Ｄｏｎ’ｔ Ｌｅａｖｅ Ｍｅ ～孤独の連鎖～（２０２２年）
海外ドラマのミニシリーズを一挙放送するＷＯＷＯＷのＷＯＷＯＷプレミアでエアチェックしておいた「Don't Leave Me ～孤独の連鎖～」を鑑賞…イタリアのヴェネチアを舞台に人身売買組織を追いかける捜査官たちの活躍を描くサスペンスドラマ。どこか翳がある女性主人公の過去…たとえば一緒に捜査する地元刑事が元カレで、その元カレの嫁さんが幼馴染の親友だなんていう、なかなか複雑な人間関係なんかもドラマを面白くする。Ａｍａｚｏｎで検索したらドイツ盤のDVD（Dont leave me）がヒット…日本語は未収録、リージョン等未確認なので要注意です。
ヴェネチアの運河で…少年の遺体が発見された。当初は、自殺の線が濃厚だったのだが…ローマの児童ポルノ対策センターの捜査官エレナが持ち込んだ情報により、他殺の可能性が浮上する。実はエレナ自身もかつてはヴェネチアに住んでいたのだが…戻って来たのは20年ぶりだった。エレナは元恋人の地元刑事ダニエレを相棒に指名…他にも小児性愛の被害者が行方不明になっており、背後には大掛かりな組織が関与していると説明。ダニエレは強引に捜査を進めるエレナに不信感を抱き、彼女を信用できるのかと悩みながら、捜査に協力するが…。
美しいヴェネチアの街、その特徴ともいえる街中に流れる運河で…少年の水死体が引き上げられるというなかなかショッキングなシーンから物語は始まる。水中から少年を引き上げたダイバー、メイン登場人物の1人である地元警察の男性刑事はまだあきらめておらず、必死に蘇生を試みるも、残念ながらこと切れていた…さらに少年は大きな石を抱えており、自殺の線が濃厚に！その事実に…男性刑事はやるせなさを痛感する。実は、自分にも2人の年頃の息子がいて、更には美人の嫁さんが3人目を懐妊中。自分の子供をダブらせてしまったに違いない。
そんな男性刑事の元に…ローマからお客がやってくる。なんとそれは20年前に、自分を捨てて街を出て行った元カノだった。その元カノも児童ポルノ対策センターという捜査機関に属す捜査官になっていて、運河で死んだ少年が他殺らしいという情報をもたらす。さらには、背後に巨大な小児性愛者ネットワークが存在し、他にも犠牲者がいる、もたもたしてると新たな犠牲者が出てしまうという。最初こそ…強引で過激な捜査を進める元カノに対し、不信感を抱き、半信半疑だったんだけど…徐々に証拠も集まり始めて、本格的に事件へ向き合うことになっていく。
その一方で…男性刑事の妊娠中の妻が、元カノの帰還に不安を募らせる。なんと元カノと嫁さんも親友同士…3人とも幼馴染だったのだ。みんな、表面上は“大人な対応”してるんだけど…時々、危うい言動をしたりすることも。しかし、焼け木杭に火が付いて、捜査そっちのけで、ドロドロ不倫に陥ったりなんて展開にはならなかったね。っていうか…元カノも、かつては他の男と結婚していたらしい。そして息子もいるらしいんだけど…大事な息子をほったらかしにして、捜査に夢中になっていると。まぁ、この辺に…予想通りといっちゃなんだが、仕掛けもあったりする。
思い出したように、突然、息子とコミニュケーションをとったりする元カノに、最初から違和感ありありで、だいたい展開は読めるんだけど…てっきり、事件に関係するのかなと思ってたら、そことは直接関係がなかった。まぁ、間接的には、ちょっぴり影響もあったけどな。全8話なんだけど…だいぶ後半まで“主人公の過去”は引っ張っるよ。序盤は、ちょっとまったりした感じだったけど、元カノ、児童ポルノ対策センターの捜査官の主張が認められて、捜査が本格的に始まる3話目あたりから話は面白くなる。個性的な刑事が色々と招集されチームができるんだよ。
それこそＷＯＷＯＷで放送している海外ドラマ「クリミナルマインド」とか「FBI」みたいな…チーム捜査ものとしても楽しめるようになってきた。8話も見せておいて、最後の黒幕との対決が、若干、こざっぱりした印象だったが…7話の後半から8話前半をまたいだ、どんでん返しの畳みかけと、主人公たちのピンチは手に汗握った。話が前後しちゃうんだけど…捜査序盤、防犯カメラを駆使して、容疑者を絞り込むあたりも、ベタだけどけっこう緊張感があって好き。全8話とちょっぴり長めだが…小児性愛、人身売買と…硬派で社会派な内容なので、見応えはあった。
監督：チロ・ビスコ（Ciro Visco）
出演：ヴィットリア・プッチーニ アレッサンドロ・ロヤ セーラ・フェルバーバウム マウリツィオ・ロンバルディ
【輸入盤DVDソフトの購入】
DVD Dont leave me ※輸入盤、日本語なし、リージョン等不明
