聖闘士星矢 Ｔｈｅ Ｂｅｇｉｎｎｉｎｇ（２０２３年）
アマプラの見放題対象で「聖闘士星矢 The Beginning」が追加されたので鑑賞してみる…原作、アニメ共に、リアルタイムで直撃した小学生の頃はけっこうハマって読んだり、見たりしてたんだけど、いつしか読まなく、見なくなってたので、実は昔のTVアニメとかがどうやって終わったのかをよく知らなかったりもする。大人になってから、当時の劇場版を見直したり、あとはリメイク版のCG映画を見たりはしたんだけど…OVA版とかネトフリ版とか新し目のヤツはほとんど触れていない。今の知識は、主要キャラの顔と名前が一致する程度しか持ち合わせていない。
自らの身体に“小宇宙（コスモ）”という力が宿っていることを知らない若者・星矢は…地下格闘技で闘いの日々を続けながら、生き別れになった姉を探していた。ある時、闘いの中で“小宇宙”を爆発させたことがきっかけとなり、謎の組織に襲われる星矢。その組織と敵対する男アルマンと、執事マイロックに助けられ…その後、アルマンの娘シエナと引き合わされのだが、同時に彼女が女神アテナの生まれ変わりであることも知らされる。ペガサスの星のもとに生まれた星矢の使命はシエナを守ることだった…。星矢は“聖闘士”になるための修行を始めることに！
興行的には大コケだったらしいし、劇場公開時の世間での評判もあまり芳しくなかったそうなのだが…意外と“原作をそれなりに知っている勢”の中には擁護派もけっこういたみたいで…オイラも劇場鑑賞はスルーしちゃったけど、何かの機会があれば見てみようとは思ってたんだよ。そんなわけで、とりあえずざっくりとした感想を言わせてもらうと…“薄ぼんやりと記憶している昔のＴＶアニメ版”と照らし合わせて…「聖闘士星矢」ってこんな話だっけ？って思いつつも…記憶を刺激されるようなビジュアルもあり、ツッコミどころも肯定的に捉え、楽しく鑑賞はできた。
赤いTシャツにジーパン姿という…星矢の普段着がしっかり再現されていたのは良かったよね、そういえばこんな格好してたな。ここぞという場面で、“ペガサス幻想”のインストゥルメンタルが流れるのもいい…漫画原作ものに必要な最低限のリスペクトは感じられた。欲を言うならば、オープニングかエンディングで、バーンと“聖闘士星矢”という日本語表記のタイトルを出して、オリジナルの原曲じゃなくてもカバー曲でいい、なんだったら英語によるカバーでもいいから、歌詞付きの“ペガサス幻想”が流れたら…文句はなかったんだけどな、さすがに無理か？
映像作品としてはいい意味でのチープなB級作品なんだけど…ショーン・ビーン、ファムケ・ヤンセン、マーク・ダカスコスという、主役を食い気味な豪華わき役陣を見ているだけでも、満足度が高めだった。いつもの癖でごめんなさいだけど、007好きのオイラとしては「ゴールデンアイ」の悪役コンビ、ショーン・ビーンとファムケ・ヤンセンが“夫婦”役というだけでテンションがあがり…今頃になって、劇場でちゃんと見なかったことを後悔したりもする。っていうか、なんやかんや言って、この2人のはた迷惑な夫婦喧嘩を見せられていたような一面もあったりして笑うよね。
あと、やたらとエフェクトで画面がチカチカする中にファムケ・ヤンセンが佇んでいると「X-MEN」感も若干漂うのであった。それから…原作の辰巳ポジションだと聞いていた（情報源は「わしゃがなTV」内でのマフィア梶田と中村悠一、大川ぶくぶの感想トーク）マーク・ダカスコスが普通にかっこよかった。かつて日本とフランス合作の漫画原作映画「クライングフリーマン」で主役を務めたこともあるから、漫画原作の実写作品に充分馴染む素養があるんじゃないかな？沙織さんポジ（アテナ）がパツキンのセクシー美女でびっくりしつつ…ちゃんと落としどころも用意。
全体的に東映の実写特撮TVドラマを…もう少しスケールアップして作ってる感、生粋のハリウッド映画として捉えてしまうとCGや合成感が半端ないカーアクションや、スカイアクションにショボさが目立つものの、Vシネになっちゃった人気作品の続編2作目と同程度くらいの気持ちで見てると…そこもまた妥協できるように。いや、実際はけっこう金をつぎ込んでるらしいから、資金を回収できなくて、東映が頭を抱えてるみたいなんだけど…自分的にはあのチープさこそ、頑張って漫画原作を実写化したなって気分により浸れて、寛容な気持ちで見てしまえたんだ。
監督：トメック・バギンスキー
出演：新田真剣佑 マディソン・アイズマン ショーン・ビーン ファムケ・ヤンセン マーク・ダカスコス
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