XX ダブルエックス 美しき凶器(1993年) | 勝手に映画紹介!?

XX ダブルエックス 美しき凶器(1993年)

XX〈ダブルエックス〉 美しき凶器

 

1週間くらい小休止を挟んでWOWOWのエアチェックを見ていたので、Amazonプライムビデオの有料チャンネル、“JUNK FILM by TOEI”の60日間無料体験(通常は14日間、キャンペーン申し込みは既に終了)に、戻ろうかなと…まだ約1ヶ月、無料体験期間は残ってます。さて、今週は…東映Vシネの人気シリーズ、XXシリーズを攻めてみようかなという気分。過去に何本か見てるんだけど…見てない方が多いんだ。確認してないけど、Anotherシリーズも含め、全部ありそうな感じだよな?ということで、1作目の「XX〈ダブルエックス〉 美しき凶器」から鑑賞。

 

先生と呼ばれる大物フィクサーは複数の殺し屋を抱えており、自分にとって邪魔な存在の人物は、秘書に命じて、その殺し屋たちを差し向け、排除していた。ある晩、先生の秘書が…表向きはジャズバーのピアニストである殺し屋の元にやって来た。どうも秘書の様子がおかしいので、後をつけることにしたピアニスト。秘書は、その足で、今度は珈琲屋を営む殺し屋に会いに行く。やがて秘書と珈琲屋は車で郊外の一軒家へ。どうやらそこに住む女を殺す仕事を請け負ったらしいのだが、逆に珈琲屋が殺されてしまった!ピアニストは一部始終を目撃していて…。

 

“ビー・バップ”のジュンコさんこと宮崎ますみが“脱ぎまくってる”ことで、当時は大評判になった、エロVシネの代名詞のようなシリーズの記念すべき1作目。原作は大沢在昌先生のハードボイルド短編「ゆきどまりの女」(眠りの家 (角川文庫)に収録…Vシネのリリース時は勁文社から発刊されていた)…原作は、それこそ学生の頃に読んでるんだけど、原作とタイトルがぜんぜん違うし、映像化されてたのを知ったのは、だいぶ後になってからだったんだよな。だから見逃しちゃってて…Vシネのシリーズ名は知ってたんだけど、あまり触れないできちゃったんだよ。

 

ちなみに…シリーズといっても、毎回、原作になる小説などは作者も異なり、物語やキャラクターに関連がないものが多く(一部、続編ものもあるけど)、オイラは本家シリーズの2作目、久野真紀子主演の「XX 美しき狩人」と、Anotherシリーズの方の2作目、夏樹陽子主演の「Another XX 黒い追跡者」を中古のレーザーディスクで入手し、16~17年前に見たんだよね…一応、もうこのブログを始めてたので、“鑑賞の記録”も残ってるけど、今その時の感想を読み返すと…文章が酷くて、赤面ものだ。ちなみに、鑑賞経験ある作品も今回は再鑑賞する予定である。

 

そんなわけで1作目の感想…原作の「ゆきどまりの女」は35ページくらいの短編なんだけど、わりと忠実に映像化されてますね。ただ、原作そのままだと約90分の尺には短すぎるので、前後に独自の展開が盛り込まれてましたよ。要は、殺し屋に命じたターゲットの女も…実は殺し屋でして、用済みになった殺し屋の始末をする専門の女殺し屋だったってオチなのよ。原作では、似たシュチエーションの話を2回繰り返しまして、女殺し屋から見て、2回目のターゲットの方が、1回目のターゲットよりも手ごわい相手だった…さてどういう結末になるかなって話になる。

 

殺し屋と女殺し屋の駆け引きに関する部分は、セリフも含め、けっこう“まんま”な感じで…今さらながらに感動してしまった。映像版のオリジナル展開である序盤は、1人目の殺し屋、珈琲屋の親爺(と劇中で呼ばれてるけど、実際はもう少し若い役者が演じている)のバックボーンなどが追加されており、また…その1人目の殺し屋を尾行したことで、2人目の殺し屋が、女の正体を事前に見抜いているという、原作にないアドバンテージを持たせて、より、後の展開に整合性を持たせていた。また2人目の殺し屋(ピアニスト)と女殺し屋の対決の結果も原作と異なる。

 

そして…まったく原作では描かれていなかった、クライマックスへ。映像としてはこういう展開の方が盛り上がるよねという予想通りな部分と、ああ、そうくるかという意外性もちゃんとあって…原作を読んでいても、最後まで飽きさせない工夫がちゃんとされていた。っていうか、真っ暗闇の中で、女のあえぎ(後に宮崎ますみとわかる)が延々と続き、いきなり乾いた銃声とマズルフラッシュという、冒頭から、けっこう印象深いシーンをぶっこんできまして、その後も“濡れ場”やポロリはあるんだけど…画面暗めのシーンが多いぞという、イチャモンもつけたくなるんだよ。

 

でさ、ようやくメインの濡れ場で、くっきりぱっきり見えまして…いわゆる演出的な引っ張り、タメの意味合いもあるんだろうけど、何で今まで濡れ場が真っ暗で見えないのか、メインの2番目の殺し屋(ピアニスト)の草刈正雄の時はくっきり見えるのかというのも、ちゃんと物語の展開的に意味があるものでして…実はそれが原作のキモでもあったので、エロシーンを見て興奮する以上に、なんか演出の巧さに唸らされてしまったよ。もちろん、あの“視線があってない”虚ろな宮崎ますみの儚い表情が官能的であり、草刈正雄の渋さも全開でめっちゃカッコいいんだ。

 

劇中で草刈り本人が言うセリフで“オヤジの純愛”っていうのがあるんだけど、この年(もう50がそろそろ見えてくる)になって見た方が、よりジンワリくる作品なんだなって、むしろ…若い時に見なくて良かったなって思ったほどなんだが、さすがにあんなシリアスなシーンで、フルチン全裸の草刈正雄には“お~い”とツッコミを入れたくなる。いや、これも原作通りなんだが(本棚から小説を引っ張り出してきて確認済み)…頭がぶっ壊れ始めた女殺し屋が心のよりどころにしている大切な人形でずっと股間を隠してるのよ。アキラ100%の裸芸以上にシュールでした。

 

宮崎ますみが脱ぐのは知ってたけど、草刈正雄も脱ぎまくってるとは思わなかったなぁ(笑)見逃している正雄のファンもぜひお薦めですよ(笑)前述の通り、“オヤジの純愛”要素高めなんだが…音楽までなんだか「ルパン三世 カリオストロの城」っぽいな(あれもルパンとクラリスの純愛だからな)って思ってたら、エンディングで、“音楽:大野雄二”のクレジットが、やっぱりそうか。ちなみに、やっぱり大野雄二が音楽を担当している「犬神家の一族」で警察署長を演じている加藤武が、諸悪の根源であるフィクサー役で、とんでもねぇエロジジイを熱演してます。

 

 

監督:小水一男

出演:宮崎ますみ 草刈正雄 村井国夫 荒井紀人 大杉漣 広瀬なつみ 大沢在昌 長濱治 加藤武

 

 

【JUNK FILM by TOEIへの加入で視聴可能】

XX〈ダブルエックス〉 美しき凶器

XX〈ダブルエックス〉 美しき凶器






 

人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!