フリー・ファイヤー(2016年) | 勝手に映画紹介!?

フリー・ファイヤー(2016年)

フリー・ファイヤー

WOWOWの“特集:壮絶ガンアクション”でエアチェックしておいた「フリー・ファイヤー」を鑑賞…剣呑な雰囲気が漂い、一色触発の“銃取引現場”で遂に銃撃戦が始まってしまうというアクション映画、犯罪映画。WOWOWの解説にも書かれてるんだけど、タランティーノの「レザボア・ドッグス」あたりを思い出させるワンシュチエーションものでもある。製作総指揮にマーティン・スコセッシがクレジットされているのが売りになっていて、アカデミー賞女優のブリー・ラーソンやクリストファー・ノーラン作品の常連俳優のキリアン・マーフィーなど出演者も意外と豪華だ。

チンピラのスティーヴォとバーニーは、IRAのクリス、フランクと合流。ジャスティンという美女の仲介で銃の取引を行うことになっていた。そこに取引相手のオード、実際に銃を持ち込んできた犯罪者のヴァーノンとマーティンなどが現れ、取引は順調に進む。しかし、クリスが注文したM16ではなく、別の銃AR70だったことから雰囲気がおかしくなる。なんとか交渉はまとまるも、今度は品物の受け渡し段階になり、ヴァーノンの手下のハリーとスティーヴォがトラブルを起こす。2人は、前夜に酒場でも揉め事を起こしていたのだ!やがて双方が銃を取り出し…。

「レザボア・ドッグス」ぽいっていうとちょっとかっこいいけど…まぁ、下手すると日本の低予算Vシネみたいにもなっちゃうわけで、そこは作り手のセンスが重要なところである。本作は、バラエティに富んだ役者陣の好演にも助けられ、うまくワンパターンを回避。っていうかね、めちゃめちゃかっこ悪くて、情なくて、泥臭い…お互いに罵り合って、泣き言を言いながら、銃を撃ちまくる“ダサダサの銃撃戦”を…もの凄くかっこよく見せるという不思議な映画です。ちょっと思い出したのは井筒和幸監督の「黄金を抱いて翔べ」で、北朝鮮工作員と撃ちあう妻夫木聡みたいな?

そんな撃ち合いを最初の取引シーン以外は、延々と1時間くらいやり続けているという(笑)BGMもほとんど鳴らず、でっかい廃工場の中に響き渡る銃声、そして地べたを這いずりまわる音が、なんともいえない臨場感を演出している。もうね、誰と誰が、何で戦ってるんだかわからなくなっちゃう。それは劇中の登場人物も同じなんだ。基本的には2グループの対立なんだけど、仲間割れも起きるし、謎の第三者もいるし…紅一点の女性キャラをめぐって、嫉妬なんかもうずまくわけで、グチャグチャドロドロ。敵の敵は味方?いったい誰が最後に生き残るのか?

普通はこの手の作品だと、早い段階で“脱落者”って出ると思うんだけど…意外とみんなしぶとい。満身創痍になりながらも、まだ生きとったかって(笑)結局最後は金かよっていう、単純な話には落ち着いたけどな。最終的に誰が…っていうのは、なんとなく予想通りでもある。廃墟でギャングと戦いながら、お宝の争奪戦を繰り広げるというと、ウォルター・ヒルの「トレスパス」なんかもちょっと思い出した。あちらは舞台の廃墟がもっと複雑な建物で、もっと派手な動きのあるアクションがいっぱいあったし、皮肉なオチなんかもちょっとニュアンスは違うんだけど…。

意外といい加減に銃を撃ちまくってるようで…そこは昔の香港映画と違い、ちゃんと弾がなくなり、弾をこめる様子なんかもキチンと見せている。むさ苦しい男連中の中に、やっぱり女子が1人紛れることで、場面も華やかになる…ブリー・ラーソンが色っぽく、より魅力的に見えた。争いのきっかけを作った男の1人、眼鏡をかけた長髪の男が、映画監督の岩井俊二に似てるなって思ったのはオイラだけか?もちろん別人ですが…。最初はどこかで見たような安っぽい内容だなって思ったけど、面白かったです。一見解りづらいけど70年代という設定もいい!


監督:ベン・ウィートリー
出演:シャールト・コプリー ブリー・ラーソン アーミー・ハマー キリアン・マーフィー ジャック・レイナー


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