オンリー・ザ・ブレイブ(2017年) | 勝手に映画紹介!?

オンリー・ザ・ブレイブ(2017年)

オンリー・ザ・ブレイブ(2017年)

【鑑賞日:2018年6月22日】

今日は週一のシネプレックスの会員デーだったが…オイラの通ってる劇場では本日公開の「オンリー・ザ・ブレイブ」の上映がない。仕方がないので…辻堂の109シネマズ湘南まで遠征!ちょうどポイントが6ポイント貯まってたので、タダで鑑賞できた。森林火災、山火事を題材にした実話系ドラマ。“イキってる、サノス”こと、最近はヒーロー映画の敵役として引っ張りだこなジョシュ・ブローリンをはじめ、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・コネリー…チラシには名前が載ってなかったが、アンディ・マクダウェルまで出てる、オジサン的にはこれぞなオールスター感。

猛烈な勢いで山を焼き尽くす炎に対し…チェーンソーで切った木を使い、迎え火で消化にあたるのはアリゾナ州プレスコット市の森林消防隊員。その指揮官マーシュは長年の勘を働かせ、現場で炎の動きを見事に読む!しかし…現場の権限を持つ米国農務省のホットショットに“市レベルの隊員が口を挟むな!”と言われてしまう。その結果…火災は延焼、被害は拡大。何もできなかったマーシュは自分に憤り、自分たちもホットショットへ昇格したいという思いを募らせていく。そんな時、子供のために改心した元ヤク中のマクドナウが入隊を希望してきて…。

火事映画といえば、本作では目の敵にされている“建物火災”を扱った「バックドラフト」が有名であり、あとは同じ森林火災を描いた映画だと「ファイアーストーム」なんて作品もある。ミステリー、サスペンスの要素も濃い「バックドラフト」、消防隊員(スモークジャンパー)が脱獄囚と戦っちゃうアクション映画でもあった「ファイアーストーム」と比べると、実話ベース故に、訓練や縁の下の力持ち的な消火活動も多く…ちょっと地味目なんだけど…“目には目を、歯には歯を”じゃないが“火には火を”で自然の猛威と対峙する、数々のプロフェッショナルな技量は圧巻。

技術も経験も豊富、現場の地理なんかも一番把握してるんだけど…消防隊員の世界にも色々と階級みたいなものがりまして、エリートとの確執が、実際の現場で色々と問題に繋がっていく。日本の刑事ドラマに出てくるショカツと本庁の関係みたいなものってことですね。そんなくだらないことで、山火事の被害を防げないなんてと憂う主人公(指揮官)…どうしたらいいかと日々悩んでまして、それだったら、自分たちもエリートになるしかないと結論、お偉いさんに根回ししたりして、現場での権限を持つエリートへの昇格試験のチャンスをやっと得ることができる。

“己と仲間を信ずるべし”の精神を貫き…数々の偉業を達成していくが、その一方で“驕れる者久しからず”で痛いしっぺ返しを食らうことにもなる。消化のエキスパート、そして住民たちからも頼られ、愛されるヒーローなんだけれども…それぞれプライベートで問題を抱えてたりするのは当たり前だと。特に顕著に描かれるのがジョシュ・ブローリン演じる指揮官であり、仕事と家族のどっちが大事なんだという、大多数の人間にとっての普遍的な悩みで、嫁さんとの間にもしこりがあったりする。この指揮官と合わせ鏡のような存在なのが元ヤク中の新人隊員。

予定外に孕ませてしまったカノジョと、生まれてくる(生まれてきた)子供のために、まっとうな人間になろうと消防士を志願。周囲の“ヤク中に何ができる”という厳しい目を跳ね除け、一人前の消防士、男へと成長していく。お互いに感情をさらけだし、ぶつかり合い、そして和解…家族や隊員同士が熱い絆で結ばれていく人間ドラマなんかも感動的に描かれるわけなんだけど…裏を返すと、こういった一つ一つのエピソードが、みんな“フラグ”に見えてくるわけですよ。そこに待ってましたの新たな火災である…“ボヤだよ”なんて家族に言い残して出動していく…。

恥ずかしながら、元ネタになった火災についての知識がほとんどなかったので…クライマックスは、登場人物たちの行動に一喜一憂させられる。ホラ、やっぱりこの人のアレってフラグじゃない…って思いつつ、そっちかい!みたいな驚きと衝撃。地味なんて言ってゴメン、終わってみれば「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」級のリアルヒーロー映画でした。火災を扱った実話ベースということで、どちらかというと油田採掘施設の災害を描いた「バーニング・オーシャン」に近い?あの映画も被害を拡大させた企業側の人間の言動が凄く腹立たしかったじゃん?

俺達だったらできるという消防隊員たち本人の“驕り”も多少影響してたかもしれないが…この映画では何よりも、ヘボな“空中消火機”のパイロットが一番ダメだろうと。実際はあの人たちにも言い分があるのかもしれないけど…作品を振り返ってみると、他の所でも“同じようなヘボ”をしてまして…映画的にはまさに、あれが伏線だったのかと納得もするのでした。軽い気持ちで見るとかなりヘビー、火傷する内容…エンディングではどの俳優が、どのモデルになった人を演じてるのか再確認できるようにもなってるので、余計に色々な思いがこみあがってくる。


監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:ジョシュ・ブローリン マイルズ・テラー ジェームズ・バッジ・デール ジェフ・ブリッジス テイラー・キッチュ


【海外盤BDはリリース済みの模様】
Blu-ray Only the Brave [Import] ※日本語収録なし







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