レディ・ハード／香港大捜査線（１９８５年）

ＷＯＷＯＷで、昨年の米アカデミー賞で話題になった「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の初放送に合わせ、主演女優ミシェール・ヨーの特集放送が始まった…初期の香港アクションが5作品がラインナップされている。さっそく、昨晩エアチェックしておいた「」を鑑賞…本日の夜放送される「皇家戦士」は、以前、別の映画チャンネルで放送された時に見ているんだけど（ＷＯＷＯＷの方が高画質なのでコレクション用に録画する）、こちらは今まで見たことはなかった…と思う。昨年、初ブルーレイ化もされた模様。

通称マダムこと香港警察の女刑事アンナは、露出狂を現行犯逮捕した直後、今度は銀行強盗に遭遇…素早い行動で無事に犯人を確保するなど大活躍を見せる。忙しく働くアンナは、久しぶりの休みで、旧知の仲であるスコットランドヤード研修時代の上司と、ホテルで再会する約束になっていたのだが…なんとアンナが部屋を訪れると、相手が何者かに殺されていた！一方、アンナが来る前に…ホテルマンに変装した泥棒のノドアメとバファリンは、部屋の客が殺されてるとは知らずに、金品を盗むのだが、その中に犯罪組織が狙うマイクロフィルムがあった！

ミシェール・ヨー主演と謳われているが…他のスター俳優も同格くらいの扱いで色々と出演しており、そのうちの1人という感じでしたね。ミシェール・ヨーは香港警察の凄腕刑事で、露出狂の変態の逮捕から、銀行強盗の阻止までとにかく大忙し。ようやく休みが取れたので…イギリス人の知人（セリフの中で相手の家で休暇を過ごすと言っており、ホテルまで会いに行くくらいだから…カレシなんだろうな）と会う約束になってたんだけど、なんとその相手が、犯罪組織の殺し屋に殺されてしまう。その直前…殺人現場とは知らず、2人組のコソ泥が部屋に侵入してた。

コソ泥は、組織が被害者から奪おうとしていた“マイクロフィルム”を…他の金品と一緒に、盗み出してしまったのだ。ミシェール・ヨーは、このコソ泥の1人と鉢合わせしており、“ヤツが犯人ではないか”と、後を追うんだけど…取り逃がしてしまう。一方、殺人もマイクロフィルムの存在にもまったく気づいていないコソ泥2人組は…もう1人の仲間と合流…もう1人の仲間は偽造屋で、仲間の2人がホテルから盗んできたパスポートを、他人のものに作り変えて稼いでいた。ちょうどそのパスポートの写真に、例の“マイクロフィルム”が隠されていたんだけれども…。

殺人事件を調べるミシェール・ヨーは…コソ泥の行方を追い、犯罪組織もマイクロフィルムを見つけようと躍起になる！そしてミシェール・ヨーは…イギリスから応援にやって来た女刑事シンシア・ラスロックとコンビを組むことになり、最初こそ…捜査方針を巡って反発しあってたけど、事件と向き合ううちに、抜群のコンビぶりを発揮するようになると。ストーリーの方は、主人公ミシェール・ヨーの知人が殺されるというハードで、シリアスなものだが…コソ泥連中の絡みは香港映画特有のナンセスギャグのオンパレードであり、コメディ要素もけっこう強めだったよね。

2人組の泥棒がジョン・シャム（ジャッキーの“福星”シリーズに出てくるモジャモジャ頭の人）と、マン・ホイ（やっぱりこの頃の香港映画でよく見かけた童顔の間抜け面）なんだけど…後から合流する偽造屋の仲間が、映画監督としても有名、“香港のスピルバーグ”なんて異名もあるツイ・ハークだったりして…この3人が絡んだ掛け合いがなかなか面白い。ついでに…こいつらの知り合いとしてカメオ的にちょこっと出てくるのがサモ・ハン・キンポーだったり、リチャード・ンだったり、他にも見知った顔が色々…やっぱ“福星”シリーズに近いアクションコメディだったな。

ギャグっぽいけど、油断してるとけっこうシリアスな展開にも戻り…そのギャップが魅力だ。偽造屋のツイ・ハークが、おもちゃの銃や手榴弾を、本物と偽り…悪党たちに売りつけ、それがバレてトラブルになったりするエピソードも描かれてるんだけど、“このフリ”が、しっかりとクライマックスのアクションにも活かされてるあたりが良かったよね。本当に武器が必要な時に、本物と偽物がごちゃ混ぜになってて…さて、今持ってる銃はどっちでしょう？みたいな…。さっきネットで調べたらリチャード・ンとマン・ホイが昨年、2023年に相次いで亡くなってた、知らんかった。

監督：コリー・ユン

出演：ミシェル・ヨー　シンシア・ラスロック　ジョン・シャム　マン・ホイ　ツイ・ハーク　ジェームズ・ティエン
 

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