オオカミ狩り（２０２２年）

ＷＯＷＯＷでエアチェックしておいた「」を鑑賞…韓国映画だという認識はあったんだけど、タイトルが印象的だったので、特に内容の詳細を調べないまま録画予約。てっきり、人喰いオオカミと猟師が対決するようなアニマルパニック系だと思い込んでいたんだけど…動物のオオカミのことじゃなかったのね。犯罪者の集団を貨物船を使って、輸送することになったんだけど、犯罪者たちの奪還を企てる連中が、護送担当の警官たちを皆殺しにして、貨物船を乗っ取ってしまおうと動き出すが…もちろん抵抗もされ、さらに謎の闖入者もあって大混乱に陥る。

フィリピンで捕まった犯罪者たちが、マニラを発つ貨物船に乗せられて、韓国の釜山まで護送されることになった。過去に飛行機を使った護送の時に、事件が起き…大きな犠牲、被害を出したのが原因だ。護送される囚人の中には、ジョンドゥと呼ばれる凶悪な犯罪者もおり、ベテラン刑事20人が警護にあたることになった。しかし、貨物船が出航して間もなく…船員に成りすましていたジョンドゥの仲間たちが反乱を起こし、奪還したジョンドゥと共に殺戮を始める。一方、船の奥には…正体不明の“怪人”が薬を投与され眠らされていたのだが、目を覚ましてしまう！

アニマルパニックじゃなくて…船版の「コン・エアー」＋「ダイ・ハード2」だった序盤展開。護送任務をナメてた間抜けな警官たちの隙をつき、事前に船員に化けてた連中と、拘束を解いた囚人たちが…問答無用に警官や船員をブチ殺していく。アメリカ映画だったら…それこそ虫けらのように自動小銃で瞬殺されたりするんだろうけど、刃物や鈍器を使い血みどろバイオレンスな手法で、ネチネチと、そして執拗に殺しまくるのが、やっぱり韓国流だ。そして多くの警官は間抜けだが…ちゃんと異変を察知して、反撃に出る、ジョン・マクレーンポジの登場人物もいる…。

その1人が女刑事なんですよ…ムショ暮らしでタマってる囚人たちからは“カワイイポリ公”と呼ばれることもあったが、すごい美人というわけでもなく、韓国映画のヒロインにしては、地味な感じ。確かに、一緒に行動していた先輩の女刑事よりは可愛かったけどな（笑）彼女がとりあえずの主人公と見た！他の男性刑事たちが窮地に追い込まれる中、機転を利かせて自動小銃を持った男に体当たりをぶちかましたりするし…大活躍。生き残った男性刑事たちと一緒に、外部との連絡手段の確保や、生存者の捜索に奔走…“敵”と遭遇すれば、凛々しく銃も構える！

刑事と囚人の激しい攻防が繰り広げられる中…実は、船の中には密かに第三勢力が！ヤクザっぽい連中と、警察の協力者として乗り込んだ民間医師が、船内の入り組んだ機関部みたいなところで、接触を図り…そして医療機器に繋がれ寝かされた、“まるで死体のように無気味な患者”に薬物を投与するという意味深な展開が並行して描かれるのだ。最初は囚人の仲間だと思っていたヤクザものは全く無関係。船内の反乱は、患者の奪還ではないようだ。そしてですね、案の定…この“無気味な患者”が、動き出し、ジェイソン、ターミネーターばりに暴れまわる。

刑事や船員を容赦なくブチ殺した囚人とその仲間たちもかなりヤベェ連中だったけど、もっとヤベェのが出てきた！目元を塞がれてるのに、何不自由なく動き、ものすごいパワーとスピードでとりあえず動くものを攻撃してくる患者…刑事も囚人も、男も女も、あっという間に死んでいく。そんな状況でも…ホラ、あの“カワイイポリ公”はまだ生き残ってるぜ！そして反乱を起こした囚人軍団に異を唱えた、どうやら仲間じゃないらしい囚人もいて、それが超イケメンなんだけど…前述の女刑事側に加担もしてくれるわけですよ。このイケメンも謎が多く怪しい存在だ。

途中から、ほぼほぼこの正体不明の患者と、船内の生存者とのサバイバルになっていくが…終わり近くになって、あの化け物みたいなヤベェ奴の正体に迫るドラマ、展開もちゃんと用意されている。なんか知らないうちに「武器人間」みたいな話になってて、諸悪の根源が日本人だったりするところに韓国映画の毒も垣間見れるわけですよ。そして、誰が生き残るかなって部分は、やっぱイケメンが強いなと（笑）間抜けなヤツ、ムカつくヤツ、ブサイクなヤツ、その他もろもろザコはみんな死んじまって…コイツまでも瞬殺かという驚きがある中、イケメンは無敵だった。

監督：キム・ホンソン

出演：ソ・イングク　チャン・ドンユン　ソン・ドンイル　パク・ホサン　チョン・ソミン

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