テリファー 終わらない惨劇（２０２２年）

ＷＯＷＯＷのシリーズ2作品一挙放送でエアチェックしておいたホラー映画“テリファー”シリーズ…昨晩鑑賞した1作目に続き、2作目の「」も見終わった。1作目は2016年と、ちょっと古めの作品だったが、こちらは2022年製作。日本では昨年2023年に劇場公開されている（1作目はソフトスルーの未公開映画だったが、2作目の公開に合わせて初劇場上映もされたらしい）。1作目は90分以下の尺だったが、この2作目は2時間超えの2時間19分…1時間近く長くなった。本来はR-18作品だが、放送はグロ描写を控えたR15＋指定版。

※あらすじや感想内で“1作目のネタバレ言及あり”

1年前のハロウィーンの夜、ピエロの恰好をした殺人鬼アート・ザ・クラウンによる大量殺人が発生！アートは通報によって駆け付けた警官の前で自殺を図り、死んだと思われていたが…その後、遺体安置所から死体が消えていた！1年後…再びハロウィーンがやって来た。父親を亡くしたばかりのシエナ、ジョナサン姉弟。シエナはパーティー用の衣装作りに夢中になっていたが、不可解な夢を見た後、火災を起こしそうになり、母親と喧嘩。一方、ジョナサンは…アートへの興味が尽きず周囲から心配されていた。やがてジョナサンはアートの姿を実際に目撃し…。

1作目を見ている最中は…単なるやべぇ変態殺人鬼なのかなと思っていたが、被害者たちに反撃されても、全然致命傷にならず、直ぐに復活、神出鬼没で殺戮を繰り返す殺人鬼アート・ザ・クラウン…途中から徐々に人間じゃないのかもと思い始め、最後は自分で頭をぶち抜いて死んだはずなのに、死体安置所でムックり起き上がって、やっぱり“人間じゃなさそう”っていうのが確定…それを踏まえての続編、不死身の“あんな化け物”につけ狙われたら、助かりっこないし、万が一、命が助かっても“1作目の唯一の生存者”のようなおぞましい姿にされるはず。

そんなことを考えながら見始めると…どうやらこの2作目の主人公っぽい姉弟も、悲惨な末路しかないよななんて、最初から考えてしまう。本編尺が1時間も伸びてるので…主人公たちのバックボーンなんかもより詳細に描かれるようになったので、感情移入はしやすくなった。ちょうど1年前に父親を亡くしている姉弟、表面上はふっきれてるっぽい姉ちゃんはハロウィーン用のコスプレ衣装づくり（ワンダーウーマンみたいな露出も多いめっちゃセクシーな衣装）に夢中になってるが、寝落ちして、ピエロに殺される悪夢を見て、直後に失火…マジで死にそうになる。

以来…ピエロの影に怯えるようになり、実際に“本物らしいアート”と鉢合わせまでしてしまう！一方、小学生の弟くんは明らかに父親の死を引きずってるっぽく、日ごろから言動がおかしく、殺人鬼にも興味津々で、姉や母親からも心配されている。そんな弟くんも…学校でピエロ、そしてそのピエロと一緒にいるお化けのような少女と遭遇！以降、殺人鬼アートは、姉弟の周囲で殺戮をはじめながら、どんどん迫ってくる！1作目の内容が容赦なかったからな…幼い弟くんなんかも、決してその設定だけでは“安全とは言い切れない”…はたして生き残れるのだろうか？

全体的に、作り手の“こなれ感”も出てきて…いい感じに映画として洗練されたと思う。その反面、あきらかに“夢オチだろ”とわかるようなシーンも長々と描いてあったりして、1作目に比べるとテンポはやっぱ悪く、ダレ場も目立つ。また、1作目では立ってるだけで本当に薄気味が悪かったピエロの殺人鬼アート・ザ・クラウンの狂気も、受け手としての慣れもあり、やや薄まったかなという印象が。いや、相変わらず大暴走、大殺戮を繰り返してるんだけど…“この世の者じゃないなら、それくらい当たり前か”とも思っちゃったし。何者かわからない方がやっぱ怖いよ。

あと…例のようにグロ描写を“わざとボカした”放送版だったので、本来の悪趣味で、キモもい部分もだいぶ軽減してしまっている。まぁ、でも…1作目のセオリーで色々と展開を予想してると、それを覆してくるところもちゃんとあったし、それこそ渾身のコスプレ衣装の効果か、お姉ちゃん、めっちゃ健闘するねん。1作目の方が良かったと言ってる人も多いみたいだが、これはこれで自分は好きな部分もけっこうある。1作目の話を補足する、その後を描いたネタもあったりするので…1作目の鑑賞は必須かも。そして既に企画が動いてるらしい3作目に期待が膨らむ。

監督：デイミアン・レオーネ

出演：ローレン・ラヴェラ　デヴィッド・ハワード・ソーントン　エリオット・フラム　サラ・ヴォイト　ケイリー・ハイマン

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