ワイルド・ルーザー(2013年)
WOWOWでエアチェックしておいた「ワイルド・ルーザー」を鑑賞…明らかに「ワイルド・スピード」を意識、あやかった邦題をつけているスペイン産のカーアクション映画。一瞬、“ワイルド・レーサー”かなと思ったら“ルーザー”だったのね。なんとなく語呂はいいけれども、直訳すると“荒々しい敗者”、負け犬なのに威張ってるって事か?(笑)スペイン映画なのに、セリフは全て英語…シンクロあってないし(口パクがずれている)、もしかしたらオリジナルのスペイン語版もあるのかもね?(あくまで憶測)日本でリリースされているソフトも音声は英語ということでした。
恋人同士で押し込み強盗を働くアリとナバス…まずアリがターゲットの男を籠絡し、相手の家に上がり込んだところで、仲間を手引きして襲うという手口だ。そしてアリたちが次に狙うのは宝石店…オーナー女性と婚約中のミケルに近づき、宝石店の金庫を襲う計画だ。いつも通りに、アリはミケルに接近するのだが、元レーサーでイケメンのミケルに魅了されてしまい、ナバスに内緒で関係を持ってしまう。一方のミケルも、謎めいたアリに惹かれていくのだが…アリが犯罪者の仲間だという真実を知る!ナバスはそんなミケルを悪事に巻き込もうとし…。
「ワイルド・スピード」が、後に義理の兄弟となる男の友情を描いた話なのに対し、本作は同じ女を奪い合う“なんとか兄弟”の話である…ヒロインの名前、アリじゃなくてアナ(穴)だったら笑えたのにな。つーか、ヒロインが単にヤリマンだったってだけの話なんじゃねーか?情熱的なイメージが強いスペイン映画らしく、ヒロインの脱ぎっぷりはなかなかのもので、ボカシ修正入りまくりの濡れ場も、しっかりとカーアクションの合間に“挿入”されております…。確かに、ねーちゃん綺麗だったけどな、性格はあまりよろしくないかなと、共感できず。
悪党たちにターゲットにされた元レーサー…現在は宝石店の店員で、死んだ親から店や遺産を継いだ女性オーナーと婚約中。この女オーナーが…金を持ってなきゃ、魅力も何もない、貧相な老け顔の女でして、婚約者が他の女になびいてしまう、寝取られるのも当たり前かなってタイプの女だった。ただね、男に逃げられただけではなく、犯罪者の女と懇ろになった相手から、最終的にとんでもない仕打ちに遭うという、なかなかの悲惨ぶり。劇中に“ルーザー=敗者”が何人も出てきたけれども、この女が一番惨めだったなぁって、けっこう可哀想になってきたよ。
結局最後は、自分勝手な男女が、自分たちだけ幸せになって終わりという…どうでもいい展開。男も女も顔と金だなという現実だけを思い知らされて、内容に反して、そんなに爽快感のある作品ではなかった。イケメン籠絡中に、過去に騙した男に見つかって車で追いかけられたり、ストリートレース中に警察が現れたりして、車オンチのオイラが見ても高そうだなぁって思う高級車を使ったカーアクションが披露されるが、ほとんど007化している「ワイルド・スピード」最新作を見た後ではなんとなく物足りなさも感じる…やっぱりアクションより濡れ場な作品か?
監督:ダニエル・カルパルソロ
出演:アレックス・ゴンサレス アドリアーナ・ウガルテ アルベルト・アンマン マリア・カストロ
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