先週の読書:「ポー殺人事件」「迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九係」「天使の腑 警視庁特命捜査…」 | 勝手に映画紹介!?

先週の読書:「ポー殺人事件」「迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九係」「天使の腑 警視庁特命捜査…」

先週の読書:「ポー殺人事件」「迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九係」「天使の腑 警視庁特命捜査…」


今年はやたらと電化製品が壊れる…夏の冷蔵庫から始まり、最近ではタブレットが2台連続で逝き、へこんでいて、落ち込んでいたところに、今度は長年愛用してきたVHSビデオデッキがぶっ壊れてしまった。ちょっと前まで、何事もなく使えてたんですけどね。たまたま見返したい映像があって、テープを入れたら、再生できない状態に。一応、分解して、内部を覗いてみたんだけど…テープを入れるとリールがうまく回ってない感じ。昔の電化製品なんて、バラして、内部のホコリを取り払えば、けっこう復活することもあるけど、さすがに今回はオイラじゃ無理か?

 

細かい消耗品か何かが原因じゃないかな?がっつり修理するほどの知識や技能はないから…あきらめるしかないかな?最近じゃ、VHS、ビデオなんてもう死語に近いだろうし、見たことも、触ったこともない人も増えてるみたいだけど、オイラはまだまだ現役なのよね。中古で集めたVHSソフトのコレクションもしこたまあるし。まだね、ウチの兄貴殿がDVDと一体型のVHSを使ってるし、押入れをひっくり返せば、前述の兄貴殿が、以前使ってて、DVDのみが不具合を起こしたデッキが何台かあると思うので、それを拝借してくるのも手かなと思ってはいるけどね…。

 

ヤフオクとか見ると、たくさん出品はあるけど、状態が良いもの、完動品なんかは人気もあり、高額になってる。出品者も、こっちが“欲しがってる”のをわかってるから、けっこう足元見てやがって(笑)、出品価格も高めに設定してるよんだよなぁ。自分もヤフオクの出品はしょっちゅう利用しているが、中古品の落札は実はけっこう抵抗がある…特に電化製品は。どうせ買うなら、中古屋の実店舗で現物を確認してからがいいかな?近所にハードオフとワットマンがあるから、近いうちに、何か掘り出し物がないか、物色してこようと思う。まぁ、気長に探してみますよ。

 

そんなこんなで、読書の話…久しぶりに1週間で3冊読めたぜ!といいつつも、毎日、平均的に読むということができなかったので、金土の週末にまとめて読んだんだけどね。だから昨日は、こっちの映画ブログの更新もサボっちゃいました。そうそう、先週はYahooショッピングの1000円引きクーポンを使い、予約注文してあったマーク・グリーニーのグレイマンシリーズ最新刊「暗殺者の回想(上下)」が届いた(利用ショップが大手じゃなかったので、若干、到着に時間がかかった)。これを読みたいから、先に読みかけのものを読破しようと気合を入れたってわけよ。

 

まず1冊目はノルウェーのミステリーで「ポー殺人事件」…アメリカのエドガー・アラン・ポー・ミュージアムと、ノルウェーにある図書館で、ポー作品さながらの“猟奇殺人”が発生するという内容。そんなにポーについての知識を持っていないオイラでも普通に楽しめた。2冊目と3冊目はオッドアイシリーズの渡辺裕之が手掛ける別シリーズ…シリーズ1作目の「迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九係」とシリーズ2作目「天使の腑 警視庁特命捜査対策室九係」。シリーズタイトルが長いので、2作目はブログの記事タイトルに収まり切れなかった、同じだからまぁいいか。

 

先に古本で「天使の腑」を入手してたんだけど、なかなか近所のブックオフで「迷宮の門」が見つからなくて、1年くらい積読だったのかな?シリーズものはなるべく順番に読みたい派なので。1作目を探してるうちに、実は今年に入って3作目も発刊…もちろん古本待ちのオイラはまだ未所持です。大まかな内容は未解決事件を扱う専門部署の話で、堂場瞬一の“警視庁追跡捜査係シリーズ”や北欧ミステリーの“特捜部Qシリーズ”みたいな感じの内容。「迷宮の門」の方がわりと直球な警察ものであり、2作目はこの著者お得意のアクション要素も増えてましたね。

 

さて…今回は“推しの1冊”を選べるぞ(1冊しか読んでない時は、選ぶ必要がないからね)。どれも面白かったし、渡辺先生の「天使の腑」あたりは自分のド直球な好みなんですけどね、シリーズものの2作目だからな(1作目を読んでなくても、そこまで支障はないが、できるなら順番通りの方がシリーズものの面白さを味わえる)。読みごたえがあったし、ミステリーとして万人ウケするのは「ポー殺人事件」の方かな?結果はランク外だったけど、昨年末発表の“このミス”でもそこそこ得点獲得してたし。ってことで今回の“推しの1冊”は「ポー殺人事件」に決めました!

