大生の金山由美が学校帰りに誘拐された!彼女の父親は、日本の裏社会を牛耳る金山省吾だった!犯人は辰己弘明、黒崎保、児島慎二、兵藤勝利、そこに韓国人のイ・ソジュンを加えた5人組の男たちで…みな、金山省吾に裏切られた過去を持ち、彼の事を憎んでいた。途中、由美に逃げられそうになったが…なんとか身代金の受け取りまで成功して金を入手。しかし…犯人の中に裏切り者がいて、結託した悪徳刑事が金を奪いに現れる。さらに犯人たちの正体を突き止めた金山省吾の手下たちも遂に動き出し…壮絶な戦いが始まる!

 

本編尺が90分を切る短さなのも…いつもの室賀印!だからテンポがいい。始まって数分で…物語の主舞台が“どこぞの廃墟”に移るあたりのわかってる感がすばらしいです。絶対にここで激しいドンパチやるやん。先に、ターゲットの女子大生が誘拐されるところをちゃちゃっと見せてから…なぜ、この誘拐計画が始動したかを過去に遡って描き出す。こういう時間軸がいったりきたりする構成も…タランティーノ直撃な室賀映画、室賀演出の特徴ともいえるだろう。いえいえ、決してパクリなんてではありませんぞ。オマージュなんです…室賀厚はこれでいいんです。

 

誘拐犯は、みな裏社会の大物である小沢アニキに恨みを持つ者で、その復讐のため…娘を誘拐して大金をふんだくろうと計画していた。身代金は1億円…この額だったら、警察に知らせず、払う額だろうと計算。案の定…脛に傷を持ち、おいそれと警察になんか頼れない小沢アニキは、身代金の支払いに応じる姿勢。犯人たちは練りに練った身代金の受け渡し方法で、まんまと1億円をせしめたまではいいが…一味の中に裏切り者がいて、新たに1億円の争奪戦が始まる!さらには、娘をなんとしても奪還しろと命じられた小沢アニキの部下たちも戦闘に参戦。

 

裏切りがあれば…戦いの中で芽生える奇妙な友情、愛情もあって、男泣き要素がつまってる。ここぞという場面で颯爽と仲間が現れ、背中合わせで敵を撃つ!これまた室賀映画のお約束、ジョン・ウーばりのアクションも健在だ!惜しむらくは…「SCORE」などが撮影された約28年前とは撮影環境が変わり、リアル発砲、リアル爆破がないことだろうか?まぁ、「SCORE」なんかは弾を一発でも多く撃とう、火薬を一回でも多く爆発させようと…わざわざ単価が安いフィリピンロケをしてたわけですけど…あの頃はVシネも含めて、ガンアクションが迫力あったよなぁ。

 

あと…もう一つ残念だったのは、小沢アニキ自身のアクション参戦がなかった点だろうか?いや、まだまだアニキだったらぜんぜん闘えただろうけど、今回は裏社会のボスとして、ふんぞり返って部下に命じているだけでしたね。小沢アニキ本人が誘拐犯のアジトに乗り込んできて、ショットガンでもぶっ放して、皆殺しにするところを見たかった。本作は誘拐事件を題材にしたストーリーだったが、そういえば昔、室賀監督が敬愛するジョン・ウーでマクベインの「キングの身代金」を映像化するという噂があった。もし実現してたら、こんな感じの映画だったかもね?

 

 

監督:室賀厚

出演:ユン・ソンモ 吉田玲 小沢仁志 中村優一 紺野千春 小林祐久 寺中寿之 中原翔子 永倉大輔

 

 

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