使命と魂のリミット(2011年) | 勝手に映画紹介!?

使命と魂のリミット(2011年)


勝手に映画紹介!?-使命と魂のリミット


NHKで11月5日、12日と2週に渡って放送されたスペシャルドラマ「使命と魂のリミット 」をエアチェックしておいたのでまとめて連続鑑賞…ドラマに、映画にと映像化が相次ぐ人気作家、東野圭吾の同名小説が原作だそうですが、そちらは未読です。自分の父親が医療ミスで死んだのではないかと疑う娘が、執刀医だった心臓外科医の元で研修医になり、その疑惑を見極めようと苦悩するのと同時に、病院全体を巻き込んだ爆破脅迫事件が勃発して、騒動に巻き込まれていく。研修医役は石原さとみ、凄腕心臓外科医に舘ひろし。

氷室夕紀は11年前に心臓病の手術で、父親を亡くした事がきっかけとなり、心臓外科医を目指していた。そして、父親が死んだのは執刀医の医療ミスがあったのではないかという疑いを抱いている。現在はその執刀医・西園陽平が務める心臓血管外科で、研修医として多忙な日々を過ごしているのだが…。そんなある日、病院内で医療ミスを訴える脅迫状が見つかり、警察の捜査が始まる。夕紀は、父親の件と今回の脅迫文が関係があるのではないかとますます不信感を募らせていく。その矢先に、発煙筒を使った爆破騒動が起こり…。

上司である外科医が、もしかしたら故意に父親を殺したのかもしれない…さらに、未亡人になった母親(高島礼子)がよりによって、その外科医とくっついてしまったから余計に疑惑の目を向けてしまう。確かに、安っぽい2時間ドラマだったら、嫁さんをかっさらうために、医療ミスに見せかけて殺人を行ったなんて展開もありそうだが…はたして予想通りなのか?それと同時に、「病院に爆博物を仕掛ける!」という脅迫事件が発生…犯人が誰かというのは隠すつもりがなく、もろバレなんだけど、その動機面が作品の核に繋がっていく感じ…。

前編はヒューマンドラマ的な印象の方が強かった…いよいよ犯人が実力行使に出る後編は緊迫感が増してくる。ただ、警察による犯人の追跡みたいなのはあくまで付録みたいな感じで、やはり趣は、医療ドラマ的な見せ場に重点が置かれていた。爆破騒動に巻き込まれながらも、一人の患者を救うことだけに集中する医師や看護師たちの姿にちょっと感動する。ミステリーとしては物足りない部分もあったのだが、せかくのリアリティが急に絵空事になってしまう、映画版のバチスタシリーズよりも本作の方が、医療ドラマとしての面白さは感じられた。 

まぁ、11年も前に死んだ親父の事がふっきれない、石原さとみが、今時の女子、しかも医師を目指すような人間にしては、ちょっとファザコンすぎるだろとか思わなくもなかったが…将来の義父になるであろう外科医の舘ひろしとの微妙な関係、わだかまりを解消し、成長していく姿はドラマとして解かり易く描かれていたか?前編の登場シーンでは、水商売のママみたいな安い女にしか見えなかった高島礼子が、後編のクライマックスでは、包容力、理解力のある良き母親、良き妻にちゃんと見えたのでビックリした(笑)


演出:片岡敬司
出演:石原さとみ 速水もこみち 吹越満 相島一之 倉科カナ 中尾彬 永島敏行 高島礼子 舘ひろし


【原作小説はこちら】
使命と魂のリミット (角川文庫)
勝手に映画紹介!?-使命と魂のリミット (角川文庫)