劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」(2022年)
【鑑賞日:2022年7月22日】
第3部の劇場公開から約1年…全5部作だって言ってたけど、無事に完結するのか?と、ちょっと心配になっていたトミノ御大の新作“劇場版Gレコ”の第4部、第5部が連続公開されることになり、本日は第4部の公開初日である。ということで、地元シネプレックスでの上映がなかったので、小田原のコロナワールドまで遠征、“劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」”を見てきたよ。本当は毎週月曜日に実施している“シネマワールドマンデイ”で見る予定だったけど、Gレコは割引対象外の特別料金!だったらと、事前にムビチケを購入し、初日鑑賞に切り替えた。
初回の上映開始時刻は午前11時5分…朝は雨も降り、渋滞等の心配もあったので、余裕を持って9時半には家を出る。幸いにも、目立った渋滞には遭遇せず…10時10分くらいには目的地の駐車場に到着。しばらく車の中で時間をつぶしてから、ロビーへ。そんなには混んでなかったけど(オイラの守備範囲だと、やっぱり109シネマズがいつ行っても混んでるな…コロナワールドは地元のシネプレックスより空いてるかも?)、ロビーでブラブラ時間をつぶしている間に、ちょっとづつ客が増える。顎マスクで喋ってるカップル、複数人で来てる小学生…一緒は嫌だな。
と、危惧してたら…カップルは「キングダム2」、小学生の集団は「ドラゴンボール」のアナウンスで、別のスクリーンに向かっていった。いや、「ドラゴンボール」のアナウンスがかかった後も、小学生の集団がロビーにいたので、やっぱ”Gレコ”なのかな?なんて心配しつつ…まぁ、トミノ御大が本来見てもらいたい客は、ああいう子供たちなんだけどななんてことも考えてた(でも、特別料金設定してる時点で賢明な子供は行かない)のだが、何のことはない喋りに夢中になってて、アナウンスを聞き逃してたらしい。ちなみに“Gレコ”の客は見事にオタとオジサンばかり。
ちなみに同じ映画館で第3部を見た時は、公開5日目(前回はマンデーという男性割引が適用になった)で、客はたったの3人だったんだけど、公開初日ということもあり、熱心なガノタがもうちょっと多く、足を運んでいたようだ。なんせ小田原はトミノ御大の出身地だしな(関係ないか?)。鑑賞前にパンフレットと、一応、8月5日から始まる第5部のムビチケ(特に特典はついてない…当日料金より安いだけ)も購入。あと…ここの劇場は、公開中の映画のチラシもまだロビーに置いてあるのがありがたく、今回鑑賞した第4部のチラシも無事にGET(第5部はなかった)。
そうそう、入場特典の“『G-レコ』&「富野由悠季監督作品」フィルムコマセット①”…Gレコ本編から1枚、富野由悠季監督作品「無敵超人ザンボット3」「無敵鋼人ダイターン3」「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」(第5部の時は「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」「ブレンパワード」「OVERMAN キングゲイナー」「リーンの翼」になる)の中からランダムで1枚、計2枚が封入されてるのだが…いやいや、今回は久々に“当たり”じゃないですかね、Gレコの方はアイーダさん(ヒロイン)のアップ、ランダム封入はザブングル…1話でジロンが気絶してるところだな。
トワサンガでの戦闘を掻い潜り、フォトン・バッテリーを運搬するクレッセント・シップと共に、フォトン・バッテリーの供給源ビーナス・グロゥブを目指すことにしたメガファウナ…しかし目的地のビーナス・グロゥブが目前に迫った頃、“地球への帰還=レコンギスタ作戦”を目論むジット団の襲撃を受ける!内通者の策略により、一時は、G-セルフを奪われたこともあったが、無事に奪還!ベルリはジット団のモビルスーツを追いかけながら、ビーナス・グロゥブの内部へ。戦闘後、アイーダらメガファウナの一行はヘルメス財団のラ・グー総裁との会談の機会を得る…。
この劇場版全5部作はもともとのTVシリーズに新規カットを追加した、いわゆる総集編映画…前作の第3部は、第12話「キャピタル・タワー占拠」から第18話「三日月に乗れ」の計7エピソードを1つにまとめていたので、若干、詰め込み過ぎ感もあったんだけど、それをトミノ御大の熟練の編集テクでイッキに見せるというのが最大の見所だった。今回はその続きで第19話「ビーナス・グロゥブの一団」から第22話「地球圏再会」の計4話をまとめている。細かく見ていくと、“これ新規カットだろうな?”もたくさんあるんだけど、やはりストーリーの大幅な変更は特にない。
まぁ、あまりいないと思うけど…今まで以上に“いちげんお断り”な内容でもある。第3部まででさえ、三つ巴、四つ巴な展開で、勢力図がややこしかったのに、また新たな敵が現れて、戦ったり、くっついたりするわけですよ。オイラなんかはTVシリーズも見てるので、そうそうこんな奴らもいたなって思いながら、“個性豊かな敵キャラの登場”を大いに楽しんだ。冒頭、テレビシリーズの第2期と同じ主題歌“ふたりのまほう”で幕開け…劇場版ってだけで、あえて大人なこじゃれ感を出すアニメ映画が多い中、普通にテレビの総集編始まった感がかえって新鮮だ。
そして“衝撃・笑撃”のマラソンエピソード…何気に新規カットなんかもありそうで、TVよりさらに丁寧に描写している。一見、ギャグに見えたりもしちゃうんだけど…宇宙生活には欠かせない体力づくりっていうのが、後半への伏線でもある。TVの放送なんかで見ていると、見逃しがちだけど、通しで見てる方が、そういうことかと、腑に落ちやすくなる。それだけでも映画にした意味があるんだなと。アイーダさんも、色々とあって健康に目覚めたりする。
一見、“何でこんなことしてるの?言ってるの?”な部分も、大人目線で見ると“物凄くしっかりSFしている”のね。
地球の資源だって無限じゃないんだとか…ロシアの軍事侵攻のせいで、物価高騰、燃料不足をひしひしと感じてる今だからこそ、“そんな当たり前”のことが、今まで以上にリアルに感じられるのだろう。「ターンAガンダム」で放射能やべぇって話をやってる時に、現実では東海村の原発事故が起きてしまった…あの時の“トミノすげー”を、まだこの年齢になっても味わえる幸せ、感無量。いや、そんなこと言うと、現実で戦争やってるからGレコが面白いってことになっちゃう…そういう意味じゃない。とにかく安彦良和とは別ベクトルで戦争とは何かを観客に突きつける。
急に第4部から見る“いちげん”には意味不明な映画だろうが…第1部から順番に見てきた人、またはTVシリーズを見てきた人なら、TVシリーズより物語が理解しやすくなってるなって実感できると思いますよ。新たな敵、ジット団が出てきてからの、戦闘に次ぐ戦闘…あのテンション感もヤベェ。途中、小休止を挟み、最終決戦前の小競り合いがまた凄いことになっている。主人公のベルリがGセルフの新兵器を使うところなんかは…安彦さんの「ククルス・ドアンの島」で、アムロが隠してあったガンダムを見つけて起動させた直後と比較すると面白いかもしれん?
総監督:富野由悠季
出演:石井マーク 嶋村侑 寿美菜子 佐藤拓也 逢坂良太 高垣彩陽 福井裕佳梨 鷄冠井美智子 中原麻衣
【オイラも購入予定…7月26日発売!】