のぼうの城(2011年) | 勝手に映画紹介!?

のぼうの城(2011年)

勝手に映画紹介!?-のぼうの城


【鑑賞日:2012年11月9日】

先週から始まってる「のぼうの城」をシネコンで鑑賞してきた…邦画の話題作だけあり、公開から1週間経ったレイトショーでも意外と混雑…通路を挟んで隣に座ったオッサンが、隠し持った菓子の袋(持ち込み禁止なんで)をやたらとガサガサやってうるさいッたりゃありゃしなかった、ああいうマナーの悪いオッサン、マジでむかつくわ。さて、映画の方ですが犬童一心と共同監督という役職で、平成ガメラシリーズでお馴染み樋口真嗣が参加している時代劇。劇中で水攻めを描いていることから、昨年の震災を考慮して公開が予定よりも一年伸びていた作品だ。

天下統一をめざす豊臣秀吉は、最大の敵である北条勢にいよいよ攻め入る決意をする。そして秀吉は、家臣の石田三成に、周囲を湖で囲まれ“浮き城”の異名を持つ忍城を攻め、手柄を立てるようにと命じる。一方、忍城には“でくのぼう”を意味する“のぼう”という愛称で呼ばれ、農民たちからも慕われている不思議な侍、城代の成田長親がいた。この長親は、城主の成田氏長から「秀吉軍とは戦わずに開城せよ」という命を受けていたのだが、土壇場で戦を決意!たった500人の兵で、三成率いる20,000の軍勢と戦う羽目になってしまうのだが…。

後の豊臣秀吉こと羽柴秀吉が行った水攻めを行うプロローグ的な一幕…演じる市村正親の相変わらずテンションの高い演技も相まって、ボルテージMAX!劇中の上地雄介演じる石田三成じゃないが、その迫力にすっかり魅了されてしまう。あのシーンなんかは、それこそ怪獣映画っぽい印象を強く受けてしまい、どちらかというと樋口さんのカラーではないかなと推測してみる。ここでの水攻め描写は、あくまでつかみなので…本筋の後半で描かれる水攻めに比べるとジャブ程度の映像表現なのだが、個人的には映画の中で一番好きなシーンとなった。

売られた喧嘩を後先考えずに買っちゃった長親のボンクラ大将ぶりもあっぱれだが、対する石田三成も相当のボンクラだったんだなぁというのを強く感じだ。親分の秀吉がやった水攻めを…いつかは自分も同じことをするんだと、虎視眈々とその機会を窺っていて、チャンスが訪れた途端、真っ先に「水攻めだ!」って…まるでスネ夫のおもちゃを欲しがるのび太くんみたいな幼稚さ。助言を与えながらも、三成に振り回される山田孝之演じる大谷吉継は、ドラえもん的なパートナーといったところか?のぼうといい、三成といい振り回される部下が大変だ。

つーか、それに巻き込まれる民がもっと大変…無能な政治家に振り回されっぱなしの日本国民と、今の政治の世界と一緒だねなんて思って映画を見てしまう。でも、映画の方からは、醜い泥仕合を繰り広げても…最終的には達成感のようなものが感じられ、ちゃんと救いどころがあるんだけれどもね。でくのぼうでも、やる時はやった…最終的な結果を残した。こういうところは今の日本の総理もちっとは見習ってほしいものだ。史実に基づいているのが前提だからか、のぼうと姫様のロマンスとか、娯楽としてはちょっと物足りない部分もあったな。


監督:犬童一心 樋口真嗣
出演:野村萬斎 佐藤浩市 山口智充 成宮寛貴 上地雄介 山田孝之 市村正親 平岳大 前田吟


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『のぼうの城』オフィシャルブック