ダブル・ガントレット（１９９８年）

23日まで利用可能な無料体験に申込み中、アマプラのオプションチャンネル“STARZPLAY”で「」を鑑賞…約24年前の旧作、ネット情報によるとソフトスルー、劇場未公開作品だった模様。オイラ的には初めて知った作品であり、今回、“STARZPLAY”のラインナップを物色中に見つけて、気になったので、鑑賞してみた。ちなみに、通常のアマプラでは、無料・有料共に扱いはなし、アメブロ専用のアフィ“Ameba Pick”の仕様だと、どうやら“STARZPLAY”扱いの作品は検索できないらしいので、ジャケ画像とタイトルのリンク先はDVDのものです。

組織のボスに仕えるクレアとニックは…金を持ち逃げした集金人クーを捕まえ、ボスの元へ連れ帰るのだが、なかなか金の在処が判明しなかった。やがて隠し持っていた銃でボスの命を狙ったため、ニックがクーを射殺！いったい誰がクーに銃を渡したのか？クレアは組織内の裏切りを疑う。そんな中、ボスの囲っていた娼婦のキティが行方をくらます。クレアとニック、そしてボスの息子ジミーはキティの居所を探し始める。途中、金の行方を追うことになったニックと別れたクレアは、キティを無事に見つけるのだが、錯乱したキティがジミーを撃ち殺してしまい…。

序盤はギャングのアジトみたいなところで、クセの強い連中が、ああじゃない、こうじゃないと駄弁ってるしシーンが続き、娼婦役のロビン・タニー（海外ドラマ「メンタリスト」の女捜査官役で有名！）がセクシーだなって思うくらいで、けっこう退屈にも感じたんだけど、話が動き出し、方向性が見えてきてからは、徐々に面白くなっていく。ジャンルとしてはコミカルでシュールな要素もあるクライムサスペンスかな？ボスからの信頼も厚い、トラブルシューターの男女2組がですね、一枚岩じゃなかった組織内の裏切りに巻き込まれ、どんどん窮地に追い込まれていく…。

主人公であるこの男女コンビは…目に見えてイチャついたりはしないんだけど、なんとなく“ああデキてるんだ”というのが伝わってくる感じのカップル。組織内の他の荒くれ者どもたちにも物おじせず、対等に立ち振る舞うタフなメインヒロインを演じるのはキーラ・セジウィック（カイラと表記されてる場合も）という女優さんなんだけど、なんとあのケビン・ベーコンのリアル嫁！メジャー大作にちょこちょこ出演していて、最近でもまだよく見かけることはある。そして、相棒役には、最近だと「キングスマン:ファースト・エージェント」なんかに出ていたスタンリー・トゥッチ。

20年以上前から、頭は剥げており（余計なお世話だろ）…物腰が柔らかい優男のようなんだけれども、ボスに銃を向けた相手を瞬時に射殺、それでいて自分が殺した相手の家族と対面しても、平気で嘘がつけるプロフェッショナルぶりと、なかなかのキレモノなのである。権力争いに巻き込まれ、裏切った仲間たちに襲撃されたりしても、冷静に反撃して、対処する抜群の戦闘スキルがあり、そして同じように窮地に陥っている相棒（恋人）をしっかりサポートする、男としての懐のでかさも持ち合わせる。でもね完璧な男なんてそういない…実は病魔におかされていた！

ただでさえ余命いくばくない相手と、途中…別行動になってしまうんだけど、2人の関係性と同じく、そこまで大ごとに描いてないから、余計に切ない。全体を通して、そんなに多くもなかったアクション、銃撃戦が展開されるクライマックス…その直前でようやく再会する2人の“触れあい”が、下手なラブストーリーよりもロマンチック。そしていよいよ銃撃戦になだれ込んだ時の、信頼し合った隙のない動きに感動するのであった。片や病気で、片や銃で足を撃たれてるのに…そんなキビキビ動けるのかよ！いや、これが愛ってもんですよ（笑）細かいことはどうでもいい。

組織のボスを演じていたのはロビー・コルトレーン…ハリ・ポタのハグリッド役が有名であり、ボンドフリークのオイラなんかにとってはブロスナンの007で元KGBのズコフスキーを演じていたオッサンと認識。また、そのボスの腹心でありながらも、視聴者的にはとにかく胡散臭く見え、絶対にコイツが裏切者だろうな組織幹部にフィリップ・シーモア・ホフマン。トゥッチに死期が迫っていることを知っているのか“早く死なないかな”と、部下に本音を語るシーンがあるんだけど、自分が先に死ぬという。そしてそんなホフマンが本当に早死にしちゃったのがまた切ないな。

監督：ジェニファー・ライツェス

出演：キーラ・セジウィック　スタンリー・トゥッチ　ロビン・タニー　ロビー・コルトレーン　イーサン・エンブリー

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