刑事モース ～オックスフォード事件簿～ Ｃａｓｅ ２７ 新世界の崩落（２０１９年）

ＷＯＷＯＷでエアチェックしておいた「刑事モース ～オックスフォード事件簿～」の最新エピソード…“Case26 甘い罠”に続き、“Case27　新世界の崩落”を鑑賞。今回放送された2エピソードは今年の2月にＷＯＷＯＷで初放送された“Case24 花飾りの少女”“Case25 月の裏庭”と同じ、本国で2019年に放送されたからのエピソードであり、特に本エピソード“Case27”はシーズンの最終話でもあるので、ここ最近の投げっぱなしだったネタ、伏線の回収もあったりする、けっこう見ごたえある内容に仕上がっていた…マジで面白かったです！

閉館直後のオックスフォード、ボドリアン図書館で…図書館長のオズバート・ペイジが刺殺された。閉館前の観覧室には数学教授のニコルソン、地質学者のバロウズという常連が滞在していたことが判明、2人も被害者と何らかのトラブルを抱えていたらしいという情報もある。モースはさっそく事情聴取を始める。それと同時に、現場で見つけた、謎の文字が書かれた紙きれのことも気にかけていた。そんな時、再開発地区に建てられたばかりの高層住宅が突然、崩れるという事件が発生！現場に居合わせたモースも住人の少女を助け出すのだが…。

今回は“図書館の殺人”（こう表現すると青崎有吾の推理小説まんまだな）と、倒壊事故を起こした高層ビルの手抜き工事の真相に迫る2本立て。単発作品として見た時は…人間関係のドロドロもよく描けていたし、ひとつ前のエピソード“Case26 甘い罠”の方がミステリー、サスペンスとしては出来がいいかなって思うんだけど、それらの事件が一つに繋がり、さらには過去シーズンからの引っ張り要素をすべて清算するような、超ど級のどんでん返しが待ってるあたりは、シリーズものとしての魅力がよく出ていて、ラストの余韻もスッキリ、爽快感がたまらない。

夫婦仲の悪化に続き、あのサーズデイ警部補がまさかの闇堕ち？前エピソードでそれをにおわせる描写があり、いち早く察知したストレンジ巡査部長がモースに助言！最初は信じられない様子だったモースも、直接本人に疑惑をぶつける！モースとサーズデイ、コンビ復活どころか、このまま決別か？さらに、警察内部にも蔓延る悪は…プライベートで心配事を抱えているブライト警視正まで、取り込もうとするのだが…毅然とした態度ではねつける！その代償として、命を狙われる警視正だったが、“Case24”で描かれたある出来事のおかげで命拾いする！

悪党たちはモースの存在をかなり危惧しており、モースたちの仲間というか、協力者というか、事件解決に一役買う重要人物を直接、拉致するという強硬手段にも出る。過去にもモースたちの同僚を殺している犯人たちは何をするかわからない狂暴な連中なわけだけど…今回、人質になった人物は、この「刑事モース」シリーズではなく、正編（元ネタ）「主任警部モース」の方にも出ているキャラクターだったので、“殺されるような最悪な状況にはならんだろう”というのがあらかじめ悟れてしまった…そこはちょっともったいないんだけど、まぁ、よしとしようか。

モースをやたらと毛嫌いし、サーズデイ警部補を悪の道に引きずり込もうとした張本人である、上司の警部…オイラはずっとこの警部が胡散臭く、そのわりにいつも大した仕事をしてないので、感想を書く時に、毎回のように“バカ警部”と揶揄してたんだけど、本当にコイツ“バカ警部”だったのでビックリしたよ（笑）劇中で、登場する黒幕・真犯人（過去シーズンで同僚を殺したヤツ）が、自信満々に“驚いただろ、俺が犯人だぜ”と言いながらモースの前に現れる…確かにお前の方だったかって感じ。モースたちがピンチを切り抜ける様がマジでかっこよく感動的！

もちろん本国では新シーズン、新エピソードが作られてるそうなので、これでようやく従来の「刑事モース」シリーズのような雰囲気にまた戻るのだろうか？なんて思いになりつつ、最近の仕事中に女を口説く、酒とかもバンバン飲んじゃう…モースの刑事として、そして人間、男としての“熟れ感”を見ていると、いよいよ「主任警部モース」でジョン・ソウが演じていた初老モースに近づいてきたなという気持ちにもなる。邦題タイトルがまだ“新米刑事モース”だった頃の、童貞臭すらあった初々しさが懐かしい。ってか、今シーズンのあの髭は似合ってなかったよね？

監督：ジェイミー・ドノーウー

出演：ショーン・エヴァンス　ロジャー・アラム　アントン・レッサー　ショーン・リグビー　ジェームズ・ブラッドショー

【日本語収録なし、海外盤BDです！】

人気blogランキング 参加中　-クリック-　ご協力ください！