「十三号待避線」より その護送車を狙え(1960年) | 勝手に映画紹介!?

「十三号待避線」より その護送車を狙え(1960年)

「十三号待避線」より その護送車を狙え

 

チャンネルNECOで鈴木清順監督作の特集放送があったのだが、昨日、14日(日)に放送された宍戸錠主演の1964年版「肉体の門」を録り忘れてしまった…現段階ではまだリピートの予定はない。忘れたものは仕方がない、頭を切り替えて、残りの作品を追いかけよう。っということで、本日放送された“「十三号待避線」より その護送車を狙え”をエアチェックしておいたのでさっそく鑑賞。正義感の強い刑務所の刑務官が…護送中の襲撃事件に巻き込まれ、真相を解明する過程で殺人事件に巻き込まれていくというサスペンス。アマプラでも無料配信してたわ。

 

深夜の国道を走る護送車には7人の囚人と看守長の多門大二郎が乗っていた。車中で多門は、仮釈放が決まった香島五郎に言葉をかけると…その直後、待ち伏せしていた何者が護送車を襲撃、2人の囚人が殺されてしまった。責任を取らされ6か月の停職処分となった多門は…なんとか自分で真相を突き止めようと行動を開始。襲撃直前に見た五郎の不可解な行動を思い出し、事情を聞こうと考える。ようやく五郎の居場所を突き止め、本人から話を聞くことができたが…話をはぐらかされてしまい、さらに警察からは事件に関わるなと忠告を受けてしまうが…。

 

後年の清順作品というと…トリッキーで奇抜な印象の作品が多い気がするけど、本作なんかは、意外と普通に見れるアクション&サスペンスだった。主人公である刑務官のオッサンが同乗する護送車が襲撃され、囚人が2人殺されてしまう。責任を取らされ、停職処分になった主人公は、事件を自分の手で解決しようと動き出す。襲撃直前に見かけた怪しい女の存在や、不可解な行動をしていた仮釈放直前の男のことを思い出し、その線から事件を追う。結局、仮釈男とその恋人だった女を追いかけて熱海に向かった主人公は、新たな殺人に巻き込まれる…。

 

護送車襲撃を含め、一連の事件の背後には地元ヤクザが関与する人身売買が関与…仮釈男が思わず漏らしてしまった“アキバ”なる謎の人物が、組織の黒幕らしいが、なかなか正体がつかめない。主人公は、病気の父親から組の仕切りを任されていた組長の娘が事件に関与しているのではないかと疑っていたが…実際は組員たちの暴走・謀反で、組長の娘も疎ましく思われ始める。紆余曲折があって主人公と娘は協力して犯人に立ち向かっていくことに。やがて組員たちを操る黒幕が現れるが、なんと、その正体がっ…!まぁ、そんな感じのお話でしたね。

 

主人公が犯人一味に襲われ、気を失い、病院に担ぎ込まれるんだけど…夢の中で、それまでの出来事、事件関係者の顔が次々に浮かび上がる!っていうシーンが、後の清順作品を彷彿とさせる、ちょっと凝った編集だななんて思った。物語後半、犯人一味に捕まった主人公たちが、手足の自由を奪われ、小型タンクローリーに乗せられ、火をつけられそうになるところは緊張感があって好き。クライマックス、操車場で繰り広げられる銃撃戦もスタイリッシュでかっこよく…黒幕に訪れる“お約束”の間抜けな末路で、迫ってくる蒸気機関車の迫力がなかなかだった。

 

 

監督:鈴木清順

出演:水島道太郎 白木マリ 渡辺美佐子 芦田伸介 小沢昭一 内田良平 安部徹 松下達夫

 

 

【アマプラでも配信中でした】

「十三号待避線」より その護送車を狙え

「十三号待避線」より その護送車を狙え






 

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