サンティネル（２０２１年）

再加入中のネットフリックスで…ネットフリックスオリジナル映画「サンティネル」を鑑賞、おフランス映画ざんすよ。ちょっとした隙間時間に見ようと思い、あえて本編80分という短い作品をチョイス、ネットフリックスお得意の“エンドクレジットのスキップ”を活用すると正味75分といったところか？とはいえ、ただ短いってだけで選んだわけでもなく、主演が「007／慰めの報酬」でボンドガールを務めたオルガ・キュリレンコ姐さんだったというのが、決め手になったもう一つの理由だ。ネット情報（Wikipedia）によると配信は昨年、2021年の3月頃から始まっていたようだ…。

士官学校を首席で卒業し、5ヶ国語を喋れる優秀なフランス軍の女性兵士クララは通訳として、シリアに従軍するも…自爆テロに巻き込まれてしまい、その後、PTSDを発症。トラウマを抱えたまま本国へ帰国し…街中の警備を担当する歩哨兵の任務に就く。しかし、日常の任務の中でも過酷な戦場の記憶が頻繁に蘇り、精神的に追い詰められるクララ、何とか克服しようと薬物にも頼ってしまう。そんなある晩、妹のタニアとクラブへ繰り出したのだが、タニアが何者かに強姦され、意識不明の状態で発見される。容疑者はロシア人IT長者の息子だと判明するが…。

物語は戦場から始まる…優秀な女兵士としてシリアで通訳の任務をこなしていたキュリレンコ姐さんだったが、ちょっとした油断からチーム全体が自爆テロに巻き込まれ、それが大きなショックになってトラウマを抱えてしまう。本国へ帰国することになったキュリレンコ姐さんは、テロの脅威に抵抗すべく、2015年から始まった“歩哨作戦”、簡単に言うと軍服着て、武装した兵隊さんが街中を練り歩いたりしながら見回りし、危険を察知したり、存在感そのもので威圧、テロの抑止に繋げるといった意味の任務に就くことになったが、戦場のトラウマが足枷になると。

些細なことに過剰な反応をしてしまい、やたら暴力的になったり…最初のうちは同じチームの上官や仲間が、サポートしてくれてたんだけど、段々と持て余すようにもなると。キュリレンコ姐さんは、こっそり薬物を入手して、それに頼ったり、妹と一緒にクラブへ繰り出し、そこで相手を見つけて（キュリレンコ姐さんはレズビアン設定で…女同士の濡れ場がある）ストレス発散なんかもしてたんだけど、途中から別行動していた妹が、レイプ事件の被害者になり、昏睡状態で病院送りにされてしまう。警察は容疑者を突き止めるも、相手が権力者の息子で手が出せない。

キュリレンコは犯人を許せないとなって、軍人の立場を利用し、不当に証拠映像を集めたり、相手の家（大豪邸）に不法侵入したり、次第に暴走を始める。そして、相手が証拠隠滅を図ろうと画策したことで、とうとう怒りが頂点に達するキュリレンコ姐さん。妹が巻き込まれた事件の真相に、若干のひねりはあるものの、相手が権力者であるという事実は、大きく変わらない。武器の入手、ならびに敵地へ侵入する際の“変装”に、歩哨という職務は役だったものの…途中からは、普通にリベンジアクションになっていってしまったかなという印象で、内容は薄めである…。

軍人なんで、屈強な男どもとも対等に戦えるキュリレンコ姐さん…だからといって、そこまで無敵であるわけでもなく、しっかりピンチにも陥り、その泥臭い感じのアクションは意外と好みだ。とはいえ、いくら“怒りに任せた”行動だったにせよ…自身で自慢げに語っていた“士官学校を首席で卒業”という輝かしい経歴があるのであれば、もう少し、証拠を残さない、完全犯罪で相手を追い詰めても面白かったかもしれないなと…。最後の“あの展開”を見せられ、ああいう立ち位置で終わってるってことは…やっぱりそれなりに“策士”としての能力はあったんだと思う。

監督はジュリアン・ルクレルクというフランス人監督…常時、名前を憶えてるわけではないものの、ネットでフィルモグラフィを調べてみると…けっこう過去の監督作を見ているなと。直近だと同じネットフリックス映画の「土と血」、ヴァダム主演の「ザ・バウンサー」なんて作品があり、そのほかだと「ザ・クルー」「フランス特殊部隊GIGN ～エールフランス8969便ハイジャック事件～」など…2015年にＷＯＷＯＷで放送された「ジブラルタルの罠」も見た記憶があるのに、記録が残ってなかった、感想書かなかったのかな？この監督の作品、90分未満の尺が多いよね。

監督：ジュリアン・ルクレルク

出演：オルガ・キュリレンコ　マリリン・リマ　ミシェル・ナボコフ　マーティン・スワビー　キャロル・ヴァイヤース

【ジュリアン・ルクレルク監督の過去作はこんなの】

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