RUN/ラン(2020年) | 勝手に映画紹介!?

RUN/ラン(2020年)

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WOWOWでエアチェックしておいた「RUN/ラン」を鑑賞…最初、“ラン”というタイトルの響きだけでイメージしたのは「ミッド・ナイト・ラン」と「ラン・ローラ・ラン」だったんだけど、本作はそのどちらともジャンルの違う、ガチガチのサイコホラーであった。幼いころから難病を患い、車いす生活を余儀なくされている少女と、過保護なくらい世話焼きなオカンがいるんだけど…ひょんなことから、オカンの行動が怪しく見え始め、少女は自ら真相を調べ始める。パソコン上のSNS画面だけで物語が進行する「search/サーチ」の監督だそうだが…「search」見てないんだよなぁ。

 

ダイアン・シャーマンは、大学進学を控えた娘クロエと…郊外の一軒家で暮らしているのだが、クロエは幼少の頃から慢性的な病気を患っており、車いすや吸入器が手放せない生活でもあった。毎日のように、大学の合格通知を待ちわび、外での生活にあこがれを抱くクロエ…一方、ダイアンは、娘の夢を後押ししつつも、食事の管理を徹底するなど、過剰なくらいに娘の世話を焼く。ある日、クロエは…母親から手渡された新しいカプセルに疑問を抱き、独自に調べ始めることにしたのだが…なんとそれは人間が服用してはいけない劇薬であることが判明する!

 

話的には“ありがち”であったものの…オカンと娘を演じた両女優の迫真の演技で、見ている間はけっこうドキドキさせてくれる。難病を抱えている人にとって…家庭内の些細なことが命取りである。序盤の展開はスタジオポノックの短編アニメ集「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」の一編、「サムライエッグ」をどこか彷彿とさせられた。「サムライエッグ」は食物アレルギーの男の子が、ちょっとした油断から命の危険に見舞われる様子を、ホラーかサスペンスかのごとくなスペクタクル調の演出で見せていたのだが…本作はそこから本当にホラーになると。

 

まぁ、あの過剰なくらい過保護、世話焼きなオカンの態度を見てると…どういう展開が待っているのかというのは、早々と予想できたけどね。誰かの献身的な支えがないと生活できないような人が、こんな映画を見ちゃったら、さぞ恐ろしいだろう。自分でしっかり確認し、用意したもの以外の薬を…本当にそのまんま飲んでいいのだろうかと、疑心暗鬼になる。臆病で心配性なオイラなんかは、将来…寝たきりになったら、そんな想像にとらわれてしまうかも?本当にポックリ死ぬ間際まで、足腰も丈夫、ボケずに薬の管理をできるくらいの心身を維持したいものだ。

 

中盤以降…オカンの行動の理由、そして正体などに迫るあたりは、やっぱり、この間WOWOWで鑑賞したばかりの「ドント・ブリーズ2」の展開をダブらせ、さらにはオカンの“子供への執着”という点では…やっぱり映画館で見たばかりの「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」にも通じる部分があるなと思うのであった。女の子が“ウチのオカンってやべー女じゃねーか?”と疑いだしたあたりの緊張感はハンパなかったけど…最後の攻防あたりは、もうちょっと“こってり”としたやり取りが見たかった気も。エピローグ的なラストカットは良かったです。

 

メインの登場人物なんかも少な目。本編の尺も90分とコンパクトにまとまっているので見やすいことは見やすい…この手の作品は感想も、あまり多くを語らない方がいいんだろうなって思うので、これくらいの軽めのものにしておこう。後半に出てくる、病院の看護師のおねーさん(セーラ・ソーンという女優さん)が、ちょっと綺麗だなって思った。ネットでフィルモグラフィを調べると…オイラが見ていない、この映画の監督の前作、「search/サーチ」にも出ているらしい。セルの円盤はどうやらブルーレイのみのリリース、珍しくDVDの方が出てないパターンなんだな。

 

 

監督:アニーシュ・チャガンティ

出演:サラ・ポールソン キーラ・アレン パット・ヒーリー セーラ・ソーン

 

 

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