バーン・カントリー(2016年) | 勝手に映画紹介!?

バーン・カントリー(2016年)

バーン・カントリー

劇場未公開の作品をソフトリリース前にオンエアするWOWOWのジャパンプレミアにてエアチェックしておいた「バーン・カントリー(原題:Burn Country)」を鑑賞…アフガンから米国に亡命、カリフォルニアの田舎町にやって来た青年が、町に溶け込もうと必死になる姿を、ひょんなことから関わってしまった“殺人事件”の謎解きと共に描き出すミステリー。見る前から、地味っぽい印象が漂っていたのだが、日本の映画ファン的にはサム・ライミ版の「スパイダーマン」シリーズで、ハリー・オズボーンを演じていたジェームズ・フランコが出ている点に注目か?

アフガニスタンで戦場記者だったオスマンがアメリカに亡命…戦場で知り合ったアメリカ人記者ゲイブの仲介で、彼の生まれ故郷であるカリフォルニアの田舎町にやって来た。そこで保安官をしているゲイブの母親グロリアの家に居候することになった。自分の経歴を活かし、仕事も簡単に紹介してもらえると思ていたが…見つかったのは、週給50ドルの“警察の事件簿”という地元の小さな新聞社の退屈な仕事だった。知り合ったばかりの友人リンジーから地元の裏社会について話を聞くオスマン…その直後、殺人事件が発生し、容疑者のリンジーが失踪する!

冒頭、女の人が、カメラに向かって“得体のしれない言葉”を怒鳴り散らしている場面からスタート…何を見させられてるんだという気分になる。アメリカ映画なので、それ以外の言葉は特に日本語には翻訳されていない。後に、それは舞台で演じられている、全編ポーランド語の演劇だったことが判明。異国の地、それも想像以上に田舎にやって来たばかりのアフガニスタン人の主人公が、世話になる居候先のおばちゃんに、連れられてきたということみたいだ。最初は意味不明だったけど、なるほど主人公が味わう異質感にシンクロさせたいという演出だったか。

都会から田舎町にやって来て、その町の風習やタブーに接しながら、徐々に馴染んでいくというようなパターンの話は、アメリカ映画ではよく見かける。それがミステリーになると、事件解決の妨げになると。この作品では、さらにアメリカ人とアフガニスタン人という壁も乗り越えていかなければならないというのが、独自の設定だろう。嫌がらせを受けたり、逆に親身になって接してくれる人がいたり…その中で、些細なトラブルがきっかけで、友人になる人物なんかもいるんだけど、そのせい今度は殺人事件に関わり、記者の性で真相を究明したくなるという…。

力になってくれる人たちからも、遠回しに、時にはストレートに“事件を調べるな、関わるな”と忠告を受ける主人公。でも、根が真面目なので…どうしても真相を突き止めたい。そのうちに、自分が襲われ、そして人を殺めそうにもなってしまい…。タイプ的にはけっこう好きなジャンルだと思う…例えばアメリカ南部の黒人差別なんかを絡めた「真夜中のサバナ」とか、「エレクトリック・ミスト 霧の捜査線」なんかにわりと語り口は似てると思うんだよ。その土地ならではのドロロとした人間関係がミステリアスな雰囲気を演出し、さらに本作では国籍の違いもあるわけだし。

なんだけど、せかっくこんな素晴らしいアイデアがあるのに…そういうところがあまり活かされてないので、ミステリー、サスペンスとしての盛り上がり今一つであり、事件の真相についても、別に驚きがあるものでもなかったから、肩透かしに終わる。田舎の風習なんて、ただでさえよく理解できないのに、外国人だったらなおさらだったという…ただそれだけのお話ですもんね(笑)ジェームズ・フランコは主人公が知り合い、後に容疑者として失踪する男を演じてるんだけど、見てくれが汚らしく、ガサツな役柄だったので、一瞬、誰だかわからなかった…イケメン台無し。


監督:イアン・オールズ
出演:ドミニク・レインズ ジェームズ・フランコ メリッサ・レオ ジェームズ・オリヴァー・ウィートリー


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