スキャナー 記憶のカケラをよむ男(2016年) | 勝手に映画紹介!?

スキャナー 記憶のカケラをよむ男(2016年)

スキャナー 記憶のカケラをよむ男

WOWOWでエアチェックした「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」を鑑賞…敬愛する金子修介監督の久しぶりに公開規模が大きい作品だったので、劇場に行く気満々だったんだけど、公開直後にサイゾー系の記事で“大コケ…初日から観客4人”なんて書かれているのを目にしてしまい、テンションガタ落ち。そのうちWOWOWでやるだろうと…結局、見に行かなかった。今年に入ってブックオフでノベライズ小説を108円でGET…そちらを先に読んでいたので、犯人わかっちゃってるんだけど、あのツッコミ満載な話を金子監督がどう料理したかは興味があった。

ピアノのコンクールを控えた女子高生の秋山亜美は、長年慕ってきたピアノ教師・沢村雪絵が謎の失踪を遂げたことでショックを受けており、彼女の行方をなんとか探し出そうと、藁にも縋る気持ちで、お笑い芸人・丸山竜司を訪ねる。丸山はかつて、仙石和彦という男とコンビを組んでおり、仙谷が持つ、残留思念を読み取る“スキャニング”という特殊能力を使ってネタを披露していたのだが、結局…コンビは解散してしまった。亜美はその仙谷の能力を借りたいというのだ。しかし、当の仙谷はいつも自宅マンションに閉じこもっていて丸山とも会おうとせず…。

先に読んでいた小説版とほぼ一緒の内容(原作ではなく、ノベライズなので当然か)…多少は小説の方が描写が丁寧だったので、映像だけでは伝わってきづらい情報(主人公が見ず知らずの人の落とし物を拾って届けてるとか)も、すぐに理解して見ることができたかなと。ぶっちゃけ中身は中年オヤジ版“サイコメトラーEIJI”でして、先述のサイゾー系ネット記事にもズバリ書かれてたけど“安っぽい2時間ドラマ”状態なのは確か…自分も小説を読んだ時に、“子供だまし”だって思ったんだけど…そこに野村萬斎の大仰な芝居が加わるとさらにチープになる。

萬斎さん…こんなに現代劇が似合わないとは思わなかった(笑)独特の雰囲気ありすぎちゃって、1人浮きまくり。まったく似合っていないカツラ姿で挑んだ宮迫とのコントシーンなんかは、笑っていいのか、気持ち悪いのか…う~ん、明らかに後者の方だな。だからといっちゃなんだが…いつもは臭くて(臭い芝居)、むさ苦しいだけの宮迫の演技が逆に自然に見えてくるという摩訶不思議な作用が!今となっては、“シン・ゴジラ”の中の人が「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」の監督の作品に出ていたという運命的な偶然だけが救いだったりもする。

ただ、まぁ…腐っても金子修介作品である。従来作品通り…女優のチョイスはなかなかいいところをついている。始まって直ぐに“襲われ、拉致られ、行方不明”になってしまうピアノ教師を演じた木村文乃が…出番は少ないんだけど、ここぞというところでは印象的に登場し、なかなか艶っぽい演技をしてくれる。特に残留思念になって萬斎さんに語り掛けるような場面では…短い時間ながら、文乃たんとバーチャルデートを楽しんでいるようでもあった。それこそ映画の公開当時はまだ独身だったけど、人妻になってしまった今だと余計に妄想力も高まる(笑)

そうそう、この映画…“今となっては”とか“今だからこそ”っていう見せ場が意外とたくさんあったんだよね。他にも…主人公たちに人探しを依頼してくるヒロインが、今年の日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞した杉崎花(ちなみに本作はアカデミー賞なんかにかすりもしてない)だったのもタイムリー。また、タレント事務所の社長を演じた高畑淳子が記者会見を開くシーンがあるが、映画公開の約4か月後に“息子の暴行事件で謝罪会見”を実際に開いており…すげ~現実を予見してたじゃんとなる。こういう見方をすると、この作品も楽しめるのでは?


監督:金子修介
出演:野村萬斎 宮迫博之 安田章大 杉咲花 木村文乃 ちすん 風間杜夫 高畑淳子 嶋田久作


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