ヒットマン：レジェンド 憎しみの銃弾（２０１９年）
日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するＷＯＷＯＷのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「ヒットマン：レジェンド 憎しみの銃弾（原題：5 Is the Perfect Number）を鑑賞…息子を殺された老殺し屋が組織に復讐を遂げるという、イタリアで人気のグラフィックノベルを実写化したアクション映画。イタリア、ベルギー、フランスの合作だそうだ。邦題、原題で検索をかけてもＡｍａｚｏｎでは“ヒット”せず…日本版ソフトのリリース日などは未定、海外盤ソフトが存在するかもちょっとわからん。ＷＯＷＯＷオンデマンドで加入者向けに配信中。
1972年のナポリ…長年、組織の殺し屋として活躍してきたペッピーノ。現在は現役を引退しており、一人息子のニーノが後を継いで、同じように暗殺の仕事をしていた。そんなニーノの誕生日が近づき、ペッピーノは昔馴染みから特別仕様のコルト・コブラを仕入れ、プレゼントするのだが…そのニーノがターゲットの男に逆に殺されてしまい、コブラも奪われてしまった！やがてペッピーノ自身も組織から命を狙われるようになり、ペッピーノはトトやリータといった昔からの信頼できる仲間に協力を頼み、ニーノを殺した組織に復讐しようと立ち向かっていくのだが…。
日本でも人気があるゲームソフトならびに、それを原作にした映画シリーズとの関連はまったくありません…強いてあげれば主人公の殺し屋が“ハゲてる”ところくらいか（笑）まぁ、それは冗談ですけど。一応、章立てになっていて、たま～に過去を回想したりしながら、元殺し屋のじーさんが、自分の息子を殺した犯人と、そのバックに控える組織に復讐していくという話で、最後にちょっとしたどんでん返し的なオチもあったりみたいな内容。ドンパチはそれなりにあるんだけど、老人が主人公なので、スピード感のおあるもの期待できず、凝ったシーンもスロー多用。
簡単に言うとシニア仕様でテンポを遅くした「アウトレイジ」みたいな感じかな？じじいがやぶれかぶれになって巨大な組織をぶっつぶそうって話。ラストのオチを踏まえると、決してそれが望んでいたハッピーエンドとはいかないんだけど、美しいビーチで美女（年下のカノジョ？）と一緒に余生を暮らすような展開になるのを見て…きっと「カリートの道」のアル・パチーノはこういうのを夢見てたんだろうななんて、思わず妄想してしまった。グラフィックノベル原作という名残なのか、陰影のつけ方だったり、色調はなんとな独特なく特徴があるなって感じのビジュアル。
気になる点といえば…冒頭、息子への誕生日プレゼントを仕入れに行った時の、銃の売り手と主人公の会話だろうか？注文していた銃とは別のものをさかんに進める売り手が、今はこれが流行ってると“ブローニング、32口径”と説明しながらシルバーの小型拳銃を持ち出すんだけど、そこまで拳銃についての知識を持ち合わせてるわけではないオイラが見ても…その銃は“ブローニング”ではなく、“ワルサーPPK”に見えるんですけど、どういうことなんですかね？グリップのところに、ワルサーのあの特徴的な波打ってるロゴもついてるように見えるけど…。
説明通りにブローニングだったら、たぶんM1910あたりのことを言ってるのかななんて思ったりもするが…。もとの映画が間違えてるのか、翻訳を間違えてるのか、さもなければ製作者が意図的に間違えてる可能性も。実は「007／ドクター・ノオ」の中で、設定上はワルサーPPKを使ってるはずのボンドが、撮影の関係とかでブローニングで誤魔化しているシーンがあるという話が、007ファンの間では有名でして…もしかしたら、これは変則的な（逆に再現している？）007オマージュなのではないだろうか？なんて、007好きのオイラは深読みしたくなったのでした。
銃に詳しい方がいたら、ぜひご教示いただきたい案件だよね。ソフトリリース時に、映画秘宝あたりで、ピストル番長の青井邦夫センセイあたりが、詳しく解説してくれると非常に助かるんだけどなぁ～…なんか、ここが一番、モヤモヤするのでした。いや、作品全体もけっこうモヤモヤかな？ゲーム原作の「ヒットマン」シリーズのような内容を期待すると退屈です。最後に作品についての補足をもう少し…ＷＯＷＯＷの解説によると、原作は監督自身が手掛けたグラフィックノベルだそうで、Ａｍａｚｏｎで根気よく探したら、洋書コーナーで原作ペーパーバックを発見！
監督：イゴール
出演：トニ・セルヴィッロ ヴァレリア・ゴリノ カルロ・ブチロッソ ジージョ・モッラ レレンツォ・ランスロッティ
【たぶんこれが原作だと思われる】
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