南國土佐を後にして(1959年) | 勝手に映画紹介!?

南國土佐を後にして(1959年)


 勝手に映画紹介!?-南國土佐を後にして 

WOWOWの小林旭特集でエアチェックしておいた「南國土佐を後にして 」を鑑賞…母親や恋人のために堅気になる事を誓った前科者で元ギャンブラーの小林旭が、世間の厳しい目でなかなか就職口が見つからず、さらには恋人が借金のカタにとられててにっちもさっちもいかなくなってしまい…結局、ギャンブルで起死回生を図るというアクションもの。タイトルと同名のペギー葉山が歌った歌謡曲をモチーフにした物語ということで、ペギー葉山が本人役で頻繁に登場。恋人役のヒロインに浅丘ルリ子、もう一人、小林旭に横恋慕する若い娘に中原早苗。

傷害事件を起こし服役していた原田譲司が出所…出迎えた兄貴分に「また一緒に組もう」と誘われるのだが、譲司は堅気になることを誓い、故郷の高知に帰ることに。故郷には母親が一人で暮らしており、さらに恋人の春江も待っていたのだ。さっそく就職活動をはじめる譲司だったが、前科がネックになり仕事が見つからない。さらに、春江が父親が残した借金のせいで、ヤクザの北村に無理やり結婚を迫られており、譲司も北村とその仲間から執拗に嫌がらせを受ける。なんとか春江の結婚は阻止したが、譲司は職を求めて再び東京に出る決意をする…。

服役中に刑務所へ慰問にやって来たペギー葉山(本人役)の歌を聴き、改心した小林旭は(歌の力でヤクザもんを更生させてしまうとは、さすがウルトラの母だ)…堅気になって実家に帰るんだけれども、前科者に対し、世間の目は厳しかった。さらに、恋人が借金のカタにとられててヤクザともめ事…そんな時に、突然、東京の兄貴分とその舎弟がやって来て…拳銃で脅す。拳銃をぶっ放したヤクザの舎弟が黄門様でお馴染みの西村晃…若い頃は印籠ではなく拳銃で悪党を蹴散らしてたんですね。つーか、この西村晃もけっこう嫌な奴なんだけど…。

助けられたけど…ヤクザに戻る気がない小林旭はかえって迷惑。ただ、このまま田舎にいても、何も変わらないと悟り、再び恋人と母親を残し、東京に向かう。東京へ向かう列車の中で知り合いのねーちゃんとバッタリと遭遇…つーか、このねーちゃんが小林旭に横恋慕してる中原早苗で、確信犯的に近づいてきた感じ。で、無理やり自分が働いている料亭に連れて行くんだけれども…そこは戦死した自分の兄(小林旭の一人二役)の元恋人が経営してる店で、そのまま居候することに。就職活動をはじめるが、東京でも田舎と同じような事の繰り返し…。

なんとか悪の道に誘い込もうとする兄貴分の命令で、就職活動中の小林旭の周りをうろちょろする西村晃…さらに、故郷の浅丘ルリ子一筋の小林旭は、ほぼストーカー女と化してる中原早苗の強引なモーションにも見向きもせず…その辺のゴタゴタが影響して、結局、就職ができない。仕事もない、金もない状態なのに…ルリ子が我慢できずに東京に出てきちゃって、さらに借金とりのヤクザたちも引き連れてきてしまう。とにかくルリ子の借金を片付けなきゃいけないということで、結局は兄貴分を頼り、一夜限りのギャンブラー復帰!

そう…小林旭は“ダイスの目”と呼ばれる、「ゴッドギャンブラー」のチョウ・ユンファも顔負けな凄腕の壺振りで(もしかして、ゴッドギャンブラーってこの映画のオマージュ?)、サイコロを自在に操る!そんなに凄いんだったら、意固地にならずにとっとギャンブラーに戻ってれば良かったのに(笑)どーせ前科もんなんだから、大金を稼いでからの、就職活動でも遅くなかっただろ。まぁ、その話は横に置いておいて…恋人を取り戻すために、一世一代の大博打に挑むというのがクライマックスの展開!果たして、そんなにうまく事は運ぶのでしょうか?

オープニングの主題歌にもなってるペギー葉山のタイトル同名曲…本編中に繰り返し流れるし、東京でバッタリ主人公と再会したペギー葉山は、お金まで恵んでくれる(相当、羽振りが良かったんですね)。ただ、最後の大勝負となったところでも、同じ場所でペギー葉山が歌ってて、曲が流れてくるんだよ。正直、「またかよ、しつけーよ」と思ってしまったのだが…壺振りに集中してた小林旭も…歌がよっぽウザかったようで…「あの歌を止めてくれ!」と絶叫する。主人公の気持ちとシンクロする妙な一体感…シリアスなシーンなのに爆笑してしまった。


監督:斎藤武市
出演:小林旭 浅丘ルリ子 南田洋子 ペギー葉山 中原早苗 高野由美 金子信雄 西村晃


【DVDソフトの購入】
DVD 南国土佐を後にして