先週の読書:「雨の暗殺者」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「雨の暗殺者」

先週の読書:「雨の暗殺者」

 

ちょっと前に、鳴海章センセイの新し目の作品を読んだら、単発でも問題なく楽しめる内容だったんだけど、昔から続いている“スナイパーシリーズ”と繋がっていたことが判明…そういえば、ちゃんとシリーズを読んだことがなかったなと思って、光文社文庫版で過去作をイッキに入手。で、順番に読んでるんだけど…元は光文社以外の出版社から出ていた作品もこのシリーズにカウントされていたりして、作品の発表順と光文社文庫の発刊順が微妙に異なっている。それが、電子書籍版だと、作品発表順になってたので、そのナンバリング参考に読み進めている。

 

っていう…上記の文章は、先週更新分のコピペです(汗)ああ、先週も読書がはかどらず…結局、1冊しか読み終わらなかった。えーと、読み終わった1冊は、光文社文庫のナンバリングでは6巻目であり、1冊前に読んだ「死の谷の狙撃手」が7巻目だったんだけど…上の段で説明した通り、電子書籍の順番で調べると順番が逆になってる「雨の暗殺者」です。確かに新書版だと「死の谷の狙撃手」が2004年4月に実業之日本車のジョイ・ノベルスで出ていて、「雨の暗殺者」は2004年6月に光文社のカッパ・ノベルスで出ているので、電子書籍の順番が正しいのかと。

 

でもね…読んでみると、実際問題、どっちが先でも構わなかったような気はする。詳しくは…後述する詳細感想のところで書くけど、別の主人公の別の事件を描いた話なんだけど、どうやら時系列が同じ…同じ時系列の別の場所で起きていた話と捉えられるんだよね。だからね…途中で、双方がリンクしあったりもするのよ。今後も似たような関係性の作品、文庫と元の版型での出版順が異なってるものがありそうだけど…文庫発刊順で読んでも問題ないのかなとも思いつつ、オイラは今まで通り、このまま電子書籍版のナンバリング順で読み進めてくことにする。

 

えーと「雨の暗殺者」は、2つ前に読んだ「冬の狙撃者」のメイン登場人物の1人、機動捜査隊の女刑事が再び活躍する話で、序盤は…機捜の捜査として、同時多発銃撃事件(中にはスナックで起きた皆殺し事件も含まれる)の真相に迫りつつ、中盤以降で、過去シリーズのしがらみ、因縁も色々と絡み始める。もちろん、スナイパーの活躍もあります!実は、この先のある作品の巻末に載ってる特典(シリーズ登場の詳細キャラ解説)で、ネタバレが書いてあって、それを偶然読んじゃって、本作の結末を知ってたんだけど…それでもなかなかショッキングだったな。

 

 

 

2006年6月発行の鳴海章著「雨の暗殺者」…2004年6月の光文社カッパ・ノベルス(新書版)を文庫化したもの。2つ前に読んだ「冬の狙撃手」の直系の続編になるような作品。「冬の狙撃手」で、警察組織内(さらには政治家や官僚なんかも関わっている怪しげな組織がある)にうごめく陰謀に巻き込まれてしまった、機動捜査隊の女刑事が…その組織との対決を決意しながらも、一人では何もできないので、“鳴りを潜めがら”、通常の“機捜”の任務に就いているのだが…そんな時、同時多発的に、拳銃を使った銃撃事件が発生し、事件の真相を追うことになる。

 

事件は3つ…スナックの客と従業員が皆殺しにされた事件、政治家の自宅で秘書が死亡した事件、人的被害はなかったものの中国系銀行の建物にも銃弾が撃ち込まれた。当初は、それぞれ個別の犯行とも考えられたが、実行犯の1人とみられる男の死体が見つかるなど、全ての事件に危険な愛国者団体の存在が浮上!犯人グループの牙は、“機捜”の女刑事にも向く!序盤は…女刑事と相勤者の新人刑事の視点を交互に、“機捜”の日常の様子が詳細に描かれたり、後に著者の別の人気シリーズとなった浅草機動捜査隊シリーズの雰囲気にも似た感じ。

 

中盤あたりで…諸事情で正式名称が変更になった、通称“サクラ銃殺隊”という公安のスナイパーたちが物語に絡みはじめ、同時に…「冬の狙撃手」で描かれた女刑事の因縁めいた事柄もイッキに再浮上。クライマックスまで怒涛の展開が続く。途中、1つ前に読んだ「死の谷の狙撃手」にもリンク…そう「死の谷の狙撃手」で、急に本作の主人公ポジである女刑事らしき人物が出てきて、前作の主人公、スナイパーの“ダンテ”を助けるくだりが、ちょっと情報不足にも感じたんだけど、なんと「死の谷の狙撃手」と同じ時系列で事件が起きていたことが判明する。

 

前述作品で唐突感のあったエピソードの補完にもなっていた。中盤で、後のシリーズの人気レギュラーキャラになるという、仁王頭とその仲間たちが出てきたあたりの緊張感がハンパなく…色々な意味で“もう駄目かも?”って思ったりし、そういうピンチを女刑事はその後も何度も経験するが…。このところ読んできたシリーズのバックに共通する事柄が、実は“日本の核武装化を実現する”という危険な思想を持った連中の存在でして、今のご時世だと、なんか20年近く前の作品を読んでいるというのをたまに忘れそうになる…妙なリアリティがあるんだよな…。






 

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