花のあすか組!(1988年) | 勝手に映画紹介!?

花のあすか組!(1988年)

花のあすか組!

80~90年代を中心とした懐かしい邦画をチョイスして放送するWOWOWの私を“映画”に連れてってという特集にてエアチェックした「花のあすか組! 」を鑑賞…TVドラマにもなった同名の人気スケ番(という言葉自体が死語?)漫画が原作なのだが、原作やドラマとはまったく異なる設定で当時は色々と物議をかもした。原作もドラマも読んでない、見てなかったオイラなんかは…角川の物量作戦で宣伝していたこの映画の方が印象に残っていたりするんだけど…ちゃんと全編を見たことはなかったので、つみきみほが出ているというのを覚えている程度だった。

199X年、ニュー・カブキタウンはトキ率いるストリートギャング“レッドノーズ”に牛耳られ、治安当局“PB-4”はそれを野放しにしていた。ある日、謎の少女あすかと友人のミコが、“PB-4”から金を、“レッドノーズ”からドラッグを奪い去るという事件が起きた!そのせいで両者の均衡が崩れてしまい…共存関係にあった女帝HIBARIの逆鱗に触れる!実はあすかも元々はHIBARIの組織に属していたのだ。HIBARIは部下のヨーコにあすかの討伐を命じるのだが…ヨーコもまたあすかを利用しHIBARIを倒して女帝の座を奪おうと画策していた!

WOWOWの解説を流用すると…「ストリート・オブ・ファイヤー」に影響を受けたらしい。見た瞬間にそれはなんとなくわかったわ。それから原作とは異なる近未来設定(原作や他の映像作品は普通に現代社会を舞台にしたスケ番もの…男性コミックでいうところのヤンキーものだった)というのも…今見ると「AKIRA」あたりを意識してるんではなかろうかと思ってしまう。ボーイッシュなつみきみほが、赤いジャンパーを着て小気味好く動き回る様は…まるで「AKIRA」の金田みたいだった。調べてみると映画の「AKIRA」と公開は1か月違いで、こちらの方が遅い。

正直、ごちゃごちゃしすぎた内容で、今だと笑っちゃう描写も少なくはないんだけど…女性主人公によるアクション映画としては充分に迫力がある。そういえば6、7年前に原作コミックを再映像化した「花のあすか組 NEO!」という作品をレンタルで見たんだけど…そちらは今風の可愛らしい女の子がたくさん出ていて、ビジュアルはそこそこだったんだけど、主役も含めてどの女の子もアクションがみんなへっぴり腰で、スケ番ものの迫力がまったく感じられなかった。そういう点では…つみきみほのキレのある動き、立ち振る舞いなんかは素晴らしかったなぁと。

これまたWOWOWの解説からなんだけど…「帝都物語」のセットを拝借したという近未来のビジュアルもなかなか雰囲気が良く、大人数での乱闘を見せるモブシーンなどと相まって当時の角川映画らしいダイナミズムは味わえる。主題歌にザ・ローリング・ストーンズ使うのだって、使用料とかハンパなかっただろうに、やっぱ角川春樹のやることはスケールがでかい。ちなみにこの頃の角川映画といえば二本立て興行がお約束…劇場での同時上映は宮沢りえの「ぼくらの七日間戦争」だった。WOWOWの放送もそれを再現して一緒に放送したら良かったのに。


監督:崔洋一
出演:つみきみほ 武田久美子 松田洋治 菊地陽子 加藤善博 石橋保 美加理


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