先週の読書:「すべてはエマのために」「帝都争乱 サーベル警視庁2」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「すべてはエマのために」「帝都争乱 サーベル警視庁2」

 

おかげ様で、月曜日から治療のために入院していた母親が、本日、無事に退院できました…当初は2泊3日の予定だったんだけど、入院当日、担当看護師師から3泊4日に変更になった旨を伝えられ、本当は昨日の午前中には退院予定だったのに…直前になって色々と検査の数値に気になるところが判明1日延びた。今月は日にちを開けて何度か外来へ通院しなければならなくなってしまったんだけど…医師から“帰っても問題ない”と判断されたことは良かったなと、ひとまず安心。当分、映画館へ行く暇がなさそう…先週の金曜日に2本見ておいて良かった。

 

今週、ウチの地元の映画館で見たい作品の公開がなかったのは幸い…まだ見れてない「アイアンクロー」は、しょうがないので、配信かWOWOW放送待ちでもいいかな?さて、1週前に読んだ読書の感想を、読書ブログから転載し、近況報告と一緒に、毎週、できれば週の半ばくらいまでにはアップしてるんだけど…すっかり先週分を忘れてた。ブログの更新はそれなりにこなしてたんだけど…母親の入院中は、若干、いつもと生活リズムが異なったので気もそぞろだったのだろう…ちなみに、今週はぜんぜん読書できてないので、来週の読書ネタ更新はお休み。

 

えーと、先週は2冊ほど読了できてました。まずは1冊目、「すべてはエマのために」…第一次世界大戦下のルーマニアで、新人看護婦が不可解な連続殺人、裏表紙掲載のあらすじの表現をそのまま拝借すると“仮面事件”というものに巻き込まれる。著者の代表シリーズ、“使用人探偵シズカ”シリーズの1つでした。2冊目は今野敏センセイの「帝都争乱 サーベル警視庁2」…こちらもシリーズものの2作目、1作目も随分前に読んでいる。日露戦争直後の東京、日露講和条約締結の影響で暴動が起きてしまうが、その渦中で不可解な殺人事件も起きてしまう。

 

詳細なジャンルや作品の舞台が異なるので、読んでる最中はあまり気にならなかったが…よく考えると2冊とも戦争が色濃く反映された事件を扱っていたななんて思うのであった…普通だったら、問答無用で今野敏センセイを選びたいところだが、ちょっと歴史もので、政治色が強めの作品って、若干苦手。それでも面白く読めてしまうのが敏センセイならではなのだが…ミステリーとしてしっかりと楽しめたのは「すべてはエマのために」だったので、今回の“推しの1冊”は、月原渉の「すべてはエマのために」の方に決定。シリーズものですが単発で読めます!

 

 

 

2023年6月発行の月原渉著「すべてはエマのために」…第一次世界大戦期のルーマニア、新人看護婦が、地方の資産家当主を専属で看護することになり、住み込みで働くことになったんだけれども、到着早々、不可解な連続殺人に巻き込まれる。実は、招かれた資産家一族というのが、主人公の出自にも深く関わっており、どうやら血縁関係があるらしい。当主の娘が、主人公と瓜二つの顔を持ってるんだけど、なぜかいつも仮面をつけたままだったり…最初から不可解な点も多かったが、次々に殺される一族の人間も、みんな仮面をつけた状態で発見される。

 

明らかに他殺の可能性が濃厚なのだが、屋敷の人間たちは“自然死”を強調、どうやら事件化させたくないようだ。仮面の謎、不可解な関係者の態度…その他にも、さりげなく死体消失や密室といったミステリ的な謎を提示してくる。看護婦である主人公の他に、もう1人、お屋敷に招かれた人物がいて、それが女医師。彼女が強硬に“事件を見過ごせない”と言い張り、探偵役として謎に迫っていく。この探偵役の女医というのが…どうやら日本人らしいシズカさん。なんだ、これも過去に何作か読んでいる”使用人探偵シズカ”シリーズも1つだったのね…。

 

本作では使用人ではなく女医になってます、でも、過去シリーズに出てきたシズカさんと同一人物だろう。なんで仮面を被っているのか?家族は、なんで遺体から仮面を外したくないのか?時代背景と一緒に考えていくと…真相は大方予想できる。お屋敷や仮面ということで、なんとなく綾辻行人の「水車館の殺人」を思い出したんだけど、最後で明かされるどんでん返しなんかも、ちょっと綾辻っぽかった(「水車館の殺人」ではなく、綾辻センセイの別の作品で使ってたネタにも似てた)。ミステリーとしては及第点だが、ドラマとして最後の展開はホッとしたかな?

 

 

 

2022年8月発行の今野敏著「帝都争乱 サーベル警視庁2」…2020年9月に出ていた単行本を文庫化したもの。以前、読んだことがある「サーベル警視庁」のシリーズ2作目。まだまだ幕末の影響が色濃く残る、明治を舞台に、制服巡査や私服刑事が、元新選組の斎藤一(改名して藤田と名乗っている)らと共に難事件に挑む。今回は日露戦争直後、日露講和条約(ポーツマス条約)の調印を機に、東京で大規模な暴動が発生!国民の鬱憤が首相・桂太郎に向く中、桂の愛人の警護を任された警視庁の警官たちの前で、不可解な殺人事件が起きてしまう!

 

序盤は、歴史色、政治色が強めの話で…登場人物の名前を覚えるのが大変。暴動が起きそうなど、不穏な空気は漂うものの、ミステリーらしい事件が起きずに、若干、退屈気味に感じてしまったんだけど、中盤以降はテンポよく話が転がっていき、最後までイッキ読み出来た。実在の人物もたくさん出てくる…この辺の歴史があまり得意じゃないので、きっと虚実入り乱れているのだろう内容を、どこまでが本当の話で、どこまでが創作なのかが自分には解りづらく、そういうのが得意な人だったら、きっともっと本作、本シリーズを楽しめるんじゃないかなとは思う。

 

ただ、自分のように無知な人間が読んでも適度に楽しめてしまうところは、さすが敏センセイの作品だなと。元ネタがわからないけど…キャラ立ちしているのはしっかり伝わってくる。元新選組の斎藤一…改め元警察官・藤田老人が漂わす雰囲気、この藤田老人が事件のキーマンと直接対峙する場面のヒリついた緊張感はもはや時代小説。明治が舞台というと映像化も難しそうだが、NHKあたりならお金をかけてドラマ化できる題材ではないかと…。または、一番いいのはアニメだな…文庫の表紙なんかも、ちょっと漫画チックなイラスト、ラノベっぽさを感じる。






 

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