十角館の殺人(2024年) | 勝手に映画紹介!?

十角館の殺人(2024年)

 

Huluで本日から配信が開始されたドラマ「十角館の殺人」目当てに…加入手続き。ワンチャン、なんか無料のお試しサービスとか利用できないかなと思ったりもしたが、そういえばFire TV Stickを初めて購入した時に、1度お試し利用済みだった、7~8年放置していたアカウントもちゃんと残ってて、仕方がないので素直に課金したよ(笑)ドラマは実写化不可能とまで言われていた、綾辻行人センセイの同名小説(十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫))を原作ものを得意とする内片輝監督が映像化…ミステリーファン大注目の作品となってる。

 

十角形の奇妙な館が立つ孤島・角島へ…大学生ミステリ研究会のメンバーが訪れる。船に揺られてやって来たのは、エラリイ、ポウ、カー、ルルウ、アガサ、オルツィとお互いに渾名で呼び合う男女6人。そこへ先に準備のため島に渡っていたヴァンが加わり総勢7名…館に滞在して合宿を行うことになっていた。一方、元ミステリ研究会のメンバーだった江南孝明の元へ、半年前に焼死した建築家・中村青司から奇妙な手紙が届く。その手紙の真意を調べているうちに、ミス研メンバーが中村青司に縁のある角島へ向かったことを知る。やがて十角館内で事件が…。

 

先日、今回の配信に合わせ…30年以上ぶりに原作小説を再読した。正直、思い出補正もあり、学生時代に初めて読んだ時ほどの衝撃みたいなものは、味わえなかったんだけれども…鮮明に覚えていた“あのオチ”を知っているからこそ、細かい伏線なんかを拾いつつ、“真犯人コイツで良かったよな?”なんていう自分の記憶との格闘もあり、再読なりの楽しみ方ができた。逆に…当時よりも、ミステリーの知識もだいぶ身に着けていたことで、作中の登場人物たちが繰り広げるミステリー談義、推理合戦などをより理解できるようにもなり、違った面白さも味わった。

 

そんな「十角館の殺人」だけど…ちゃんと再読しておいて良かったなって思えるくらい、丁寧に、忠実に、そして大胆に映像化されているなと実感できた。時代設定をちゃんと小説と同じ1986年にしてあるなど…変に現代風アレンジをしていないところも好感が持てる。そこを逃げたらやっぱりおかしなものになっただろう、物語的にも重要な要素の一つなので、登場人物たちがタバコをバンバンふかす描写もしっかりとある…今どきの地上波のドラマだったらうるさいひとたちから文句が出たかもしれない。忘れちゃいけない島のロケーション、十角館の再現も完璧だ。

 

真相を知っているからこその妙なドキドキ…ミス研メンバーたちが島への上陸、十角館に到着したあたりで、最初の盛り上がりがあるわけですよね。ちょっとわざとらしくないか?なんて思いつつも…ギリかな(笑)また、同時進行で…探偵と助手役である島田潔、江南孝明コンビが、過去の事件を調べ始めるわけだが…いよいよですよね。ああ、意外といけてるんじゃないか?役者さんも演技を頑張ってるし。アレをなんとかクリアした段階で…あとは原作で犯人が判明する箇所がどのように描かれるのかを楽しみに、登場人物がどんどん減っていくのを見守ったよ。

 

原作を知ってる人ほど、きっと“騙されたフリをしてあげよう”と優しい気持ちになると思うよ、たぶん…そのくらい、まともな映像化作品にはなっています。ただ、原作を知らない人ほど…“犯人わかったよ”とか言うヤツは出てくるかもしれない。残念なことに、原作を知ってるからね、そのジャッジが自分でできないのが悔やまれるところである。でも、まぁ…よくここまで推理小説を忠実に映像化したなとオイラは褒めたいけどね。真犯人と探偵役が対峙する最後のエピローグあたりは…若干、原作と違った描写もあったが…話がわかりやすくなってたから問題なし。

 

 

監督:内片輝

出演:奥智哉 青木崇高 望月歩 長濱ねる 今井悠貴 濱田マリ 池田鉄洋 草刈民代 角田晃広 仲村トオル

 

 

【原作小説はこちらです】

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)

十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)






 

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