ジェクシー！スマホを変えただけなのに（２０１９年）

ＷＯＷＯＷでエアチェックした「」を鑑賞…「ハングオーバー！」1作目の脚本家が、監督・脚本を務めたというコメディ。スマホ依存な今風青年が、一風変わったスマホAIに振り回される様子を描く。日本の人気ミステリー小説、またはそれを映像化した実写映画に引っかけた“狙いすぎな邦題”がちょっと引っかかり（最近の映画配給会社の人間はホントにセンスねぇ）、大して面白そうに感じず、そこまで期待はしていなかったんだけど、普通に笑える、面白い。絶対にあの“サブタイトル”はない方がいいって思うなぁ～。

子供の頃から携帯電話が手放せないフィル…それは大人になってからも変わらず、独身で友達も彼女もいない今は、ますますスマホに依存していた。ある日、道端で偶然出会った魅力的な女性ケイトに恋をしてしまうが、その直後、スマホを落として壊してしまう。仕方なく、新しい機種を購入したのだが、そのスマホに搭載されていたAIの“ジェクシー”は、まるで自らの意思を持ってるかのようで、フィルの日常に介入してくる。職場では勝手に上司に突っかかり、ケイトにも無理やり連絡を。しかし、なぜかそれが功をなし、フィルの日常が変化が訪れるも…。

スマホのAIがまるで“性悪女”のような性格でして…口が悪く、暴力的（AIならではの能力を使い、精神的にも肉体的にも攻撃してくる）、おまけに嫉妬深い。スマホを変えても、どこまで追いかけてくると…ストーカー体質だ。スマホ相手に、怒ったり、わめいたりする主人公…なんかね、売れない芸人の1人コントを見てるような感じ。実に馬鹿馬鹿しい映画なんだけど…スマホなど現代テクノロジーに頼り過ぎな社会への批判、AIの危険性への警鐘といった、本質的な部分では邦画の「AI崩壊」なんかと一緒で、現代版の「2001年宇宙の旅」だと言っても過言じゃない。

序盤はそんなＡＩに振り回される主人公、しかし徐々に扱いにも慣れてきて、共存できるように。ＡＩの“おせっかい”が功をなして、どんどんと主人公の日常が、“良い方向”へと変化していく。ただ、主人公の日常が満たされていくと、その分、スマホへの依存が減るわけで、天邪鬼なスマホは、怒り出し…ようやくつかんだ主人公の恋路を邪魔してやろうという話になる。ラブロマンスの部分はわりとコテコテ…見るからにアホ丸出しなボンクラ主人公が、普通だったら絶対に無理そうな“高嶺の花”、確かに可愛らしいヒロインを見事に口説き落としてしまう。

ええ、こんなのファンタジーだよと思う反面、アイドルとか女優、女子アナがお笑い芸人とくっつくなんていうのはよくある話でして…意外と、こういうところもリアルなのかも。いい女程、こういう残念なヤツに惹かれるのかもしれない。ってことは、40代独身のオイラにもワンチャンあるか？などと希望も湧いてくる（冗談）。ただね、このヒロイン…最初は“いい女”に見えたんだけど、チケットを持ってないのにライブ会場に侵入しちゃおうって主人公をそそのかしたり、知り合った大物芸能人と率先してハッパを吸って大盛り上がりしたり、結局は主人公とも直ぐヤっちゃう。

案の定、元カレが登場し…主人公はピンチに陥る！主人公と出会ったばかりの頃は、“男嫌いの潔癖さ”みたいなものが漂っていたんだけど、普通に昔の恋愛を引きずってる尻軽女だったじゃん。恋は成就するのか？スマホの呪縛から逃れられるのか？途中で、主人公が恋焦がれるヒロインの魅力が薄くなってきた点が残念なんだけど（だから、こういうところも裏を返せば現実的で、女子に対し幻想を抱きすぎな、キモイ奴はオイラの方だったというのを気づかされる）、それ以外、概ね楽しめました。主人公の職場の上司、マイケル・ペーニャがいい味出してる。

そういえば、映画の舞台は「アントマン」（マイケル・ペーニャ出演）と同じサンフランシスコでしたね…アクション映画のカーチェイスでお馴染み“あの坂”で、本作ならではの渾身のギャグをかましてくれる。途中まで見ていて、ああ、これって、もしかして杉田智和や花澤香菜が吹替を担当したって話題になってたヤツじゃない？って思い出した。見終わった後に、今後放送予定があるＷＯＷＯＷの吹き替え版情報を確認したら、やっぱりそうだった。杉田、花澤以外にも…竹達彩奈、関智一、小野大輔、朴ろ美と声優陣が豪華！ぜったいに吹き替え版も録画しよ！

監督：ジョン・ルーカス　スコット・ムーア

出演：アダム・ディヴァイン　アレクサンドラ・シップ　マイケル・ペーニャ　ジャスティン・ハートリー

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