血とダイヤモンド(1964年) | 勝手に映画紹介!?

血とダイヤモンド(1964年)

血とダイヤモンド

 

未ソフト化、未配信の貴重な作品を放送する、日本映画専門チャンネルの“蔵出し名画座”にてエアチェックしておいた「血とダイヤモンド」を鑑賞…ダイヤモンドの強奪を計画した犯罪者同士がバッティングしてしまい、事件を追う警察や私立探偵を交えての大争奪戦が繰り広げられるという東宝のフィルムノワール。今年、急逝されてしまった宝田明を筆頭に、佐藤允、夏木陽介、藤木悠、石立鉄男、志村喬と…既に鬼籍に入られてしまったスターばかりだななんて思って見ていたが、そういえば、悪女キャラを演じてた水野久美はまだまだご健在だったっけな…。

 

神戸税関から運び出される予定であるダイヤの原石を強奪しようと宇津木率いるギャング団が計画を立てており、実行当日を迎える。しかし、宇津木たちが犯行を行う前に、別のグループが襲撃を実行!ダイヤを奪ったのは小柴、跡部、手代木、ジローという4人組だったのだが、襲撃時にガードマンの放った銃弾が当たり小柴は重傷を負ってしまう!とりあえず潜伏先に身を隠す4人…小柴の治療を行うため、医者を連れてくることにしたが…。一方、私立探偵の黒木は…ダイヤ強奪の情報を知り、小柴の仲間と思われるウエイトレス、利恵をマークすることに…。

 

2つの犯罪グループが同時に同じダイヤモンドを狙っていて、実行がバッティング…佐藤允がリーダー格のグループの方が強奪に成功するも、ガードマンに発砲されて、佐藤允は負傷してしまう。奪ったダイヤを裁ける伝手は佐藤允にしかないということで、仲間たちも仕方なく、一緒に行動、とりあえず隠れ家に潜伏。一時的に仲間に裏切られそうになるも、なんとか力でねじ伏せ、その場を収めるも…その後も、関係はくすぶってギスギスした感じに、いつ裏切りが起きてもおかしくない。さらに傷の状況が芳しくなく、どこから医者を調達=誘拐してくることになる。

 

4人組の中で、下っ端の2人が…適当に目を付けた医者を誘拐するんだけど、その医者が黒澤明作品なんかにもよく出ていた志村喬。まずは医者の娘を人質に取り、医者に言うことを聞かせようという作戦で、それが成功。負傷したリーダーの潜伏先へと連れて行くことになるが…。一方、ダイヤの強奪事件の情報をかぎつけた探偵の宝田明は、警察よりも先にダイヤを回収し、保険会社に買い取らせようという計画で、喫茶店のウエイトレス・水野久美をマークし始める。実は、4人組のリーダー佐藤允と水野久美が繋がっているという情報を既に掴んでいたのだ。

 

計画をつぶされたもう片方の犯罪グループも黙ってなく、ダイヤの行方を追っている。さらに、探偵の宝田明と契約している保険会社は、盗品を仲介する故買屋の中国人にも粉をかけて、その中国人こそが、4人組のリーダー佐藤允がダイヤを売り飛ばそうとしていた相手であり…みんなが、どれだけ自分たちの利益になるかと“算盤弾いて”、駆け引きを繰り広げるわけですよ。もちろん、警察だって黙って見過ごしているわけではなく、ダイヤ強奪を事件としてしっかり捜査をしているわけであり…着実に、4人組の潜伏先に迫り、包囲網を敷こうとしていて…。

 

中でも探偵の宝田明が不思議なポジションで…“犯罪には関わらない”と言いながらも、結果的に犯罪に加担するような場面も多く登場…男泣き要素入った、佐藤允との即席バディなやり取りが印象に残ったりもするんだけど、本当に金目当てで動いているのか、真意が読めない。そして、最後まで見てると、どんな悪党たちよりも、一番の曲者感を醸し出していた。犯罪者を裁くような熱血ヒーローでもなく、やっぱり計算で生きてる男なんだなという印象。誰がダイヤを手にして、誰が生き残るのか?巻き込まれた医師親子の扱いなども、最後まで緊張感は持続。

 

 

監督:福田純

出演:宝田明 佐藤允 夏木陽介 藤木悠 石立鉄男 砂塚秀夫 水野久美 中川ゆき 志村喬

 

 

【いいアフィがないので、無理やり宝田明の著書を貼っておく】

銀幕に愛をこめて ―ぼくはゴジラの同期生 (単行本)

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