スパイダーヘッド(2022年) | 勝手に映画紹介!?

スパイダーヘッド(2022年)

スパイダーヘッド(2022年)

 

アレ、既に解約済みで、今日が月額料の更新日だけどまだ見れるな、見れるならとことんまで見てやるぜの気持ちで、最後の追い込みで消化中のネットフリックス6本目…「スパイダーヘッド」を鑑賞。「ソー:ラブ&サンダー」が公開中のクリス・ヘムズワースと、「トップガン マーヴェリック」が公開中のマイルズ・テラーが共演したSFサスペンス、監督も「トップガン マーヴェリック」のジョセフ・コシンスキー。近未来を舞台にハイテクっぽい技術が出てくる設定なのでSFって括りにしてある程度であり、作風としては、そこまでガチガチなSFでもない、わりと地味目。

 

近未来、最新鋭の機器が揃うスパイダーヘッド刑務所…そこに収容されている囚人たちは、ある程度の自由が許されている代わりに、所長のスティーヴが行う新薬の治験に協力していた。飲酒運転をした挙句に、愛する人を失ったジェフもそんな囚人の1人であり、治験に協力的な態度を示すことでスティーヴのお気に入りでもあった。ある日、同じ囚人で初対面の女性ヘザーと共に挑んだ実験で、2人は急に感情が高ぶり、その場で関係を結んでしまうのだが、それも薬の影響である。同じような実験が繰り返されるうちに、ジェフは不信感を募らせていくが…。

 

陽気で爽やなクリヘムとアジア系の若い男性助手が…なんか怪し気な薬の研究をしている。投薬された人物は、様子がおかしくなり、悲しい話をされても、ゲラゲラと笑いだす。どうやら感情をコントロールする薬の研究をしているようだ。海の果ての無人島のような場所にそびえ立つ建物…関係者はボートや小型飛行機を使って行き来している。そこはなんと刑務所なんだけど…収監されている人たちも、別に囚人服のようなものを着させられてるわけではなく、わりと健やかに過ごしている。クリヘムたちが治験を行う代償で比較的自由な生活を得ているらしい。

 

マイルズ・テラーもそんな囚人の1人なのか…普段は態度も暗めで、終始思案顔なことも多いんだけど、治験中の薬を投与されると、感情が著しく変化する。この薬の投与方法が近未来的というかSF的に見える…囚人たちの腰・背中あたりにパックがはめ込まれていて、その中に各種アンプルが入っている。それを研究者のクリヘムや助手がスマホを使って遠隔操作すると、囚人たちに薬が投与される。あまり医療現場のことなんかは詳しくないけど、あのくらいの技術だったら、既にどこかで実用化されてそう、そういう“ありそう感”が…地味系SFの醍醐味。

 

基本は囚人と研究者、または囚人同士の駆け引きで物語が進んでいく感じで…一部の囚人が段々と治験自体に疑問を抱き、意外な真実が判明し、クリヘムの化けの皮が剥がれっていく。マイルズ・テラーは囚人といっても、凶悪犯罪を犯したわけではなく、飲酒運転の果てに奥さんを巻き込んでしまったらしい。まぁ、飲酒運転は悪いことですよ…“飲んだら乗るな、乗るなら飲むな”、中盤で挿入される悲惨な事故シーンの記憶では、そんな当たり前のフレーズも頭に思い浮かぶ。こういう過失的な罪を背負っている人たちが、どうやら多めなんじゃないかなと…。

 

序盤は…薬を投与されたマイルズ・テラーと女の囚人が、研究者の前でいきなり“おっ始める”ってところくらいしか食いつき箇所がないんだけど(笑)、本当に最後の最後、もう研究なんかどうでもよくなっちゃって、クリヘムとマイルズ・テラーがぶん殴り合いを始めたあたりから、ちょっと面白くなった。また、正常な時にあんな薬を投与されたくないなと思いながらも、このまま年を重ねて、自分の死期が迫った時、ああ、もう俺死ぬんだなって悟った時には、死の恐怖から逃れるために、投与されたいかも。クリヘムのあの表情を見てて、そんなことを漠然と考えた。

 

 

監督:ジョセフ・コシンスキー

出演:クリス・ヘムズワース マイルズ・テラー ジャーニー・スモレット=ベル テス・ハーブリック サム・デリッチ

 

 

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十二月の十日

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