神の手 血塗られた儀式(2016年) | 勝手に映画紹介!?

神の手 血塗られた儀式(2016年)

神の手 血塗られた儀式

劇場未公開の新作をソフトリリース前にオンエアするWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックした「神の手 血塗られた儀式(原題:Vilsen 英題:Ave Mater)」を鑑賞…カルト教団が何らかの儀式のために続けている連続殺人に、刑事たちと情報提供者の女性が挑むスウェーデン製のサスペンスミステリー。本作も「ドラゴン・タトゥーの女」以降、日本で需要が高まっている北欧ミステリーの一つと捉えて問題ないだろう。日本版ソフトのリリース日は未定、本国でソフト化されている可能性もありますが、輸入盤も発見できず。日本ではサントラなら入手可能です。

プライベートでは家庭のトラブルを抱えている刑事のヨーランだが、仕事でも難事件にぶつかっていた。それは、女性が立て続けに殺されるという事件なのだが、遺体には“儀式めいた痕跡”が残されていて、背中には謎の記号が彫られ、手は釘で地面に打ち付けらるという共通点があった。連続猟奇殺人として捜査を行うことになったが、手掛かりが全くなく途方に暮れる。そんな時、ガブリエラと名乗る女が警察署にやって来て、“神の手”というカルト教団が事件に関わっていると仄めかす。ヨーランは反対するが、同僚たちは彼女に捜査の協力を求め…。

冒頭、幼い少女の目の前で…父親が男たちに連れ去られるシーンが描かれるが、意味が理解できるのは後半になってから。この少女が大人(約40年後)になって警察に殺人事件の情報を提供することになる謎の女だ。本編で事件が発覚する前から、この謎の女は奇妙な行動をとっており…なんだか怪しい。事件発覚後(物語が始まった時には既に1件目は起きた後)の刑事たちの捜査会議の場でも…“犯人は男だと断定できない”という議論がされている。そんな連続猟奇殺人を追う刑事たちのリーダー格がどうやら主人公、童顔ぽっちゃり系のオッサン。

このオッサンは家庭でもトラブルを抱えていて大変…仕事優先で家庭を顧みなかったらしく、嫁や息子と別居中…いや、息子はたまに父親の家にも遊びに来る感じかな。ついでに、自分が警官を志すきっかけでもあったらしい、元警官の父親の死期が迫っていて…精神的に弱っていると。そんな刑事たちの前に、情報があるよと乗り込んでくる前述の謎の女…自称・牧師。その女が言うには犯行はカルト教団の仕業だと。主人公はその情報に否定的なんだけど、別の同僚刑事の中には肯定する意見もあり、それどころか捜査を手伝わせようという動きもある。

一緒に別の情報提供者のもとへ出かけて行ったりするんだけど…そこで女が“不審な行動”をして、やっぱり犯人なのでは?なんて疑われ、姿をくらます。刑事たちはようやく突破口のような“情報”を見つけ…次の犠牲者の検討をつけるも、犯人が先回りしていた!犯行直後の犯人と鉢合わせするがかなり強い!仮面を被っていて正体は見えず、おまけに…どうやら複数犯らしいとなる。どうやら自称・牧師の謎の女が言う通り…カルト教団全体が犯行に関わっているようだ。メンバーがどれくらいいるのかなっていうのも真相を読み解く重要な要素かもね。

刑事たちの前から姿を消した自称・牧師の謎の女が…もう一度接触してきて、なんとか事件の全体像が見えてくる。一方、家庭の問題で悩んでいた主人公は、いつの間にか“目をつけていた”息子の担任である女教師を口説きに掛かるが…一緒にいる時に“カルト教団”に狙われてしまう。その後…日食になったのを合図に、“カルト教団”が儀式の仕上げにかかり、街全体が“どえらい”自体になっていく。カルト教団側の実行犯が“複数いる”とわかった時点で…視聴者的にはアイツとアイツもやっぱ怪しいなという、容疑者の絞り込みが自然にできるだろう。

もちろん、劇中の警察はそこまで“賢くない”わけで(笑)いよいよ、主人公刑事を含む警察側と、カルト教団の直接対決になだれこむクライマックス…実はですね、WOWOWの解説をしっかり読むと本作が“ホラー”であるという記述もあり、かなりオカルティックな展開になる。このあたりで、好みがわかれてしまうんではないかという感じがしないでもないが…。クライマックス以外にも、“不可思議な現象”が起きていたけれども、幻覚とか気のせい的な解釈、はたまた何らかのトリックじゃないかとも疑っていたが、それらもそのまま受け止めていいみたいね。

犯人当てのような要素もあったけど、最終的には警察がカルト教団の“怪しげな儀式”を食い止められるかどうか…そこが見どころになっていく感じだったかな?北欧ミステリーらしいドライさと、猟奇的な雰囲気はまずまず。リアルテイストな作品が好きな人は、オカルト要素がノレるかどうかだよね。実際にモンスターが出てきちゃうとか、そこまではいってないので…ギリな感じだと思いますよ。予想外に“お色気”もちゃんとあったし(どの部分で出てくるかは、今までのオイラの感想でだいたい想像つくと思います)…約2時間の尺も退屈しないで楽しめたよ。


監督:ラスムス・ティルジティス
出演:ヨーラン・シェーグレン アレクサンドラ・ツェッテルベリ クリスティアン・キネル マルガレッタ・ストランド


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Ave Mater (Original Motion Picture Soundtrack)





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