野獣駆けろ(1990年) | 勝手に映画紹介!?

野獣駆けろ(1990年)

野獣駆けろ

NHK、BSプレミアムで“アナザーストーリーズ 運命の分岐点「Vシネマの男たち~逆境を乗りこえる熱があった~」”を見た影響がまだ続く…今日もやっぱり懐かしいVシネを見たい気分。「Vシネマの男たち」の感想のところでもチラっと書いたんだけど…手持ちのVHSコレクションの中にあった「野獣駆けろ」を引っ張り出してきて、久しぶりに鑑賞。大沢在昌先生の同名小説を映像化したもの…高校生の時に「新宿鮫」にハマって以降、片っ端から在昌先生の作品を読んでいたので、原作ももちろん読んでいて…その後、しばらく経って、このVシネの存在を知り、中古ビデオを色々と探しまくって入手したんだよ…まだインターネットも一般的じゃなかった時代だから大変だった。

六本木の遊び人、高松圭介は過去に傭兵の経験があった…ある日、知り合いの編集者・河合に呼び出され、バー“アマゾネス”で会う約束になっていた。そこでベテラン作家の辺見と引き合わされ、彼が何者かに命を狙われているので、ボディガードをしてくれないかと頼まれる。しかし気乗りしない圭介は依頼を断ってしまうのだが…直後に河合が殺され、死体が圭介の自宅前に放置されていた!警察からも疑いの眼で見られる圭介…真相を探るため、傭兵時代の仲間であり、現在はバーテンダーをしている清水と共に辺見を護ることにしたが…。

当時はまだ、原作の内容もはっきり覚えていた頃だったので…自分がイメージしていた主人公の高松圭介と、映像版の神田正輝の容姿があまり一致しなかったんだけど、それから20年以上経ちますと、原作の方の内容もだいぶうろ覚えになりまして(笑)あまり気にならなくなり、純粋に映像、ストーリーを楽しむことができた。好きな小説の実写化は、ある程度妥協しなきゃいけないというのも…長年の経験で悟ってるしな。いや、むしろ…映画、テレビ、アニメなど約20作品くらいある在昌センセイの映像化の中では、ぜんぜんまともな部類かもしれないぞと。

まだ、ちゃんと自室の本棚の中に並んでいた…講談社文庫版(今は集英社)の原作小説も後から引っ張り出してきて、要所要所を流し読みしてみたんだけど、わりと忠実に映像化もされている印象だ。もしかしたら10代後半から20代前半、何事も経験が浅かった自分自身の思い描いていたイメージの方が間違っていた可能性も大きい。ただ、物語の後半、依頼人と共にVIP専用の隠れ家的施設に向かう展開があるんだけど…あの施設は、やっぱり原作に比べるとなんだかショボくて、見た目が普通のホテルだった。原作だと原子力発電所も備わってる設定。

神田正輝は…やっぱり長年、刑事ドラマに携わっていただけあり、拳銃の構え方が様になり…普通にかっこよかったです。今まで、イメージが違うとか思ってて、ゴメンナサイ。相棒役の塩見三省さんとのバディっぷりもハマっている。依頼人の命を狙う2人組の刺客の片方が…菅田俊さんでしたね、今まで気がつかなかった、というか、忘れてた。殺人事件の捜査をする宍戸錠との腹の探り合いな掛け合いも、スリルの中にちょっとしたユーモアが加味してあり愉快だ。そして、命を狙われているのに、どこか飄々としている依頼人の南原宏治もやっぱり食わせ者だ。

全編にわたりジャジーで小気味よい音楽がハードボイルドな雰囲気を盛り上げていたが、その音楽を担当しているのが「野獣死すべし」の高島明彦(たかしまあきひこ)ってあたりは狙っているのか?一般的にはVシネ=低予算というイメージも強いが、こういうところで、現代の低予算作品と差が出る、豪華さを感じる。しばらく、こういう旧作のVシネを攻めたい気分…ちょうどGEOのネットレンタルで旧作50円均一を実施しており、前から借りたかった他の旧作東映映画と一緒に、何本か東映Vシネを見繕って、レンタル手続きしてしまった…到着が楽しみだ。


監督:中島紘一
出演:神田正輝 一色彩子 塩見三省 誠直也 菅田俊 ベンガル 南原宏治 宍戸錠


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