日本黒社会 LEY LINES(1999年):WOWOW録画 | 勝手に映画紹介!?

日本黒社会 LEY LINES(1999年):WOWOW録画

日本黒社会 LEY LINES [DVD]

 

最新作「初恋」の初放送に合わせた、WOWOWの三池崇史特集を毎晩追いかけている…すべて過去に鑑賞経験があり、セルソフトでちゃんと所持してるもの、過去のエアチェックディスクがまだ手元にあるものも含まれてるんだけど、日本ではDVDまでしかリリースされていなかったり、はたまた画質を落として焼いてあったりという事情もあるので、やはりまがりなりにもハイビジョン画質のWOWOW放送(元の素材が悪いので、そこまで高画質ではない)…今回のラインナップはすべて放送画質のDRモードでエアチェックし、保存用にしようと考えている。

 

ということで…このところ連日再鑑賞してきた黒社会シリーズ3部作のトリを務める3作目の「日本黒社会 LEY LINES」を鑑賞…再三語ってきたけど、シリーズの中で個人的には思い入れも多く、一番好きな作品であるのだが…残念ながら、今回のWOWOW放送の中で、一番不完全な状態での放送だったので、その理由を少しばかり語っていこうと思う。1作目の「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」ではホモのフェ●シーンに、DVDにはなかったボカシが入っていて、ちょっとばかりテンションが下がったけど…まぁ、あのあたりは半ば予想はしてたんだ。

 

2作目の「極道黒社会 RAINY DOG」では…立小便する田口トモロヲの股間に、モザイク(厳密にはモザイクではなく、もうちょっとモヤモヤしたアナログな処理)がかかってたけど、あれは逆に演出(わざと古臭いポルノのような修正を入れ自主規制と両立させているのだろうと推測)として入れてるもので、DVDに収録されているオリジナルの映像と同じ表現です。この3作目「日本黒社会 LEY LINES」でも、たびたび登場する“卑猥”なシーンで同じような処理が行われていて、そこは特に、過剰な処理はされず…そのままWOWOWでも放送されてましたね。

 

どこが処理されていたかというと…セリフです。本作はことのほか“過激なセリフ”が多く、元からピー音で消されている単語もあるんだけど(これも、卑猥シーン同様、わざと狙った演出の可能性大)、なんていうか…本作の一番のキモじゃないかと思える大事なセリフが消されていて、ああ、やっぱりなと。DVDでは普通に収録されてたんですけど、主人公3人組を乱交パーティーに誘い、金だけ奪って逃げる中国人娼婦のことを、“ワイルドおま●こ”と呼称し(最初は娼婦が行為自体をそういう呼称で呼んだ)、劇中で皆が連呼するんだけど…これがアウトでした。

 

やっぱり“おま●こ”は駄目なんですね。でも…2016年9月にWOWOWで放送した「ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎行進曲」は、地上波でピー音くらった“コーマ●”や“ザ・コーマ●ズ”を“不適切なセリフがあるけど、オリジナルを尊重してそのまま放送”という冒頭テロップでのりきって…“無修正”で放送してたのになぁ。“おま●こ”と“コーマ●”のナニが違うんだよと、WOWOWに問いたいですな(爆)えーとですね、音が無音で抜けてるところはWOWOW側の規制、それ以外のピー音(大杉連さんや竹中直人、あとガーナ人との会話)は元からです。

 

お前はなんで“おま●こ”や“コーマ●”を、そんなに真剣に力説しとるんじゃいって感じですが…これも作品愛ゆえとお考え下さい。なぜ3部作の中で、この作品が一番好きかというと…お馬鹿さの中に絶妙な哀愁が漂う、三池映画ならではの独特なテンションが一番色濃く出ているからかなと、なんとなく分析。あとは、2009年投稿の文章に加筆した形で、後で詳しく説明しようと思ってるんだけど…実はこの作品は劇場でも見てるんですね。そして、同じ日に…「映画 サラリーマン金太郎」も見たんだけど、偶然にも同じ監督の作品だったことにえらく驚いたのよ。


それで余計に印象強く残ってて…。WOWOWでの三池崇史特集は本日、明日…まだ2作品の放送が残っている。最終日に放送する「実録・安藤昇侠道伝 烈火」は、未DVD化で、VHSもレンタルしかなかったのでかなり貴重なオンエアですぞ(オイラはヤフオクで入手したサンプルビデオを所持してる)。今は…Amazonプライムビデオチャンネルの“JUNK FILM by TOEI”に別途加入すると配信でも見れるみたいですが、好きな作品は手元にコレクションしたいしな。ちなみに今回の黒社会3部作は50GBのBD-Rに3作品まとめて焼いたら、容量ピッタリでした。

