破壊王 ＤＲＩＶＥ（１９９７年）
アマプラ有料チャンネルのお試し、最初の2か月は月額99円キャンペーンで登録した（もちろん2か月で解約予定）東映オンデマンドにて、日米合作の「破壊王 DRIVE」を鑑賞した。役者で加藤雅也兄貴が主人公と対峙する適役で出演していたり、アクションコーディネーターを担当しているのが特撮作品で活躍している坂本浩一さんだったりするほか、製作スタッフにも日本人が多数名を連ねているが…撮影のスタイル自体はハリウッド的なので、当ブログでは“洋画”という括りで扱います。主演は「ジョン・ウィック:パラベラム」にも出ていたマーク・ダカスコスです。
近未来のアメリカ…組織によって、肉体を極限まで増幅できる“バイオエンジン”を心臓に埋め込まれた香港の秘密警察官トビーは、それを除去できるというロサンゼルスのコンテック社と接触を図ろうとしていたが…トビーの逃亡を阻止しようとする組織側が、殺し屋を雇い、後を追わせることに！ひとまず追っ手を振り切ったトビーは、近くにあったバーに立ち寄るも、直ぐに発見されてしまい、たまたま客として居合わせたマリックを巻き込み、マリックの車でロサンゼルスを目指そうとする！最初は抵抗していたマックスも、次第にトビーと打ち解け始めて…。
一応、ジャンル的には近未来SFになるらしいんだけど…そこまでSF色が強い作品でもない。主人公のダカスコスが…未来のテクノロジーで超人的なパワーを得てまして、どこぞの悪の組織（企業）がその力を利用しようとするんだけど、拒絶して、逃亡を図る。なんか、出だしは「仮面ライダー」みたいだね…東映が絡んでるだけに（笑）別にダカスコスが変身とかするわけでもないので…見た目は普通にカンフーが強い人。ダカススコスの設定も香港の秘密警察だったし…ジャッキー・チェンやジェット・リーの映画なんかにも近い雰囲気のノリだったなぁと…。
っていうか、敵との交戦中に…陽気な黒人を巻き込んじゃって、その流れで、一緒に逃げたり、戦ったりする羽目になるんだけど…まるっきりジャッキーとクリス・タッカーの「ラッシュ・アワー」フォーマットじゃねーかという。車の中で、レゲエだかラップだか…なんかベタなアメリカの音楽を聴いて、2人でノリノリで踊り出しちゃったりするシーンとかソックリなんだよ。でもね、調べてみると本作「破壊王 DRIVE」の公開は1997年、「ラッシュアワー」の方は1998年（日本では翌年の1999年）公開…ってことは、「ラッシュアワー」の方がパクってたのか？真相はいかに？
ちなみに…バディとなる黒人と仲良く手錠でお手々を繋がれた状態で、敵と戦わなければいけないところは…明らかにジャッキーの「プロジェクトA2」の影響を受けていると思われる。まぁ、何かの映画にソックリな感じはするんだけど…ダカスコスのスピード感とキレのあるアクションはなかなか迫力があり、けっこうカッコいいです。アクションはド派手なんだけど…ドラマの方は、ユルめのコメディ色も強く、副題の“DRIVE”が指し示す通り…デコボコ具合が絶妙な黒人バディとの車移動での珍道中がメインとなる。ダカスコスがいきなりカラオケを熱唱したりもする。
追っ手から逃げ回るダカスコスと黒人は…途中、モーテルに立ち寄るんだけど、そこのフロント係のねーちゃんが、やたらと黒人にモーションをかけてきて、口説いてくれアピールしてくる、ヤバ目に翔んでる女で、けっこう印象に残る。その後も、グイグイとアクションに絡んできたり、黒人と同じく騒動に巻き込まれちゃった不幸な一般人なんだけど…主人公たちにやたらと協力的で、仲間のような存在になる。演じているのは2009年に急逝した故ブリタニー・マーフィ…こういうぶっ飛んでる役柄もすげーハマってたなぁと、あらためて早世が悔やまれるのであった。
上記のモーテルを舞台にしたドンパチあたりは、ちょっとヴァン・ダムとラングレンの「ユニバーサル・ソルジャー」の雰囲気にも似ていたかな？満を持してクライマックスに登場する加藤雅也兄貴は…主人公ダカスコスと同じバイオエンジンを与えられた、より強力な最新型の強化人間という役どころ。ここまでくると…ジャンプ漫画、アニメみたいなノリにもなってきて…2人のどつきあいも面白かったですよ。ラスボス倒したと思ったら、中ボスが死んでなかった展開は…「ダイ・ハード」オマージュか？ちなみに黒幕は「ダイ・ハード」のタカギ社長…ジェームズ・シゲタ。
監督：スティーヴ・ワン
出演：マーク・ダカスコス カディーム・ハーディンソン 加藤雅也 ブリタニー・マーフィ ジェームズ・シゲタ
【東映オンデマンドへの登録で視聴可能です】