 

 

 

2021年8月発行のヨルゲン・ブレッケ著「ポー殺人事件」…始めて読む作家さん、ノルウェーの作家さんで本書がデビュー作とのこと。2021年末発表、2022年版“このミステリーがすごい!”の海外編ベストで、21点以上の得点を獲得したものの、21位以下のランキング圏外だったリストの中に掲載されていた1つだ。アメリカのエドガー・アラン・ポー・ミュージアムと、ノルウェーにある図書館で、ポーの作品さながらの“猟奇殺人”が、ほぼ同時期に起き、最初は双方の警察が個別に捜査を始めるが…途中で同一犯の仕業ではないかという可能性が浮上する。

 

これがメイン事件ではあるものの…冒頭プロローグでは、まったく別の事件の様子が描かれ(後にノルェーの事件の容疑者が、過去に関わった別の事件だったことが理解できる)、さらには1500年代の修道士の話だったり、そこからさらにさかのぼった“謎の少年”の話が紐解かれたり、かと思えば…アメリカの事件の捜査を担当する美人女刑事の“初体験”が延々と語られたり、それが刑事になるきっかけにもなり、巡り巡って本筋の事件にも絡みとなる。他にも前述のノルウェーの容疑者視点でも色々とドラマがあったり、時代も人も錯綜しまくって物語は進む。

 

最初のうちは、ちょっと脈略ない印象もあったんだけど…もちろんミステリーですから、後半はバラバラだったものが、しっかり一つに集約していき、予想以上に手に汗握る展開にもなったし、女刑事の“初体験”が思っていた以上に尾を引き、最後にはいい感じのラブロマンスにもつながりと、なかなかてんこ盛りの作品でもあった。タイトルに“ポー”が冠されてので、普段はあまりポーなんて興味がない自分が読んで理解できるのかと、心配な部分もあったんだけど、ポーに関する蘊蓄がそこまで大量に出てくるわけでも、物語に関わるわけでもなくって感じ…。

 

若干拍子抜けしつつも、読みやすくてよかったなと思った。新人図書館司書のおねーさんが、なかなかHでいいキャラでした…そして、とてつもなく怪しくて、犯行に関わってそうな雰囲気も醸し出してるんだけど…実際はどうなのか?っていうか、他にも“尻軽な女”がいて、けっこう事件を解く鍵だったよ(笑)ただでさえ複数の時系列で話が進行しているのに、一か所、“2010年”を“2020年”と表記する誤植があって、あそこはマジで混乱したなぁ。それまでも時代がいったりきたりしてたので、急に話が10年後になったのかと思ったら…そうじゃなく、なんだ、誤植かよと。

 

 

 

2018年12月発行の渡辺裕之著「迷宮の門 警視庁特命捜査対策室九係」…まだ少人数しかいない新設部署“特命捜査対策室九係”は…12年前から始まっていた、首吊りに偽装した連続殺人事件を追いかけることになる。事件当時に担当したショカツでは既に“自殺”と判断され、捜査が終わってるものも多く、まずは他殺の証拠を見つけ、さらには連続殺人である証拠も見つけないといけないという感じの展開。冒頭では、前述の“最初の首吊り偽装(親子心中)”の様子が描かれるが…作品の序盤は、“特命捜査対策室九係”のメンバー集めから始まりる。

 

左遷されたり、負傷して休職中だったりというワケありの元刑事が、自分の過去や現況と対峙しながら。“特命捜査対策室九係”の誘いを受けるかどうかを悩み、判断していく。“特命捜査対策室九係”始動後も、簡単に解決できる事件でワンクッションはさみ、これからどんな仕事、捜査をするのかという準備段階が描かれる。そして、一通り体裁が整っとところで、いよいよ本筋となる“首吊り偽装”の話へ。他部署から嫌味なんか言われながら、うまく立ち回って捜査を進めていく感じは堂場瞬一の“警視庁追跡捜査係シリーズ”なんかとも似ていると持った。

 

扱う事件がもう少し猟奇的であり、タイトルの“特命捜査対策室九係”からもなんとなく察せられるように、目指しているところは、映画にもなった北欧ミステリー“特捜部Qシリーズ”の日本版じゃないかなって感じでしたね。この著者にしては、わりと直球な警察ミステリーの印象も強く、アクション要素は控えめだったな。序盤のメンバー集めの段階などで、主人公刑事たちが逮捕術の訓練なんかをする描写があり、そのあたりが、かろうじてアクション要素が感じられるかな?あと、たぶん本作限定だと思うけど、犯罪者に協力を依頼するという「羊たちの沈黙」要素も。

 

 

 

2019年12月発行の渡辺裕之著「天使の腑 警視庁特命捜査対策室九係」…少数精鋭の未解決事件専門部署“特命捜査対策室九係”の活躍を描く「迷宮の門」に続くシリーズの2作目。今回も事件の発端は“自殺”から…60代主婦の首吊りが偽装殺人ではないかという疑いから、捜査は始まる。現場の感触的には、やっぱり自殺の可能性が濃厚だったが、死んだ主婦の夫も、一か月前に交通事故死していることがひっかる。やがて夫の交通事故の方が他殺だった可能性が浮上。その証拠を調べられたくない何者かが、捜査妨害を企てる。

 

冒頭のプロローグで、男性が交通事故に見せかけられ殺されるんだけど、それが前述の“夫”である。ようやく警察がその事実を突き止めて以降、事件の背後に違法臓器移植が絡んでいるのではないかとわかってくる。主人公である九係刑事の1人・岩城は上司の密命を受け、中国・北京へ飛んで違法臓器移植(密売)の証拠を見つけ出そうと奮闘する。また偽装自殺ネタかよ?1作目と一緒じゃんと思わせておいて、色々と変化球を用意している。中盤以降は、著者お得意の国際謀略要素も入ってきて、1作目で感じた“アクションの物足りなさ”を今回は払拭。

 

中国に舞台を移してからは、だいぶ前作と雰囲気も変わり、なかなか面白かった。それでいて、日本で起きていた、前半で地道に調べていた事件の方でも…アッと驚く予想外の真相を用意してあったりして、ミステリーとしての驚きも忘れていなかった。真犯人はお前だったか!また、今回は出番が少なかった九係の一番下っ端刑事・加山も、そして単身中国に乗り込んでいった岩城にもラブロマンスが用意されていて、今後の展開にも影響してくるのかな?なんて。特に岩城といい雰囲気になる“あの人”は、もっと活躍が見たい…ぜひ続編での再登場を願う!






 

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