煙霞-Gold Rush-(2015年) | 勝手に映画紹介!?

煙霞-Gold Rush-(2015年)

連続ドラマW 煙霞-Gold Rush-

毎週、追いかけていたWOWOWの連続ドラマW…「煙霞-Gold Rush-」が最終回を迎える…全4話。人気作家、黒川博行の「煙霞」を関西人キャスト、関西ロケで実写化したものだが、原作は未読。そういえば、昨年、直木賞を受賞してから映像化が続いてますね黒川博行…BSスカパーでも直木賞受賞作品の「破門」が映像化されたばかり。「破門」の方もちょうどBSスカパーのお試し視聴期間がギリギリ残っていたので、全部録画してあるんだけどまだ見てないのよ(放送終わってから3か月くらい経ってるけど)…この機会にあっちも見ちゃおうかな?

熊谷透は過去に事業に失敗し、借金を抱えているが…現在は晴峰女子高校の美術講師として働いていた。ある日、同僚の体育講師・小山田から理事長の酒井が、学園を私物化し、不正に利益を得ているという話を聞き、一緒に理事長を糾弾し、それと引き換えに自分たちが正職員として採用されるよう念書を書かせようと誘われる。熊谷はあまりのる気ではなかったのだが、音楽講師の正木菜穂子と一緒に、強引に計画に参加させられる。計画はうまくいきかけていたのだが、小山田の態度が腑に落ちない熊谷…小山田は何かを隠しているようで…。

低賃金で働かされている非常勤講師3人組が、悪徳理事長を脅して…正職員にしてもらう=賃上げを要求しようっていう話だったんだけれども…実は、その話を持ち掛けてきた体育講師が、裏でヤクザな連中と繋がっていて、本当は理事長から大金を巻き上げる算段をしていた。ひょんなことから理事長の誘拐事件に巻き込まれてしまった2人…当初の話では数千万の金を理事長に払わせるって事だったんだけど、いつの間にか4億円の金塊の争奪戦に発展!腹に一物ありそうな連中の騙し、騙されのコンゲームに翻弄されながら、講師2人が真相に迫る。

とにかく巻き込まれてしまった2人、主人公の男性美術講師と女性音楽講師の恋人未満な関係の…丁々発止なやり取りが小気味よい。ミステリー好きの音楽講師が、自分たちの行動を十津川警部と亀さんの関係に譬え、次第に十津川警部という言葉が相手を称賛する時の誉め言葉になっていくのがなかなか愉快だった。美術講師の方は、最初から計画にのる気じゃなかったなど、どちらかというと消極的な思考の持ち主。で、音楽講師のねーちゃんの方はその場のノリでイケイケな感じで、ちょうどいいバランス具合といった印象だった。

ただ、普段はボケっとしてるんだけれども(長髪で髭面の風貌もなんだか汚らしい)…要所要所で鋭い観察眼や推理力を発揮する美術講師、森山未來のやる時はやるヤツな演技が抜群に巧くて、だんだんかっこよく見えてくるんだよね。そして音楽講師を演じた高畑充希もすこぶる魅力的で可愛らしかった。ガサツだし、行動もハチャメチャなんだけど…あの関西弁のトーンがとにかく憎めない雰囲気を醸し出してるんだよな。ぶっちゃけ、オイラは煙草を吸うねーちゃんがあまり好きじゃないけど、菜穂ちゃんの喫煙シーンは様になってて良かった!

ストーリーの方も、ボケ・ツッコミな独特な緩さもありつつ…決してテンポがくずれるわけではなく、主人公たちがピンチに陥るスリリングな展開に、二転三転する意外性もありと…最後の最後まで飽きないで見ることができた。この文章の冒頭で書いた、黒川博行のもう一つの映像化作品「破門」の方は、まだ前半しか見終わってないんだけれども…あっちに比べると、見やすさもあったかな?「破門」の方は、専門用語も多かったり、登場人物も多く、人物相関がやたらと複雑だった。それはそれで、ディープな面白さに繋がってはいたけどね…全然タイプは違う。

まぁ、「破門」は全部見終わってないので、あまり偉そうなことは語れないんですけどね…あくまで途中まで見たものとの比較、感想です。そうだ、「破門」って、北村一輝のアクションが凄かったけど…本作の方は、そんなに見せ場になるようなアクションはなかったな、全くないわけじゃないが…それはガラの悪い連中同士のどつきあいだったりした。作品もそうだけど、主人公のタイプも全然違ったということだろう。全4話のうち1~3話をHGモードで、要領が余ってたので最終話のみDRモードで録画し、25GBのBD-RE1枚に焼きました…録画の参考になれば。


監督:小林聖太郎
出演:森山未來 高畑充希 中村ゆり 木下ほうか 木村祐一 尾上寛之 佐藤佐吉 桂文珍


【原作小説はこちら】
煙霞 (文春文庫)






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