弾丸を噛め(1975年) | 勝手に映画紹介!?

弾丸を噛め(1975年)

弾丸を噛め

金曜日にNHKのBSプレミアム、BSシネマでエアチェックしておいた「弾丸を噛め」を鑑賞…ジーン・ハックマン、ジェームズ・コバーン、キャンディス・バーゲンら、豪華スター共演による異色の西部劇。自分は過去にも見たことがなく、今回が初鑑賞だったんですけど…たぶん、BSプレミアムの放送は今年に入って2回目ではないだろうか?リンクを貼ったAmazonの商品ページ(2016年9月発売の再販DVD)のレビュー欄にも、2019年4月の投稿が立て続けに行われている。きっと前回の放送を見た人が、放送直後に同じように書き込んだのだろうな。

1908年…2000ドルの賞金をかけて、6日間で1100キロの西部を横断する過酷なホースレースが開催されることになった!カウボーイのサム・クレイトン、賞金稼ぎのルーク・マシューズ、紅一点のミス・ジョーンズなど優勝を狙った8人の参加者たちが続々とスタート地点に集結。スタート直後は、名声に憧れる最年少カーボがリードを広げるが…途中では様々な困難が待ち受けていた!サムは自分のペースをまもり、途中で脱落しそうになるライバルたちにも手を差し伸べ、着実に距離を延ばす。困難の末、サムも最終チェックポイントまでたどり着くが…。

一番人気の馬を調教したカウボーイのジーン・ハックマンだが…レースのスタート地点に向かう前に、野垂れ死にしそうな仔馬を助けていて、集合時間に遅れ、雇い主からクビにされてしまう。それでも、自分の馬を使ってレースには参加をする。前述の通り、ハックマンは馬を大切にする…いやいや、動物全般に対し、優しく接するムツゴロウさんのような動物愛にあふれた人物なわけで…馬をただの道具にしか思っていない若い参加者ジャン・マイケル・ヴィンセントとはことごとく対立。っていうか、馬をイジメると、相手を殺すような勢いでブチ切れる!

そんなわけでヴィンセントも敵意むき出しでハックマンにつっかかるなど…2人の確執はレースの終盤まで続くことになる。そんなハックマンだけど…苦楽を共にするライバルたちがピンチになれば、これまた優しく手を差し伸べる。トイレ休憩中、野盗に犯されそうになった紅一点のキャンディス・バーゲンを助けるため、銃を手に取る。悪党どもには容赦ない鉄槌を下すのは西部劇らしい非情さだ。確かに、むさ苦しいオッサンたちの中に混じったバーゲン姐さんはクールでかっこいいが、ひょんな時にみせる“女の顔”に、いわゆるギャップ萌えの魅力を感じる。

周囲から心無い言葉を投げかけられるメキシコ人参加者とも対等に接し、機転を利かせた会話で、彼に対する中傷をさりねがく緩和させるあたりもなかなか憎い。このメキシコ人が虫歯の痛みを訴えた時には…治療用の“被せ物”の代わりに…銃の弾丸を使う。まさか、これが「弾丸を噛め」というタイトルの由来なのか?まさかね…なんて思っていたら、このエピソードがしっかりとフリになり、クライマックス近くで、なるほどと、タイトルの意味をしっかりと“嚙締めたくなる”瞬間が訪れる。こういう細やかさを感じる脚本がなかなか秀逸だなと思った。

同様に…動物愛に満ちたハックマンの行動なんかも後になって…ジワジワと作品のスパイスとなって効いてきた。馬に寄り添う者こそレースを制する。簡単に映画の内容を説明すると、車から馬に乗り換えた、西部劇版「キャノンボール」といったところか?最後の最後、レースの勝者が決定する瞬間は…襷が繋がらなくなる、箱根駅伝の繰り上げスタートを見ているような緊張感だ。レースだけではなく、途中で西部劇らしいアクションが見れたのは、オイラ的には良かったと思う(あの展開が嫌いな人もいるようだが)…やっぱハックマンもコバーンもカッコイイ。


監督:リチャード・ブルックス
出演:ジーン・ハックマン キャンディス・バーゲン ジェームズ・コバーン ベン・ジョンソン イアン・バネン


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