悪魔を憐れむ歌(1998年) | 勝手に映画紹介!?

悪魔を憐れむ歌(1998年)

悪魔を憐れむ歌 [DVD]


WOWOWのホラー特集で「悪魔を憐れむ歌」をエアチェック…これまた今から23年も前の旧作なので、WOWOWでは初放送じゃなかったが、ここ最近でリピートされた記憶はあまりない。当時、劇場では見てなかったような?たぶん、DVDの初回リリース時にセル版を購入、それが初見だったと思う。最近はブルーレイも出ているが、買いなおさなかった。逮捕した犯人の死刑が実行され、死に際に“俺は戻ってくる!”と宣言…以降、デンゼル・ワシントン扮する刑事の周りで不可解な事件が立て続けに起こるようになという、オカルティックなサスペンスホラー。

 

フィラデルフィア…殺人課のジョン・ホブズ刑事が捕まえた連続殺人犯エドガー・リースが死刑になった。刑の執行に立ち会ったジョンの前で、エドガーはローリング・ストーンズの“タイム・イズ・オン・マイ・サイド”を口遊みながら不気味で意味深なメッセージを残す。その後…仕事に戻ったジョンは殺人事件の捜査を担当するが、なんと犯行の手口が死んだはずのリースとそっくりだった!現場に残された暗号から、独自に事件を捜査するジョンをあざ笑うかのように新たな殺人が!上司からはジョン自身が容疑者扱いされてしまい、窮地に追い込まれるが…。

 

一介の刑事が“この世の者じゃない存在”と対峙する…相手は次々と人に憑依できる恐ろしい悪魔だった!なんか、コンセプトだけ聞くと、シュワルツェネッガーの「エンド・オブ・デイズ」と、そうかわらないんじゃないか?なんて、今になってみると思うわけだが…そこは力業が得意なシュワと違い、アカデミー賞受賞経験もあるデンゼル・ワシントンの演技が加わることで…不思議と、もう少し“頭の良さそうな映画”に見えてくる。刑事と悪魔が戦うって、そもそもが“無理ゲー”…基本は雰囲気で見る映画だ。序盤は普通社会派もチラつかせる猟奇サスペンス風。

 

それが段々と如何わしい方向へ…主人公だけが知らず知らずに境界を踏み越えていて、日常が崩壊していくさまが、ホラーとしての一番の見所じゃないかと。なんで悪魔が憑依するのか?この物語の中だけで成立するルールを深く考えても仕方がない。デンゼルと狡猾な悪魔のスリリングな知恵比べを素直に楽しむべし。全編を通したモノローグにも仕掛けがあり、最後の“してやったり感”など、意外とミステリーとしてもよく出来ていると思った。久しぶりの鑑賞だったけど、デンゼルの考え出した作戦、奥の手を含め、あのオチはしっかりと覚えていたな…。

 

触れた、触れられただけで伝播していく悪魔…どうあがいても防ぎようがなく、それがこの世界を支配しようとする悪魔の作戦でもある。宗教観の違いもあるし、当時は“絵空事”として見ていた部分も…コロナ禍の今になって見直すことで、悪魔の存在がウィルスのようにも見えてきて、ジワリジワリと人間社会をむしばんでいく展開など、初見時よりもより“バッドエンド感”が強くなったように思えた。人混みにまぎれてしまえば悪魔がどこにいるのかわからない、ホラ、君の隣にいるのが悪魔かもしれない、触られたら憑依するぜ…気をつけろ、エンガチョ!?

 

一点、ちょっと気になったのが…悪魔からのメッセージを解読中のデンゼルが、“Apocalypse(アポカリプス)”という言葉を、わざわざシスターに訊ねるくだりだ。結局、“啓示、黙示録”という答えに行く着くんだけど、あんなに優秀そうな刑事が、その言葉を知らない?日本人のオイラだって、「地獄の黙示録(原題:Apocalypse Now)」のおかげで中学生の頃から言葉と意味を知ってたぞ(笑)きっと、この映画の世界では「地獄の黙示録」が存在しないのだろう(笑)きっと、観客、視聴者に説明する意図だと思うんだけど、あそこはデンゼルの独り言でよかった気がする。

 

 

監督:グレゴリー・ホブリット

出演:デンゼル・ワシントン ジョン・グッドマン ドナルド・サザーランド エンベス・デヴィッツ ガブリエル・カソーズ

 

 

【DVDソフトの購入】

DVD 悪魔を憐れむ歌

悪魔を憐れむ歌 [DVD]






 

人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!