誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇(2016年) | 勝手に映画紹介!?

誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇(2016年)

誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇

WOWOWで録画したビーバップの一挙放送の残りをイッキ見しようと思ったんだけど…その前に、昨晩、フジテレビで放送されたドラマ「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」を見てしまうことに。なんで今頃?ってくらい…最近は昔よく読んだ推理作家、本格推理小説の映像化が続く。思いつくだけでも森博嗣、島田荘司、有栖川有栖などなど。そして今度は法月綸太郎!たぶんだけど…映像化って初めてなんじゃないかな?今回の原作も、本格ブーム真っ只中だった学生時代に読んでいるが、20年以上前の話なので内容はほとんど忘れていた。

ある日、住宅街で誘拐事件が発生!犯人は不動産会社常務・山倉史朗の妻・和美宛てに“息子を預かった”という連絡をしてきたのだが、息子の隆史は学校を休んでおり、在宅していた。やがて、隆史の友人である冨沢茂が間違えて誘拐された可能性が。山倉も身代金を用立てたり、犯人の指示通りに受け渡し役を引き受けたりすが…結局、取引は失敗し、茂の死体が発見される。誤認誘拐の線で捜査が進むなか、三浦靖史という男が容疑者として浮上。しかしその三浦には強固なアリバイが!それを証明するのは推理作家の法月綸太郎だという…。

原作の詳細な内容を覚えていないのだが、きっと原作に忠実なんだろうなぁ~…なんせ主人公が画面に登場するまでに35分以上かかっているという。まずは、事件の発端である誘拐事件、身代金の受け渡しの様子などが詳細に描かれる。通常の金曜プレミアム枠よりも放送時間が30分多いのも納得だ。普通の2時間ドラマの推理モノだったら、この辺はもっとダイジェストっぽい扱いでも構わないと思うんだけどね。ややテンポの悪さを感じるものの…最後まで見ると、関係者たちの人間ドラマを語る上では欠かせない流れであったというのは理解できる。

そんなわけで…本当の主人公であるはずの、法月綸太郎の印象がちょっと薄くなってしまったかなと。ただでさえ、出番が少ないのに、渡辺えり扮する法月家の家政婦さんがインパクトが強すぎて、さらに影が薄くなる綸太郎。最高だったな、あの家政婦さん…有名刑事ドラマやミステリードラマの主人公たちの名セリフを引用して、やる気のない綸太郎を鼓舞するんだけど、「相棒」や「名探偵コナン」(他局作品)まで飛び出す始末。さすがにこれは原作にはないと思う…ってか、原作が発表された頃に、まだ「相棒」の放送は始まってなかったしな(笑)

また、トリックなどもスマホを使ったりしていたが…原作発表当時には、当然、スマホなんてなかったわけで、全然別のトリックだったはずだ。トリック自体は特に不自然なものはないんだけれども、あんな単純な仕掛けも見破れない、警察にはちょっと疑問が残る。一介の推理作家が指摘する前に、鑑識さんが気づいているだろうし。まぁ、それを言い出したら…推理小説、ミステリードラマを楽しめないのは重々承知だけどね。どうせだったら、年代を原作に近づけるという演出方法もあるよね。これからは、古典作品の映像化ってその方が成立しやすいんじゃ?

でも、描かれている内容も含め、やっぱり懐かしさはあるよね…それこそ新本格ブームの頃の定番、原作者の名前(ペンネーム)と劇中探偵の名前が一緒って、これがいいんだ。自然と主人公は作家が自分を投影したものなんだろうなぁって思って、本に載ってる作者の近影写真を見ながら、キャラクターをイメージするのに役立てたりしたのを懐かしく思う。ちなみに、ホンモノの法月センセイと、長谷川博己はあまり似てませんね(笑)確か、シリーズ続編で「二の悲劇」って小説があったような?ぜひ、ドラマの方も続編をお願いします、フジテレビさん。


演出:永山耕三
出演:長谷川博己 伊原剛志 富田靖子 矢田亜希子 波岡一喜 モロ師岡 中尾彬 渡辺えり 奥田瑛二


【原作小説はこちら】
一の悲劇 (ノン・ポシェット)







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