サマー・ヴェンデッタ(2016年)

WOWOWの“特集:激震サディスティックホラー”でエアチェックしておいた「サマー・ヴェンデッタ」を鑑賞…フィンランドで実際に起きた“ボドム湖殺人事件”という、ググると直ぐに詳細な内容が書かれたWikipediaにたどり着くほど、その筋では有名な未解決事件を題材にしたシュチエーションホラーとのこと。WOWOWの情報によると製作国は事件があったフィンランドとエストニアの合作になってました。当然、出ている役者は知らない人ばかり…過去に事件があったのと同じ場所に足を踏み入れた若い男女4人が、再び惨劇に見舞われる…といった感じの話。
女子高校生イーダは、とある理由で引きこもり生活を続けていたのだが、親友ノーラの誘いで外出を決意する。厳格な父親は強く反対するのだが、母親が意見してくれたおかげで、外出の許可がおりる。一方、イーダと同じ学校に通う男子生徒のアッテとエリアスは、イーラとノーラをボドム湖へキャンプに連れ出す計画を立てる。特にアッテは過去にボドム湖で起きた未解決事件の真相を探ろうとしており、本来の目的をイーダとノーラに伝えていなかった。アッテは事件を再現するため、惨劇の現場にテントを設置、段々と夜が更けていくのだが…。
メインの登場人物は高校生の男女4人…カップルではなさそうで、みんなそれぞれ訳ありな感じ。メイン主人公のイーダは“根暗っぽい少女”で、その友達ノーラは“ビッチ臭が漂い”、現にイーダの父親が“淫乱娘”扱いして毛嫌いしている。一緒に行動する男子生徒の方は、見た目は“女のような”事件オタクのアッテ、そしてヤンキー風チャラ男のエリアス。最初の印象では…見るからに尻軽そうなノーラをエリアスが狙っていて、他の2人は”自分の世界”に浸ってるのかなといった印象だったのだが…それらはあくまでビジュアルからの先入観にすぎない。
途中まではなんとなく予想通りの“カップル分け”…イーダとアッテ、ノーラとエリアスが一緒に行動するようなシーンが多い。でもって、ここで“殺人鬼”に襲われるとしたら、“薬”か“セックス”絡みだろうなって思うじゃない?でも…第一の被害者はお前かよ!みたいな、意外とビックリ。その後も、コイツが告るのはこっちなの?みたいな展開があったり…登場人物が少ないながらも「スクリーム」シリーズばりの“意外性”が随所に感じられる。そしていきなり回想シーンが挟まり、惨劇の裏に隠された人間関係、イーダが抱えていた問題の正体なども明かされていく。
きっと、現代で起きた新たな事件を描くことで…本当の“ボドム湖殺人事件”の裏にも、そういう動機が隠されていたのではないかという仮説の定義をしたいのかななんて思いながら…惨劇の行きつく先を見届けようと思っていたら、さらにビックリな展開がまっていると。結果的に、作り手が“事件の真相に迫る新たな仮説”を立てたというよりは…やっぱり“事件は謎のまま”という落としどころになってしまったのが少々残念。途中まで大胆に攻めていたので…仮説で構わないので、真犯人や真相の決め手となるものを打ち出すべきだったんではないかと思うよね。
ただ、ホラー映画としての見せ場はきっちりとありまして…アクション映画顔負けの車を使ったド派手な演出も楽しめる。尺が85分しかないので、作品の印象が目まぐるしくコロコロと変わる。B級と割り切って見れば、けっこう楽しめるんじゃないかな?夜の湖で、服を脱いで身体を拭くヒロインのイーダちゃんの真っ白い背中がなかなかセクシーでそそります。案の定、他の男性キャラがそれを覗き見してたり…。後半で判明する“ある人物”がそういう感情を抱くのも納得…暗くて、地味に見えたイーダちゃん、ジワリジワリと魅力を増していくのも重要な要素か?
監督:タネリ・ムストネン
出演:ネリー・ハースト=ジー ミモサ・ヴィッラモ ミカエル・ガブリエル サンテリ・ヘリンヘイモ・マンティラ
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DVD サマー・ヴェンデッタ