先週の読書:「ヴィクトリアン・ホテル」「人形島の殺人 呪殺島秘録」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「ヴィクトリアン・ホテル」「人形島の殺人 呪殺島秘録」

先週の読書:「ヴィクトリアン・ホテル」「人形島の殺人 呪殺島秘録」

 

もう2月も終わろうとしてるのか…早いなぁ。今月は映画館には1本しか見に行けてないんだよね…なんかイマイチだった「マダム・ウェブ」だけ。もう1本、「落下の解剖学」を見に行こうかなと思っていたんだけど…ネットで自分が推してる某映画評論家の先生が微妙だと評論していたので、見に行く気が失せてしまった。今にWOWOWでやったら見るからいいかな?3月は週イチくらいで見たいものがあるので…今月よりは確実に増えると思う。とりあえず1日は「ARGYLLE/アーガイル」を見に行こうと思ってるが、初回の時間がめっちゃ朝早く、天気も悪そう。

 

そういえば…ディズニープラスで真田広之の「SHOGUN 将軍」が始まったので、見ようかなと思ったんだけど…一挙配信じゃなくて、毎週1話ずつ更新(初回だけ2話)なので、WOWOWのキャンペーンで当たった“3か月無料期中”だと全部見れなそうなんだよね。1月1日に利用開始の手続きしちゃったんだけど…ネット情報によると、シーズン1の最終話は4月に入ってからだって書いてあったんだよな。せっかくなんで…最初の1話くらいは見てみるかもしれないけど、全話は追わないかもしれないな。もちろん…無料期間終了後は、継続利用する予定はない。

 

さてさて、先週の読書は…なんとか2冊読了。前回分と合わせて、1月よりはトータル冊数が増えたので良しとしておこう。そんなわけで1冊目は下村敦史の「ヴィクトリアン・ホテル」…「グランドホテル」と「ローマの休日」を足したような群像ミステリーなんだが、なんだ殺人事件は起きねーのかな内容。一応、ミステリーとしての仕掛けはありますが、自分の好みじゃなかった。2冊目は萩原麻里の「人形島の殺人 呪殺島秘録」…呪術・呪殺にまつわる殺人事件に巻き込まれた大学生が、真相に迫るシリーズものの3作目なんだけど、こっちはちゃんと人が死にます。

 

それだけでポイント高いんだけど…1~2を読んでないと面白味を感じられない作品でもあるかもしれない。単独で読むなら「ヴィクトリアン・ホテル」の方が読みやすいんだろうけど、自分でイマイチって言っちゃったものをお薦めするのもどうかと思うので…今回の“推しの1冊”は「人形島の殺人 呪殺島秘録」の方を選びますね。1~2を読んでいると、冒頭から今まで探偵役だったヒロインの失踪から始まるなど、序盤の展開がミステリアスで面白く読めると思います。こちらも事件のトリックより、シリーズものとしての仕掛けに拘りすぎなところが引っかかるけどね。

 

 

 

2023年2月発行の下村敦史著「ヴィクトリアン・ホテル」…2021年2月に単行本で出た作品の文庫。100年の歴史に幕を閉じる老舗ホテル…その閉館前夜に縁のある客たちが集い、思いを馳せたり、トラブルに見舞われたりする。お忍びでやって来た女優、羽振りのいい業界人っぽい男、毎年行われる文学賞受賞式に参加した作家、訳ありな老夫婦、借金苦でつい盗みに走ってしまう男など…彼らが交わったり、すれ違ったりして物語は進む。作中でもタイトルを引き合いに出していたが「グランド・ホテル」と「ローマの休日」を意識したような部分も無きにしも非ず。

 

てっきり客室で殺人事件でも起きるのだとばかり思っていたんだけど…いっこうにその気配がなく、一応事件らしいものもあるけど、それこそけっこうショボイ犯罪。正直、ちょっと肩透かしな印象。加えて…女優と業界人っぽい男の絡みなんかも、ネタが古臭いのよ。それこそ…色々と現実の芸能界を騒がせているセクシャルな問題にも似た酷い話なんかも描かれるんだけど…作品としては妙な違和感。まぁ、その感覚があながちハズれてはなくてですね…クライマックスで、一応、ミステリーとしてのネタバラシなんかもあったりするんだけどね…。

 

正直、読みたかったのはそういうのじゃないんだよなぁって感じ。まぁ、古いタイプの人間なので…“ミステリー=殺人事件”じゃないと物足りなく感じてしまうのよね。一般人が女優を口説けるかもしれないというラブロマンス部分の設定も嫌いじゃないのだけど…肝心のストーリーがあまりロマンチックではなく盛り上がりに欠けた。結局は、最終的などんでん返しのための仕掛けばかりなので、登場人物のネタがみんな浅めだったよね…。下村敦史は、前に2冊ほど読んだことがあり、そっちの方はそれなりに面白かったけど…なんか微妙、イマイチだったなぁ。

 

 

 

2023年2月発行の萩原麻里著「人形島の殺人 呪殺島秘録」…以前読んだ「呪殺島の殺人」「巫女島の殺人 呪殺島秘録」に続くシリーズの3作目。今までも“呪術・呪殺”にまつわる陰惨な連続殺人に巻き込まれた、幼馴染の男女の大学生コンビが…再び訳ありな離島に趣き、事件と遭遇する。今回は、今まで探偵役だった…和装の美少女が謎の失踪。幼馴染である語り手、主人公が必死に探し回ると…美少女自身の出自に関わる離島に向かったことが判明、そこまで追いかけていくのだが…なんと、到着早々に島の権力者一家が関係する殺人事件に遭遇する。

 

しかも…容疑者は、その権力者一家の遠縁にあたる幼馴染美少女だという。主人公は、権力者一家の屋敷に滞在しながら…事件後に屋敷から姿をくらませた幼馴染探しと、事件の真相を探っていくが…新たな殺人も起き、気づけば、“記憶を失っていた自分の過去”とも対峙することになる。本当に犯人は幼馴染美少女なのか?とにかく事件関係者の権力者一家は…奇抜な設定で個性が強く、みんな胡散臭い。1作目は導入部で“殺人”が起きるなど、インパクトは大きかったのだが…主人公たちが事件に巻き込まれるに至ったプロセスが物足りなく感じた。

 

2作目では、逆に…事件に巻き込まれるまでの経緯が丁寧に描写されていたものの、肝心な事件が起きるまでが長く、ちょっとテンポ感が悪かった。今回は、ヒロインの失踪から始まり、第1の殺人に至るまでの長さも程よく、謎が広がりながら、2人目、3人目の死人が出るなど前半はけっこう面白く読めた。後半、物語の核心が見え始めたあたりから…1作目でも描かれていた“主人公の記憶”が重要になる。このあたりから…“だいたいの真相は看破出来ちゃった”のに、勿体ぶった引っ張りが目立ち始めたかなと。主人公、なぜ今そこスルーしたんだよみたいな。

 

あと…第1の殺人が、死体の入れ替わり…死体発見の報せを聞いて、権力者一家の代表者が現場に赴くと…被害者は家を出るまで一緒にいた、留守番しているはずの別の家族だったという、一番ミステリー的な謎でもあったんだけど、この作品の●●●●や、それにまつわる途中の描写で大方のトリックは予想はできたよね。今回はトリック云々よりも…シリーズものとして、設定的などんでん返しを狙っている部分が大きい作品だと思う。間違っても3作目から読み始めることだけは避けた方がいい…。現段階では続きは出てないが、今後どうなるのだろうか?






 

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