極道の妻たち 赤い殺意(1998年)

WOWOWで約2年ぶりに“極妻”特集…前回、2017年の特集ではシリーズ1作目の「極道の妻たち」から10作目の「極道の妻たち 決着」までを放送し、オイラも録画コンプ、鑑賞も行ったんだけど…実は10作目以降も新生“極妻”シリーズとして…長年シリーズを牽引した岩下志麻姐さんから、高島礼子姐さんが主役を引き継いだシリーズが5本、そして黒谷友香姐さんでももう1本作られていまして、今回はその新生“極妻”シリーズと呼ばれる残りの6本の一挙放送になります。そんなわけで新生第1弾、通算11作目の「極道の妻たち 赤い殺意」を鑑賞したよ!
大阪を拠点にする高須組の組長・高須陽造を父に持つ俊之と結婚した由紀…2人は新婚旅行中だったが、そこに陽造の訃報が伝わる。陽造は地域住民と懇親をはかるために開いた祭りの席で、何者かに殺されたという。慌てて帰国した2人…実は堅気の仕事をしていた俊之は、陽造に由紀との結婚を認めてもらっておらず、結局…2人を引き合わせることができなかった。その後、高須組にも跡目問題が浮上…若頭・田所の説得もあり、俊之が2代目の襲名を承諾するが、それを快く思わない人間が、俊之の命を狙い、一緒にいた由紀も負傷してしまう!
他の人のネットレビューなどで、“あまり面白くない”って聞いてて…確かに、20年以上前の高島礼子じゃ、岩下志麻の貫禄に到底かないっこないんじゃないかって、オイラも漠然と心配してたんですけど…かたせ梨乃姐さんをはじめ、“極妻”常連のキャストがそれなりに顔をそろえており、一応のフォーマットは整っている印象。だからこそ…メンツを見ただけで、“黒幕、裏切り者はコイツだろ”感がにじみ出ているのも事実…思った通りのヤツが後ろで絵図を描いており、そいつら相手に礼子姐さんが復讐に走るという、代わり映えしない展開が残念だ。
シリーズ8作目の「極道の妻たち 赫い絆」では、岩下志麻姐さんをレイプしようとするトチ狂ったシャブ中を演じていた古田新太も出てたので…いったいどんなぶっ飛び演技を見せてくれるのかと、楽しみにしていたのだが…今回は服役中の幹部組員(塀の外で待ってる嫁は下っ端ヤクザと浮気中)の役で、ガラス越しの面会シーンに二度ほど登場する程度だった。組長に続き、跡目の息子(とは親友同士)も殺されたのを知らされ、面会室でちょっと暴れたりするんだけど…まだまだ刑期が残ってるので、その後は物語にほとんど絡んでこなかった。
抗争シーンもなんだか地味なものが多く…肝心の礼子姐さんが真の“極妻”に覚醒するのも物語の後半であり、まだまだ梨乃姐さんにおんぶにだっこ。むしろ“極妻”らしさが感じられたのは、やっぱり梨乃姐さんの方である。本編も残り僅かとなったあたりで…ようやく対等な立場になったかなって感じ。銃を手に取り、容赦なく黒幕に立ち向かう姿は、礼子姐さんもちゃんと凛々しく見えた。礼子姐さんはこの後のシリーズ4本でも主演を務めるが…過去の旧シリーズ同様、各ストーリーの関連はなく、毎回、演じるキャラも変わるようなので、次作以降に期待。
監督:関本郁夫
出演:高島礼子 かたせ梨乃 野村宏伸 中尾彬 六平直政 永島敏行 諸星和己 古田新太 名古屋章
【DVDソフトの購入】
DVD 極道の妻たち 赤い殺意