さくや 妖怪伝(2000年) | 勝手に映画紹介!?

さくや 妖怪伝(2000年)

さくや妖怪伝

4月から始まってる今期の新作テレビドラマ、アニメも…放送開始からだいたい1か月ちょっと経ちまして、だいぶ“途中で挫折”したものが増えてきたオイラ。そんな中、毎週欠かさず見ている作品の一つが「シン・ゴジラ」の監督、樋口真嗣さんが久しぶりにテレビアニメの“総監督”として携わってる「ひそねとまそたん」…通称“ひそまそ”、これがめっちゃ面白い。メカニックデザインを「マクロス」の河森正治さんが担当してるんだけど…同時期に放送してる河森さん総監督の「重神機パンドーラ」よりもおもしれーじゃねーか(パンドーラ、けっこう本命だったのに)。

まぁ、“ひそまそ”はまだ放送途中の作品だし…今後また“色々と語りたくなる”ことがあるかもしれないけど、ひとまず横に置いておいて、なんとなくですけど、樋口さんの過去の足跡をたどって見たくなったので、色々とコレクションを物色。ここで平成ガメラシリーズとか見直すのはちょっと安直だなと思いまして、一ひねり…そうだ樋口さんが特技監督として参加している、 原口智生監督の「さくや 妖怪伝」を再鑑賞しようと、久しぶりにDVDを引っ張り出してきた。まだ「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 」公開の興奮が収まらなかった翌年に作られている特撮時代劇。

宝永四年…霊峰・富士の噴火と共に、封印されていた悪しき妖怪たちが地上にあふれ出す!一方、使うたびに自分の命を削る妖刀・村正で、妖怪退治を行ってきた妖怪討伐士・榊備前守芳明がついに力尽き、その一人娘・咲夜が後継者に選ばれた。父・芳明から村正も引き継いだ咲夜は、幕府大老・井伊掃部頭真興の命を受け怪異の元凶を探る旅に出発することに。その旅には、咲夜が自分の弟として育てている河童の太郎、そして忍の似鳥周造と猿鬼兵衛が同行することに。途中、妖怪と戦いながら、遂に妖怪の首魁である土蜘蛛の女王が現れる!

初見は劇場公開前の試写会だった…まぁ、平成ガメラ3部作を見た後だったので、期待が大きく、ぶっちゃけ“あれ?”って思うところも少なくなかったんだけど…特撮映画としては迫力あるビジュアルを堪能できた。妖怪映画といえば、松竹映画が有名であり、本作でも制作協力で“松竹京都映画”がクレジットされていたりするんだけど、その松竹のトレードマークでもある“富士山”がドカーンと大噴火して、中から妖怪が飛び出してくるというのっけからやたらと刺激的で意味深な幕開け…と、当時の映画秘宝あたりでも評価してまして、実際にその通りだった。

特撮に関しては、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 」同様、今見ても古臭くない…特に、クライマックス、紅白に出てた頃の小林幸子のように、ド派手に降臨する妖艶な松坂慶子が、急に巨大化して主人公たちを襲う。そう、近日公開…オイラも試写会で見てきたばかりの「ランペイジ 巨獣大乱闘」と同じ巨大化です!いや、もう…ラスボスが巨大化した松坂慶子って、最強だろ。それにしても、原口監督って“河童”好きなんだな…後に「デスカッパ」なんて映画も撮ったくらいだし。この“河童”を演じた子役が、なんとなく「妖怪大戦争」の時の神木隆之介に似てる。

ヒロイン、安藤希の演技や殺陣はちょっと拙いが、黙って立ってるだけだったら、キリっとした表情やたたずまいは作風にあってると思う。最初の方にちょろっと出てくるだけだが、藤岡弘や丹波哲郎御大のおかげで、映画としての風格は感じられる。「シン・ゴジラ」あたりとは対照的に、エキセントリックな演技を見せてくれるこの頃の塚本晋也もやっぱり巧い。テッパンな川井憲次さんの劇伴、ノスタルジーを感じる松坂慶子の劇中歌、破壊力ある歌声の千秋(chiaki名義)によるED曲と、音楽も悪くない。ストーリーさえ我慢すれば、特撮以外にも見どころがある。

今現在、ブルーレイは出てないんですよね、この作品。こういう作品こそ、ブルーレイの高画質で見直したら、けっこう良さげじゃない?DVDをリリースしていたワーナーから、今、出せるかどうかはわからないけど、ぜひブルーレイ化をお願いしたい。自分が所持しているのは本編と予告編だけの通常版DVDなんだけど、当時はメイキングなどが収録された特典ディスクが付く特別版も同時リリースされていた。ぜひ、その特典なんかも1枚のディスクに収録し、定価1500円くらいでブルーレイを出してくれるとありがたいです、ワーナーさん、マジおねがいします!


監督:原口智生 特技監督:樋口真嗣
出演:安藤希 山内秀一 松坂慶子 嶋田久作 逆木圭一郎 黒田勇樹 丹波哲郎 藤岡弘 塚本晋也


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