デューン 砂の惑星 ＰＡＲＴ２（２０２４年）
【鑑賞日：2024年3月15日】
予定通り、本日公開初日を迎えた「デューン 砂の惑星PART2」を地元のシネプレックスで鑑賞…通常上映、字幕版。一部劇場では先行上映も行われていたが、ウチの地元では実施されなかった…IMAXもなければ、先行上映もやらない、おまけに前作「DUNE／デューン 砂の惑星」の時は、劇場内で一番大きなサイズのスクリーンで上映だったんだけど…今回は普通の、やや小さめのスクリーンでの上映だった。本作は完全に続きものなので、昨日は前作をおさらい鑑賞、ついでにリンチの旧作映画版（劇場公開版）も見直してから、がっつり挑んできました！
特別な香料“メランジ”の採掘権を巡り、惑星アラキス、通称デューンでハルコンネン家とアトレイデス家の争いが起き、アトレイデス家はハルコンネン家により滅ぼされてしまう。それには皇帝シャッダム4世の思惑も強く影響していた。一方、ハルコンネン家の襲撃から間一髪で逃れたアトレイデ公爵家の後継者ポールと公爵の愛妾でポールの母親でもあるジェシカは、砂漠の民“フレメン”を率いるスティルガーの協力を得て逃避行を続けていたが、中にはポールをスパイ扱いする者も。ポールはフレメンの娘チャニと惹かれあいながら、反撃のチャンスを窺う…。
原作は未読、リンチ版は昨日の再鑑賞のほか、かなり昔に見てはいたんだけど…いわゆる劇場公開版しか触れておらず、劇場公開後に追加シーンを加えた長尺版の方は見たことがない。今回のドゥニ・ヴィルヌーヴ版は、2時間ちょっとで最後まで描いたリンチの映画版とほとんど同じ内容、ストーリー展開ではあるものの、途中でぶった切って2部作にし、トータルの尺数も倍以上の長さになっていたので、1作目の時点で“密度の違い”というものを感じていた…駆け足気味で難解なセリフも多かったリンチ版と比べると、映像が洗礼され、見やすくなっていた。
原作をちゃんと読んだり、旧作の長尺版も見ていれば…印象もまた違ったものになったんだろうけど、浅めのファンとしてはそんな気持ちだった。そして今回は、事前にリンチ版も見直していたので…どういう展開になっていくかというのはわかってPART2に挑んだんだけど、初っ端から面白かった。次の展開が予想できるのに、もしかしたら違うことが起きるんじゃないかという期待も湧いてくるくらい…アクションのスケールがでかく、もはや別物感が漂う。砂漠を横断中のポールとフレメン（先住民）に、ハルコンネンの追手が迫るという序盤から手に汗握りまくりだ。
前作ではまだ“線も細く”、お坊ちゃん然としていたポール、ティモシー・シャラメが…様々な困難に向き合うことで、メキメキと、逞しく成長していくのが如実に伝わってくる。またゼンデイヤ演じるフレメン女性と惹かれあっていく様なんかも段階的に、丁寧に描かれているし、他のフレメンの信頼を勝ち取っていく部分も同様、母親との関係性なんかはより複雑さを増し、ハルコンネン側の人間模様も詳細に描かれるので、人物描写、ドラマもしっかりと見ごたえある。リンチの旧作映画版で感じたような全体のダイジェストっぽさもほとんど感じることはなかったかな…。
要所要所でリンチ版との“細かい違い（ビジュアルや雰囲気じゃなくて…展開的なもの）”も認識しながら…ポールが力を蓄え、反撃へと転じていくわけだけど、最後の最後で、こうきたかという驚きにも繋がる。リンチ版の方は、ポールが逞しく成長して、復讐しました、良かったね…で終わってたんだけど（あくまでオイラが見た劇場公開版は）、ドゥニ版は、争いなんかそう簡単に終わる訳ないじゃんという、現代・現実を反映したテーマがより前面に出た感じ。権力に溺れる人間の愚かさというか…もっと単純に“男って馬鹿ね”的なメッセージも伝わってくるのよ（笑）
原作はまだ話の続きがあるそうで…映画も3作目があるんじゃないかという考察をしている評論家センセイの意見もネットで見かけた。そういえば、誰かがXのポストで“これは「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」です”って説明してて、大いに腑に落ちるのだった。さんざん、通常上映だ、スクリーンが小さいと文句をたれまくったが、それでも、最前列の席で見ていたら、サンドワーム（砂虫）関連や、クライマックスの反撃開始シーンなどの重低音がハンパなくて、爆音に包み込まれてる気分で没入感が最高でした。余裕がある人は設備がいい映画館で楽しんでください。
監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ティモシー・シャラメ ゼンデイヤ レベッカ・ファーガソン ジョシュ・ブローリン オースティン・バトラー
【PART2の前に見直しておこう！】
