ハイ・ヒート その女 諜報員（２０２２年）

ＷＯＷＯＷの“特集放送：空前絶後のハードアクション6連発！”でエアチェックしておいた「」を鑑賞…「007/慰めの報酬」のボンドガールでお馴染みオルガ・キュリレンコ姐さんと、海外ドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」のドン・ジョンソン（ＷＯＷＯＷの番組情報にＤ・ジョンソンと表記されていたから、一瞬、ドウェインの方かと思ってしまった）が夫婦役で共演、もちろんタイトルの“その女 諜報員”はキュリレンコ姐さんを指す。旦那ジョンソンと共同経営しているフランス料理店のシェフ、キュリレンコ姐さんが、本当はスパイだったって話。

夫のレイを共同経営者に、念願のレストランをオープンさせたオーナーシェフのアナ。開店初日から店は繁盛し、アナも忙しく動き回っていた！そんな中、アナ宛に不審な電話がかかってくるも…咄嗟に無視してしまう。無事に営業が終了し、翌日の準備のため1人厨房に残るアナ…そこへ店を放火しようとする侵入者が現れ、アナは侵入者と対峙し、躊躇なく相手を殺してしまう。なんとアナは元KGBで…その事実をレイにも内緒にしていた。その後、事情を説明にレイが現れ、ギャングに借金をしている事実、店を燃やして保険金を奪う計画があることを知る…。

特に、プロローグ、アバンのようなものはなく…いきなり快活なテーマ曲に乗せたアニメ風演出によるオープニングが始まる、尺も90分以下なので…本編が始まる前からテンポが良さそうな気配を漂わせていた。オープニング明けは、やたら活気の良いレストランの厨房から…女性シェフが忙しく動きまわる様子を見せるのだが、このシェフがキュリレンコ姐さん。今まで、あまり見たことのない雰囲気だったので、一瞬、誰だかわからなかった。ここだけ切り取ると、レストランの内幕を描いた「ボイリング・ポイント／沸騰」みたいな映画が始まりそうな感じもするよ。

仕事をしているキュリレンコ姐さんの元へ、旦那のドン・ジョンソンがやってくる…2人の会話やその後の展開を見ていて、2人が共同経営者であり、キュリレンコ姐さんがオーナーシェフ、しかもレストランは開店したばかり、オープン当日であるなんていう事情も判明してくる。そこへキュリレンコ姐さん宛の電話が掛かってくる…訝し気に対応するキュリレンコ姐さん、なんと相手はロシア語で親しげに話しかけてきて、キュリレンコ姐さんも同じ言語で応答してしまうも…直ぐにハっとして、慌てて電話を切ってしまう。その直後から、なんだか様子がおかしくなる…。

一方、旦那ジョンソンの方にも胡散臭い来客が…なんとか言いくるめて追い返すことに成功するも、レストランの営業終了後に、秘書（？）の女と店を出たところで襲撃される！前述の来客が、部下を従え待ち構えていたのだ！部下たちは指示役の男に命じられて、どうやらレストランを放火するつもりらしい…店の厨房にはまだ翌日の仕込みをしているキュリレンコ姐さんが残っている！ヤバイ、このままじゃ焼き殺されちゃうじゃん？いやいや心配ご無用…侵入者を直ぐに察知したキュリレンコ姐さんは、フライパンで応戦して、相手をいとも簡単に殴り殺す！

しかも…ぜんぜん動じることもなく、冷静に死体を冷蔵庫に運び、殺した相手から銃を取り上げる！完全に“ただの女シェフ”じゃねー感。最初は余裕ぶっこいていた襲撃者側も、異変を察知して…状況確認のために、まずは旦那ジョンソンを送り込む。ここでようやく何が起きているのかが理解できるように…要は旦那が悪党に借金してて、店を放火して、保険金で支払うことになってたらしいんだけど、旦那は“さすがにオープン初日だぞ”と渋っていたわけだ。さらに、旦那の借金のことを知らなかったキュリレンコ姐さんは店を守るために必死に抵抗しちゃうと。

なんで、そんな強いんだ…っていうのは元KGBのスパイだったと。逆に、その事実を旦那にも内緒にしていたのね。そんなわけで…なんとしても、店を放火したい悪党たちが、次から次へと刺客を送り込んでくるけど、その都度、キュリレンコ姐さんが撃退していく。さらには…KGB時代のしがらみなんかも影響して、ひっちゃかめっちゃかになっていくと。襲ってくる悪党連中はマヌケな奴らが多く、ハードなアクションに反して、全体的にコメディ調。そしてKGB時代の仲間だけど、現在は訳あって敵対している同胞の女とその家族の存在もコメディに拍車をかける。

監督：ザック・ゴールデン

出演：オルガ・キュリレンコ　ドン・ジョンソン　ダイアモンド・ダラス・ペイジ　ケイトリン・ダブルデイ

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