密告・者(2010年)
GEOで借りてきた2012年5月9日発売、レンタル開始の新作DVD「密告・者
香港警察の刑事ドンは、密告者を犯罪組織に潜り込ませ、組織を一網打尽にしようと考えていたが、判断ミスによりあと一歩のところで狙っていた大物犯罪者を取り逃がし、密告者の正体もバレてしまい、瀕死の重傷を負わせてしまうなど、自分も重いトラウマを抱え込んでしまう。それから一年、上司の命令でドンは、凶悪犯罪者バーバイの動向調査を始める。新たに密告者に選ばれたのは出所間近の青年サイグァイだ。サイグァイは、借金の形で風俗で働かされている妹のために大金が必要で、渋々、仕事を引き受けるのだが…。
監督は「G4特工 OPTION ZERO 」や「重装警察」…近作では「スナイパー:」などバリバリのガンアクションを得意とするダンテ・ラム。本作も緊迫するドラマの合間に、小気味よいアクションを挟んできて、上手にスリルを持続させているんだけれども…もっとドンパチが派手かなと思っていたら、銃撃戦自体は意外と印象が薄い。冒頭で、刑事のドンが最初に使っていた密告者が、裏切りがばれて、犯罪者たちにボコボコにリンチされたりするシーンなど…痛々しく、生々しいアクションの方が多かったね。
特にクライマックス…やはり犯罪者グループ内で対立が起き、主人公も戦いに巻き込まれていくんだけれども、青龍刀みたいなでかい刃物を持った男たちに、廃墟に追い込まれた主人公たちがみせる、喧嘩アクション的などつきあいがかなり壮絶だ。反撃に使う武器は、廃墟に落ちている瓦礫とかガラスの破片。バリケードのように行く手に立ちはだかる、椅子や机の山がとにかくもどかしい。そういえば、レンタル用のクイズキャンペーンに、戦いの舞台になった廃墟は何?ってあったけど、たぶんアレ、学校だよね?(解答番号は教えないよ)
風俗に沈められた妹を助けるために密告者の道を選ぶという主人公が泣かせるじゃねーか。刑務所になんぞ入ってるけど、極悪人というわけではないんだよ。潜入先の犯罪組織のボスの恋人が、実は主人公のちょっとした知り合いだったんだけれども、うまくいってない二人の関係を見て、さりげなく手を差し伸べたりする。ヒロインとのプラトニックな距離感なんかもけっこう切ない…犯罪の下見を任された二人が、束の間見せる、人間らしさが余計に尾を引いて、ラストが際立ったね。
密告者を使い捨ての駒としかみていない警察上層部と、友情めいた感情を抱いてしまう密告者の板挟みにあう刑事のドンにも色々とドラマがある。最初は、正義のためなら何でもやる、クールな仕事人間にみえたんだけれども…実は、弱い人間なんですよ。別れた嫁さんが忘れられなくて、顔に似合わず社交ダンスとか習ってるんだけれども…このあたりもえっという展開が。すべてが、最初の潜入捜査の失敗に端を発しているわけなんだけれども、1年という期間に何があったのか?ドンが見せる罪滅ぼし的な最後の男気に、ちょっと胸が熱くなった。
監督:ダンテ・ラム
出演:ニコラス・ツェー ニック・チョン グイ・ルンメイ リウ・カイチー ミャオ・プゥ ルー・イー
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DVD 密告・者