バウンティ/愛と反乱の航海(1984年) | 勝手に映画紹介!?

バウンティ/愛と反乱の航海(1984年)

バウンティ/愛と反乱の航海,メル・ギブソン,アンソニー・ホプキンス

シネフィルWOWOWで放送していた「バウンティ/愛と反乱の航海」をケーブルテレビのSTB経由でエアチェック…“バウンティ号の反乱”として知られる18世紀のイギリス海軍で実際に起きた事件を題材にした映画…同じ事件を描いた作品は他にも色々とあるらしいが…本作の一番の見どころは豪華なキャスト。メル・ギブソンとアンソニー・ホプキンスのダブル主演に加え、ローレンス・オリヴィエ、エドワード・フォックスといった名優から、リーアム・ニーソン、ダニエル・デイ=ルイスといった今の若い世代の映画ファンにも通じるスターも出演している。

バウンティ号で起きた反乱事件の顛末を詳細にするため、艦長だった英国海軍のウィリアム・ブライ大尉が軍法会議に召喚される。ブライ大尉はフッド提督、グリーサム大佐らが厳しい目を向ける中で…バウンティ号が出向する前の様子から語り始める。1987年12月23日…パンノキの実の苗木をタヒチから西インド諸島へ運ぶ任務を命じられたブライ大尉は、親友のフレッチャー・クリスチャンを一等航海士に抜擢、46名の乗組員と共に出帆。途中、激しい嵐に遭遇したり、副官の交代などトラブルに遭いながらも、なんとかタヒチに到着するのだが…。

こういう事件があったというのは、なんとなく知識として、頭の片隅にあったが(ぶっちゃけ、事件の名前くらいしか知らんかった)…他の映画や書物なんかもぜんぜん触れたことがなかったので、詳細や顛末に関してはよく知らなかった。冒頭、ホプキンス演じるバウンティ号の船長が軍法会議にかけられる場面から始まる!ホプキンス船長の話を聞き、裁きを下すお歴々方がローレンス・オリヴィエだったり、エドワード・フォックスだったり。で、その場でホプキンス船長が語る回想として…メインの反乱事件に至るまでの詳細が紐解かれていくって感じ。

パンノキの実の苗木というものをタヒチまで行って入手して(奴隷の食事用らしい)、西インド諸島まで運ぶという任務を請け負ったホプキンス艦長…正規の海軍の部下としてダニエル・デイ=ルイスやバーナード・ヒルを従えてるんだけど、それだけじゃちょっと心許ないので、マブダチのメルギブを一等航海士として連れていくことに。そのほか、士官たちにこき使われる下っ端の水兵の中にリーアム・ニーソンなんかもいる。士官らに人間扱いされない下っ端連中のうっ憤がたまり、一色触発の危機なんかも訪れ、さらに嵐にも遭遇して、航海失敗の危機に!

ここで、ホプキンス艦長は副官だったデイ=ルイスを格下げし、メルギブを副官に昇格させるという奇策を発案…これが功を成して、無事にタヒチに到着!現地民や王様から手厚い歓迎を受け…苗木調達の交渉もうまくいく。ただ、実際に苗木を船に積み込むまでは、苗木の成長なんかも待たなきゃいけないので時間がかかる。しばらくタヒチに滞在することになる一行…普段は規律が厳しい軍艦内での生活から解放され、特に…荒くれ者が多い水兵連中は、生活がダラけはじめ(要は、現地の女にうつつを抜かし)、真面目に働くのが嫌になっちゃうわけよ。

そういう雰囲気を感じ取ったホプキンス艦長が段々とお怒りモードになって…現地民とのセックスじゃなかった、接触(いや、セックスでもあながち間違えてないのだが)を禁止したり、そのルールを破った者に対しては、厳しいお仕置きをしたりと、今の世の中に照らし合わせるとブラック企業のパワハラ上司みたいな横暴さを発揮していって、航海中にもあった士官と下っ端の軋轢がさらに悪化していくと。そして、真っ先にルールを破ったのがホプキンス艦長のマブダチであり、片腕のはずだったメルギブ。なんと王様の娘と懇ろになって孕ませちゃうわけよ。

堪忍袋の緒が切れたホプキンス船長は…出航を速めて、帰還の途に就こうと考え、さらには…航海中に“世界一周を成功させた”という自分の功績を築き上げるために、無謀な難所をルートに選ぼうとしていた。最初の頃は、ホプキンスって、貫禄のある優秀そうな船長に見えたんだけど、実際は部下の人選も駄目だし、規律を守らせることもできないし、外交はハッタリだし(取引を有利に進めるためタヒチの王様に嘘をつく)、そのくせ見栄っ張りだし…まるでどこかの偉い政治家みたいだな(笑)まぁ、こういう態度をとられて、いよいよ反乱に繋がっていくわけ。

これを現代の話に無理やりあてはめようとすると…ホプキンス演じる船長もただのパワハラオヤジだし、一方…上司の横暴に我慢できず、女に会いたい一心で謀反を企てる、国を裏切る部下たちにも、そんなに感情移入できず、ぶっちゃけ…どっちもどっちな感じがしないでもないんだけど、とりあえず反乱を機に、お互いに違う道を進んだ両者(反乱側が、船長たちを小型船に放り込んで、海に追放)がどんな結末を迎えるかという部分は、けっこうドキドキしながら見入ってしまった。船長の生死は判明してるけど、軍法会議でどういう結論がでるのかなと。

あと、音楽が「ブレードランナー」でお馴染みヴァンゲリスなのが何気に凄い。本編が始まる前…MGMのロゴマークが出てくる前に、30秒くらい真っ暗の画面が続いて、一瞬、放送事故かとびっくりしそうになるんだけど、よーく耳を澄ませると、バックで微かにヴァンゲリスの音楽が鳴っていた。タヒチに到着したあたりの自然の風景もなかなか綺麗、ついでに現地民のおねーさんたちも綺麗で、みんなオッパイぽろんしてる!特にメルギブといい関係になるタヒチ王の娘を演じたテヴァイテ・ヴァーネットという女優さん(?)がめちゃめちゃ美人だったなぁ。


監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:メル・ギブソン アンソニー・ホプキンス ローレンス・オリヴィエ バーナード・ヒル ダニエル・デイ=ルイス


【日本ではVHSしか出てません】
VHS バウンティ~愛と反乱の航海







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