 

 

オイラが持ってるDVDはこのBOX…中身は現行の単品商品と同じだと思う
 
オイラが持ってるDVDはこのBOX…中身は現行の単品商品と同じだと思う,三池崇史 DVD-BOX限定版,ザ・ハザード
 
オマケで「漂流街」のメイキングDVDが入ってる
 
オマケで「漂流街」のメイキングDVDが入ってる
 
そんなわけで黒社会3部作のジャケと一緒に…今回のエアチェックディスクを記念撮影!
 
そんなわけで黒社会3部作のジャケと一緒に…今回のエアチェックディスクを記念撮影!
 
 
 
★2009年04月16日投稿:日本黒社会 LEY LINES(1999年)を一部加筆・訂正して再掲★

 

とある田舎町…中国人の両親を持つ龍一、俊霖の呂兄弟…幼い頃から差別にあい、問題児の兄の龍一は現在は保護観察中の身。それでも、なんとか今の生活を抜けだしたいと思っていた龍一は幼馴染の帳らと、近所の自動車修理工場を襲い現金を奪取。その金で町を出ることになったのだが帳以外の仲間は途中で逃げ出す。その代わりに俊霖が二人を追いかけてきて、三人で上京。人種の坩堝、歌舞伎町でのし上がろうとする…。上京早々…中国人娼婦アニタと出会い、身体目当てで近づくが、逆に有り金を巻き上げられ無一文になってしまう!

「おにいちゃんはパイプを作ってラ~リラリ♪」と唄う北村一輝やトルエン道を極める、トルエンは世界を救うと豪語する哀川翔のように、印象的な名言、珍言がいっぱい…中国人売春婦が主人公たちを「ワイルドお●んこ」と言葉巧みに誘いながら金を盗んでばっくれちゃうんだけど、以降、主人公たちがその呼び方で女を探すところとか最高。あと差別用語がいっぱい出てくるので、ピー音で消されまくってる(これもたぶん演出?)。時々、簡単な英語を混ぜながらどもって変なことを言うトモロヲさんのバカ演技が、後半で妙に泣けてくるのは完璧、ヤラレました。

 

いつになくおちゃれけた暴走を抑えた竹中直人のチャイニーズマフィア役もけっこう凄味があり、怖さが出ている。お約束だけど、ヒロインの李丹も脱ぎっぷりがよく、エロシーンもいっぱい。日本で育った中国人の子供という設定、犯罪仲間や兄弟の絆、騙し、騙されながら犯罪に手を染め、新宿の街でのし上がっていこうとするみたいなものは…「新宿黒社会」であり、「DEAD OR ALIVE 犯罪者」にも通じるテーマ…マフィアを相手に暴走の挙句逃避行というくだりは「極道黒社会」(追加で「漂流街」も加える)風…で共通するのがやはり無国籍ということだろう。

 

歌舞伎町らしい如何わしさなどが顕著に表れている一方で、田舎の風景が「極道黒社会」の台湾に似た印象も受けた。暴走の果てに半端もんらしい末路が待っているという、妙な虚しさもやはり「極道黒社会」のヒットマン同様に、なんだか切ない気分にさせられる。バイオレンス満載、下品な犯罪・マフィア映画なんだけど…青春映画として泣けます。エンドロールまでスッパリと切ってしまったラストカットも印象的…はじめて見た時は本当にびっくりしました、真黒な画面に判別できない字でスタッフ、キャストの名前が一瞬、写っていきなり終っちゃうんだもんなぁ。

 

映画が終わったことで現実に戻されるんだけど…頭の中で、まだ映画の続きが流れているような変な錯覚を覚えましたね。この映画を初めて見たのは中野にあった武蔵野ホール っていうちっこい映画館…その頃はまだ、三池監督のことをあまり知らなくて…アレ、この監督の名前、見たことあるな?程度だった。実はそれ以前にも、知らずに何本かは三池作品は見ていたんだけど(同じ日の午前中に「映画 サラリーマン金太郎」を見ていて、同じ監督の作品のハシゴだったことに驚いた)、この映画を見て意識するようになり、その後に、あの伝説のDOAだった。

 

 

監督:三池崇史
出演:北村一輝 李丹 柏谷享助 田口トモロヲ 大杉漣 菅田俊 渡辺哲 伊藤洋三郎 哀川翔 竹中直人

 

 

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