学校の怪談4(1999年) | 勝手に映画紹介!?

学校の怪談4(1999年)

学校の怪談4

WOWOWでエアチェックした「学校の怪談」シリーズ一挙放送、ようやく最後まで見終わる…全部で4作品しかないので、もうちょっと短時間でイッキに見ちゃいたかったんだけど、結局、1日1本しか消化できず。そんなわけで「学校の怪談4」を鑑賞…1~3作目は今回のWOWOWの放送で初めて見たんだけど、この4作目のみ、公開当時に試写会に当選して見たことがある。ただ、“見た”という記憶は残ってるんだけど、内容はまったく覚えてなかった。3作目では金子修介監督に監督をバトンタッチしたが、1~2作目の平山秀幸監督が再登板している。

普段は東京で暮らす兄妹、恒と弥恵は…夏休みを利用し、旅館を営む叔母・晴美の家に遊びに来ていたが、ちょうど台風が直撃し、町は大混乱。翌日、従姉妹のあゆむに連れられ、地元の子供たちと顔を合わせる恒と弥恵。その後、地元の子供たちが行方不明になるという事件が次々に発生…“かつて、津波に巻き込まれて死んだ子供たちの幽霊の仕業”ではないかと囁かれるように…。そんな中、恒も夜中に出歩くなど不可解な行動をするように。弥恵はそんな兄を心配し、知り合ったばかりの不思議な老人、文房具店店主だという関川に相談するが…。

冒頭は本筋で怪現象の原因となる…過去に起きた悲劇が紐解かれる。校舎の中で遊んでいた子供たちが、津波に巻き込まれるんだけど…その後の物語との時間経過を明確にするため、その過去シーンはモノクロになっている。加えて、シリーズ初のシネスコ。なんとなく、それまでのシリーズと一線を画す、大人の観客も意識した、映画らしい重厚さが増した印象だ。やっぱり平山監督が本作の前に、代表作「愛を乞う人」を撮っているのも、作風の変化に影響してるのでは?オイラが当時、この作品だけ見てるのも「愛を乞う人」があったからだと思うんだ。

愛くるしいクリーチャーも出てきて、どこかコミカルな要素もあった今までの作品と比べて、物語全体でもよりホラー色を強めている演出…“内容はあまり覚えていなかった”ということは、当時はそんなに琴線に触れなかったんだと思うけど、やっぱり冒頭の津波シーンに関しても、今ではリアルタイムで目撃、経験してしまった“3.11”と色々とダブるところがありまして、いっそう恐怖を感じる。ハリウッド映画の「カリフォルニア・ダウン」くらいになると逆に笑い飛ばせるけど…作品が醸し出す雰囲気もあり、巻き込まれる子供目線で見せた津波が、素直に怖いと感じた。

あと…やっぱり冒頭の津波シーンに関係するんだけど、あそこで犠牲になってしまう(すなわち、本筋で起きる怪現象の原因でもある)おかっぱ頭の女の子とかも…すげー昭和感が出てるよね。色褪せた写真からそのまま抜け出してきたような古風さ。その後、“幽霊”となって現代の子供たちを驚かす存在になったりしてからも、なかなか味があった。後半では、行方不明になった兄を想う妹ちゃんと共に、原因究明に乗り出す“文房具屋のおじさん”笑福亭松之助師匠の、子供がそのまま年老いちゃったみたいな芝居も良かった…2人のやり取りが微笑ましい。

シリーズ4作を見終わって、どれが一番好きか選べと言われると…ファンの贔屓目もあって、金子監督が手掛けた「学校の怪談3」を選びたくなってしまうんだけど、一番ホラー映画してるな、大人の鑑賞に堪えうるなって点では、迷わず「学校の怪談4」を推すだろう。1作目をリアルタイムで見てファンになった人は3作目、4作目の作風や路線の変更について行けない人もいるのだそうだが…そこが初期作品に思い入れのある人と、ほとんどが初めての鑑賞だったオイラと違う部分かも?続けて平山作品を見てたので、無性に「愛を乞う人」を見直したくなってる…。


監督:平山秀幸
出演:豊田眞唯 広瀬斗史輝 笑福亭松之助 原田美枝子 皆川優紀 坂井英人 竹島由夏 久保孝則


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