終電車の死美人(1955年) | 勝手に映画紹介!?

終電車の死美人(1955年)

終電車の死美人

 

月イチのスカパー無料デー、東映チャンネルで放送していた「終電車の死美人」をエアチェックしたので鑑賞。特に作品の内容を知っていたわけではなく、タイトルに惹かれて見てみる気になった。後に東映の代表作になり、刑事ドラマの原点などとも呼ばれている“警視庁物語”というシリーズがあるんだけど(偉そうに言ってるけど、サイトの受け売り)、本作はさらにその原点になった作品。東映チャンネルでは本作を含む“警視庁物語シリーズ”の特集が組まれてるが、加入してないので見れない。“警視庁物語”はDVD化もされているが、本作は未DVD化。

 

雨が降りしきるある夜のこと…三鷹駅に到着した、国電の終電車内、若い女が死んでいるのが発見された!通報を受けて、警視庁捜査一課の刑事たちが続々と集まってくる。現時点では死体の身元は不明…手がかりになるのは女が所持していたロケットの中の写真に写っている男と、有楽町駅で発券された乗車券のみだ。その乗車券の情報を手繰っていくと、もう1人、男が有楽町駅から三鷹駅までの乗車券を購入していたことがわかる。この男が犯人なのか?やがて…ロケットに写っていた男が三鷹署に出頭。いよいよ被害者の身元が判明するのだが…。

 

電車の中で若い女が殺されると…出だしは猟奇的で、モノクロ映像なんかとも相まって、なんとなくおどろおどろしさもあったのだが、意外と中身はオーソドックスな感じ。確かに、全体のフォーマット自体は、テレビの刑事ドラマや2時間ドラマ(トラベルミステリー)とそう大差ない印象。今以上に、コツコツと足で稼ぐ地道な刑事たちの姿を追いつつ、容疑者への取り調べや捜査方法には、時代性ゆえのツッコミ要素も無きにしも非ず。でも、意外と渋めなイケオジが揃ってて…このオッチャンかっこいいななんて思ってた人たちは、ちゃんと最後のアクションにも絡む。

 

被害者の女は…殺される直前に、中年のオッサンと一緒にいるところを目撃されていて、何やら大金のやり取りが発生する取引をしていたようだと。恋人のために金を工面しようと、親に内緒で、勝手に土地の権利書を売っ払っていた被害者…当初は恋人が疑われるも、アリバイは成立。そこで取引相手の不動産屋に注目するが…この不動産屋の主人が、なかなかの曲者。演じているのは「水戸黄門」でおなじみの東野英治郎。ベラべラとよう喋って、刑事たちを煙に巻こうとするが、なんだか証言が曖昧。これまたアリバイが成立するも、刑事たちは怪しむ…。

 

そして刑事たちの勘は的中…なんと被害者と不動産屋は、どうやら過去に関係があったらしい。刑事たちは行動を逐一見張り、不動産屋の主人・東野英治郎のアリバイをなんとか崩そうとするのだが…果たして犯人なのか?なんだかんだで、当時の東京(実際に地名通りの場所で撮影しているのかは不明だが)の風景が見れるので、それだけでも雰囲気が感じられて、見ていて楽しい。クライマックス、月島方面に逃走した真犯人が潜伏する様子や、それを刑事たちが追い詰め、ビール倉庫内で銃撃戦になるところとか、けっこう緊張感もあって良かった。

 

本作を経て、合計24作品も劇場作品がつくられたという“警視庁物語”シリーズ…今さらながらに、ちゃんと見てみたいなって思ったりする(じゃあ、東映チャンネルに入れよって?)。それこそ、この間まで無料体験を利用していた、アマプラの有料チャンネル“JUNK FILM by TOEI”なんかでも見放題対象になっていて、そういうシリーズがああるのは知ってたんだけど、手は出さなかったんだよな。先に、この作品を見てれば、全部とはいかないまでも、何作かは見たかもしれない…今さら後悔しても、後の祭りですが。東映チャンネル入ってる人は楽しんでください。

 

 

監督:小林恒夫

出演:堀雄二 宇佐美諄 伊藤久哉 東野英治郎 山形勲 松本克平 花沢徳衛 星美智子 中原ひとみ

 

 

【こちらは本作の後に作られたシリーズです】

DVD 警視庁物語シリーズ Vol.1

DVD 警視庁物語シリーズ Vol.2

警視庁物語シリーズ Vol.1警視庁物語シリーズ Vol.2






 

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